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第1順位の相続人が放棄して相続権がまわってきた!自分も放棄するべきか?

第1順位の相続人が放棄して相続権がまわってきた!自分も放棄するべきか?

 

ご相談者A
(以下
A様)
叔父がなくなり、第1順位の相続人の息子が相続放棄し、私に相続権が回ってきました。

 

対象不動産:不動産価値2,500万円相当(叔父の自宅土地建物)

借金総額:300万円(カード滞納、光熱費、市県民税)



叔父には生前の借金もありました。

表向きの負債は300万円、不動産価値は2,500万程度あるため、この条件だけですと、相続放棄せず相続した方がよいとなりますが、 なぜ第1相続人が相続を放棄したのか、やみ金など、裏側の借金の存在が気になりますが、確認する方法はありますか?

                

新井

まずは、第1相続人の息子さんが放棄された理由を確認してみてください。

 

(財産の方が債務より大きいのになぜ放棄するのか?土地が財産であることを考えず借金の取り立てから逃れたかっただけか?土地に抵当がついているとのこと、不動産に価値がないのか?)

 

新井

また、借入金の確認に関しては、株式会社シー・アイ・シー(以下、CIC)などの信用情報機関で銀行、カード会社、消費者金融の債務の状況を確認してください。

但し、信用情報機関に加盟していないところの情報はでてきませんのでやみ金業者からの借入金の存在まではわかりません。ご注意ください。

 

A

第1相続人の息子に相続放棄の理由を聞くと「面倒だから」とのことでした。

CICで分からない場合はどうすればいいのでしょうか。

 

新井

CICではわからないやみ金業者からの借入金などについては、叔父さんの携帯電話の発信履歴や着信履歴、メールのやり取り、預金通帳の履歴、郵送物などから調べてみてください。

但し、相続放棄されないよう3ケ月が経過するまでは、そういった貸付先は静かにしている可能性があります。生存しているときの履歴で何かわからないか、また、借入金があっても時効になっていないかの確認も必要と思います。

そして、相続開始を知った日から3月以内に相続放棄又は限定承認の検討をする必要があります。相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産もすべて放棄となりますが、限定承認であれば財産以上の借金を負うことにはなりません。

自宅の土地建物があれば借入300万円返してもプラスになることは明らかですね。第1相続人も300万円以上になるのは普通にわかると思います。それなりに計算するでしょうし、相続放棄した理由が面倒だからというのは信じられませんね。

A

そうなんですよね。それが私も気になるところです。何か裏があるはず、別の作戦を考えてるんじゃないかと思っています。

 

~結果~

その後、直近の登録事項等証明書(登記簿謄本)を取得して確認したところ、叔父さんが亡くなったときは自宅の土地建物は第1相続人である息子に贈与されるよう死因贈与契約がなされていたのです。しっかりと登記までされていました。結果、叔父さんにやみ金業者からの借金はなく、第1相続人が財産だけは受け取れる契約を結んでいたのです。

A様が相続放棄しなければ、債務だけを引き継ぐ結果となってしまうところでした。

死因贈与は遺言での遺贈とは違い、贈与を受ける側が知らないことではないので第1相続人である息子もわかってやってるはずのこと、今回の件は、第1相続人による計画的なものだったのです。

新井

でも、財産だけ死因贈与で受取り、負債は相続放棄でなかったものとする。あまりに都合がよいので債権者から詐害行為で訴えられるのではないでしょうかね。詐欺の一種ですよね。それができるなら財産と借金の双方ある人はみんなそうできてしまいますからね。

 

今回のように上位の相続人が相続破棄をし、相続権が回ってくるケースがあります。

第2 順位の相続人は、被相続人との関係も希薄なことがあるため、A様のように実態が見えづらいこともあると思います。

その際、どうしてよいかわからないことが多いと思います。困ったときはご相談いただきたく思います。

 

 

このコラムを監修した税理士

新井 泰

サン共同税理士法人・八王子オフィス所長 新井 泰

東京税理士会八王子支部税理 士登録:2015年 税理士登録番号:129485
2016年 サン共同税理土法人のパートナーに就任
2017年 サン共同税理士法人八王子オフィス所長に就任

経営・会計税務・確定申告について、誰に相談すればよいのか、税理士に相談しても親身になってくれないのではないかと思われている経営者の方も多いと思います。是非私にご相談ください。ご満足していただけるよう、誠実に対応させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

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