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飲食店開業支援コラム

住宅街の小粋なイタリアンレストランを開業するときの心構え

公開日:2018/08/13
最終更新日:2022/10/21
イタリアンレストラン開業

住宅街に溶け込むように存在しているイタリアンレストランがあります。客は夫婦やファミリーが多いのですが、話題づくりに成功すれば遠方から客を呼び寄せることも可能です。

イタリアンレストランで長く働いている人なら、六本木や軽井沢に店を出すのは難しいと思っても、一般住宅をレストランに改装した店なら「自分でもできそう」と思うことはありませんか。

決して大儲けできる業態ではないのですが、しかし料理人として大きな喜びを得られるはずです。

高級住宅街である必要はないが、感度が高い住民がいる街を探そう

住宅街のイタリアンレストランを開業するメリットは、オーナーシェフのワークライフバランスを確保できるところです。

大都市の繁華街でイタリアンレストランを出せば、店の家賃や従業員の時給、食材費、すべてが高額です。売上を確保するためにランチ用の弁当をつくる店もありますし、深夜営業をすることもあります。

そこまでしても、客の何割かは味に興味を持たない流れ客で、手塩にかけた料理を平気に残します。酒に酔って無礼を働く者も現れるかもしれません。

それならいっそ、住宅街にイタリアンレストランを開いてはいかがでしょうか。ランチタイムが終わったらしっかり2時間は店を閉めることができます。それだけあれば、ディナーの仕込みもぬかりなくできます。

客は品がよくフレンドリーです。こだわり食材を説明する給仕の話にも真剣に耳を傾けてくれます。厳選したワインを客から褒めてもらえれば、喜びが増えます。

そして早ければ20時、遅くても22時には店を閉めることができるので、翌日の英気を養うこともできます。店が軌道にのれば週休2日にしても利益を確保できるようになるかもしれません。

ただ、住宅街型イタリアンレストランを開くときは、近隣住民の生活をしっかり調べてください。一戸建て住宅やマンションの品質は、その街を2~3時間歩き回れば把握することができます。庭や歩道に雑草がなく、凝ったガーデニングをしていれば「尚可」です。高級住宅街である必要はありませんが、食やファッションの感度が高い住民が居る街を選びましょう。

「それなりの金額を落としてくれるお客様」が住んでいる街を選べるかどうかが店の成否を決めるでしょう。

メニューは1軍、2軍、3軍までつくろう

イタリアンレストランはメニュー数の多さが重要になります。お客様が、定番メニューから選ぶか本日のおすすめメニューから選ぶかで悩むほどたくさんあったほうがいいでしょう。

ただメニューを多く用意すると、ロスが発生しやすくなったり、儲からないメニューを用意しなければならなかったりします。そこでコスト計算が重要になってきます。適切にコストをかけつつも、しっかり利益を確保するには、1軍メニュー、2軍メニュー、3軍メニューをつくる必要があります。

1軍メニューとは、売上の7割を叩き出すことができる品です。ボンゴレやペペロンチーノ、海鮮ピザなどが候補になります。1軍メニューのラインナップは、よそのイタリアンレストランでも並んでいるものでもかまいませんが、集団客が必ず選ぶくらいに育て上げる必要があります。

2軍メニューはカニやウニやエビなどの高級食材を使ったものが望ましいでしょう。売上貢献度より利益貢献度を重視したラインナップにしたいところです。つまり、客に「これだけ高価な食材を使っているのだからこの値段は妥当」と感じさせる必要があります。

2軍メニューを充実させると、客は不思議と1軍メニューの価格を安く感じるようになります。1軍を引き立てる2軍というわけです。ただオーナーシェフとしては、2軍メニューを1軍に昇格させることで、増益増収を狙うことができます。

3軍は季節のメニューや珍しいメニューを並べます。さらに、グラタンやパエリアなど、客がボリュームの割に安価だと感じられるメニューも3軍に盛り込んでおいてください。常連客には「きょうは低額予算で抑えたい」と考えている日があります。このとき3軍メニューがあると、外食に出るモチベーションを消さないで済みます。

本場のイタリアンレストランは居酒屋

住宅街のイタリアンレストランは、豪華な内装にする必要はありません。フランクな雰囲気を出して、敷居をグッと下げましょう。ただしチープはいけません。机や椅子にはこだわらなくても、食器にはこだわるといったメリハリが必要です。

本場イタリアの地方の街のイタリアンレストランは、日本でいえば居酒屋やラーメン店のような存在です。近所の人が集まってワイワイやる場です。それを目指しませんか。

そのためには、オーナーシェフのこだわりすぎは禁物です。例えば、割り箸を出すことも小さな心遣いといえます。それにより近所のお年寄り夫婦も来店してくれるようになります。ボトルで2,000円ぐらい低価格帯ワインも用意しておきたいところです。

競争ではなく共存を

住宅街のイタリアンレストランが目指すポジションは、街との一体化、住民から愛される存在です。そのため、近隣の飲食店や地元経済との共存を意識しましょう。

例えば近所に店主1人でやっている小さな居酒屋があったら、自分のイタリアンレストランでは生ビールを扱うのをやめ、瓶ビールやワインを提供してはいかがでしょうか。「とりあえずビール」をやりたい客を奪わないようにするためです。

また食材の調達は地元の卸会社を使いたいところです。コーヒー豆も近くの喫茶店が自家焙煎をしていたら、そこから購入してはいかがでしょうか。

そのような小さな気遣いの積み重ねは、必ず店の評判につながります。住民からゆっくりじっくり愛されることが、住宅街型イタリアンレストランを長く経営するコツです。

まとめ~住民は待っています

住宅街のなかの実力があるイタリアンレストランは、住民たちが待ち望んでいます。「お高い感じ」は出さず「品がある雰囲気」だけを出すことは難しいのですが、それができれば住民がそのイタリアンレストランを大切にしてくれるはずです。

やりがいは大きいはずです。

イタリアンレストランを独立開業するためには、しっかりした計画が開業後の成否を分けます。

下記コラムは日本政策金融公庫と創業融資を受ける人用に見えますが、私は創業計画書と言うのは日本政策金融公庫に見せるためだけに作ることはナンセンス、実際の飲食店経営に活かすために作るべきだと思っていますので、下記の飲食店開業資金コラムは創業融資を検討していない方で創業計画書の作成を考えている方にもオススメしてますので是非読んでみてください!

https://tax-startup.jp/restaurant/food/5129/

創業計画書のうち、数字の書き方や考え方のみ知りたい方は下記の飲食店開業資金コラムを参考にしてみてください。

https://tax-startup.jp/restaurant/food/6152/

イタリアンレストランを開業する際のよくある質問

どこに開業すべきですか?

高級住宅街である必要はないが、感度が高い住民がいる街を探しましょう。

イタリアンのメニューの作り方を教えてください。

イタリアンレストランはメニュー数の多さが重要になります。お客様が、定番メニューから選ぶか本日のおすすめメニューから選ぶかで悩むほどたくさんあったほうがいいでしょう。

ただメニューを多く用意すると、ロスが発生しやすくなったり、儲からないメニューを用意しなければならなかったりします。適切にコストをかけつつも、しっかり利益を確保するには、1軍メニュー、2軍メニュー、3軍メニューをつくる必要があります。

住宅街にイタリアンを開業する際のポイント

住宅街のイタリアンレストランは、豪華な内装にする必要はありません。フランクな雰囲気を出して、敷居をグッと下げましょう。ただしチープはいけません。机や椅子にはこだわらなくても、食器にはこだわるといったメリハリが必要です。