飲食店開業支援専門家が教える開業資金を賢く借りる方法とは?
最終更新日:2022/10/21
料理の腕や接客スキルだけでは、飲食店のオーナーになることはできません。まとまったお金が必要です。
しかしまとまった現金を持っていない人でも、飲食店の経営を始めた人はいます。そういった人たちは、お金を借りています。
「借金は恐い」と感じるでしょうか。
その感覚は大切ですが、お金を借りて自分に投資することは、1日も早く自分の店を持つためには欠かせません。
そこで賢いお金の借り方について考えてみたいと思います。
Contents
飲食店開業資金を借りるとは?
開業資金とは、飲食店を開くのに必要なお金のことです。飲食店を開くには、少なくとも次のものを用意する必要があります。
- 店舗になる物件を借りる
- 店舗の改装
- 水道、電気、ガス
- 原材料
- 調理器具や食器、テーブル、椅子
- スタッフ
- 自分の生活の確保
これらはすべてお金がかかります。しかも開業当初は客の入りが安定しないので、しばらく売上がゼロ円でも耐え忍べるだけのお金が必要です。
開業資金は飲食店の業態によって異なります。特殊な調理器具を導入したり、高価な内装にしたり、人気の繁華街に出店したりすると、開業資金は簡単に「百万円の単位」で跳ね上がります。一方、実家を改装したり、居抜き店舗に入れば安く済みます。
そのため個人経営の飲食店でも、飲食店開業資金は100万円から1,000万円中には高級業態のフレンチやイタリアンとなると2000万円や3000万円までさまざまです。
自分の店を開業するために必要な額がわかったら、次にそれをどのように資金調達するか考えます。
最も簡単で最も確実な方法は自分で貯めたお金を使うことですが、その場合、貯金が必要な額に達するまで店を開けないことになります。
それではビジネスチャンスを逃してしまいます。
そこでほとんどの飲食店オーナーは、飲食店の開業資金を借りています。つまり借金です。
いくら、誰から、借りたらいいのか
飲食店の開業資金の全額を借金に頼ってしまったら、飲食店を開いた途端に資金繰りが大変になり、料理や接客どころではなくなってしまうかもしれません。
そのため、開業資金の一部は自己資金で用意しましょう。日本政策金融公庫によると、開業資金に占める自己資金の割合は、平均22%です。つまり、1,000万円で店をつくる場合、多くの人は自己資金(自分の貯金)として220万円用意している、ということです。
では残りの78%はどこから調達しているのかというと、金融機関の融資67%、親族からの借入れ6%、その他5%となっています。つまり開業資金の半分以上は金融機関から借りているのです。
1,000万円で飲食店を開業しようとしたら、
- 自分の貯金から220万円を投じて、
- 金融機関から670万円を借りて、
- 親族から60万円を借りて、
- その他どこかから50万円を調達する
というのが、平均的な姿です。
ただ「自己資金22%、金融機関融資67%」という数字は、飲食店以外の業種業態も含みますし、なにより平均なのであくまで「目安」と考えておいてください。
自己資金以外はすべて借金なので、利子をつけて返さなければなりません。よって開業資金は「できるだけ自己資金を多くして借金を少なくする」のが鉄則です。
飲食店開業の味方日本政策金融公庫とは?
金融機関からの融資(借金)は、普通の銀行や地域の信用金庫などもありますが、個人で飲食店を独立開業しようとしている人に人気なのは、日本政策金融公庫です。
また飲食業の方は信用金庫でなく日本政策金融公庫の方がよいです、その理由は下記飲食店開業資金コラムに書いていますのでご参考にしてください。
https://tax-startup.jp/restaurant/food/5764/
「日本政策」と聞くとお堅いイメージがありますが、個人事業主向けの融資が充実しています。
日本政策金融公庫の創業支援メニューには、「創業前支援」「創業時支援」「創業後支援」の3種類があります。
<創業前支援>は、まだ飲食店を開業していない人が受けられる融資です。運転資金や設備資金に充てることができます。
<創業時支援>は、事業開始から7年以内の人や若い女性や高齢者などの飲食店開業を支援する融資です。
<創業後支援>は、飲食業開業してから資金が足りなくなったときに使える融資です。
飲食店開業時の創業動機をどう書くか
日本政策金融公庫の創業支援融資を受けるとき、審査があります。日本政策金融公庫として「借金を返すことができる創業者かどうか」を見極めるのです。
審査を受けるにはさまざまな書類を作成する必要があるのですが、なかでもしっかりした「創業動機」を書くことは重要です。
創業動機とは、開業への情熱です。なぜ数ある飲食店のなかでそのフードを選んだのか、なぜいま独立開業しようとしたのか、自分の店を持つだけの料理接客スキルはあるのか、などを書いていきます。
「創業動機」の詳しい書き方は、こちらのURLで解説していますので、必ず一読しておいてください。
https://tax-startup.jp/restaurant/blog/6270/
創業計画書をどう書くか
日本政策金融公庫の創業支援融資を受けるときのもうひとつの関門は、「創業計画書」づくりです。
創業計画書は、開業への情熱(創業動機)の裏付けとなる数字(金額)を書いていくことになります。ここにいい加減な数字を記入してしまうと、日本政策金融公庫の担当者から質問を受けることになります。
何にいくら必要なのか、どうしてその金額が必要なのか、どのようにしてそのお金を調達するのか、など事細かに記載しなければなりません。
商業計画書づくりを始めると「飲食店を開業するには、これも用意しなければならないのか」と気づかされることが多いでしょう。
そこで、創業計画書の書き方を、以下のURLで詳しく解説しました。
https://tax-startup.jp/restaurant/food/6152/
このサイトはじっくり読んでください。融資を受けるための書類づくりだけでなく、「飲食店の経営の基礎」を学ぶことができます。
まとめ~きちんとお金を借りることが独立開業の第1歩
日本政策金融公庫の創業計画書を書くには、飲食店の経営を知っておく必要があります。
独立開業を目指す多くの料理人は、料理や接客は得意でも、お金の管理が苦手です。しかしそれでは自分の店を持つためのお金を借りることすらできません。
すなわち、日本政策金融公庫の審査をパスして創業支援融資を受けることは、自分の店を軌道にのせる第1歩と考えてもよいでしょう。
創業計画書づくりは複雑なので、税理士に相談する方法もあります。
税理士もお医者さんと同じで飲食店専門税理士から総合病院の税理士など色々いるのでご注意ください!
税理士は法律家で資格の勉強で融資を習っていないのでご注意くださいと言う飲食店開業資金コラムを下記に書きましたのでご参考にしてください!
https://tax-startup.jp/restaurant/food/2681/
初回の相談料を無料にしている税理士事務所を探して、まずは情報収集をすることをおすすめします。
飲食店の開業や経営に詳しい税理士なら、融資に必要な書類づくりだけでなく、コンサルティングサービスも受けることができます。
開業資金に関するよくある質問
開業資金は誰から借りますか?
資金繰りの面で考えても、一部は自己資金で用意しましょう。日本政策金融公庫によると、開業資金に占める自己資金の割合は、平均22%です。残りは金融機関や親族から借りることが多いです。
創業動機はどう書けば良いですか?
創業動機とは、開業への情熱です。なぜ数ある飲食店のなかでそのフードを選んだのか、なぜ今独立開業しようとしたのか、自分の店を持つだけの料理接客スキルはあるのか、などを書いていきます。
創業計画書はどう書けば良いですか?
何にいくら必要なのか、どうしてその金額が必要なのか、どのようにしてそのお金を調達するのか、など事細かに記載しましょう。