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親が亡くなったらすべき手続きを詳しく解説!期限もわかるチェックリストでスムーズな手続きを

親が亡くなったらすべき手続きを詳しく解説!期限もわかるチェックリストでスムーズな手続きを

親が亡くなった際には、死亡診断書の受け取りから死亡届の提出、葬儀、相続手続きと、短期間のうちにすべきことが多くあります。

本記事では、手続きごとにやるべきことを詳しく解説します。チェックリストも用意しているので、参考にしていただきスムーズに手続きをおこなう一助としてもらえれば幸いです。

相続センターに相談

親が亡くなったらすることチェックリスト

父親や母親が亡くなったとき、精神的なショックも大きく、何も手をつけられなくなってしまうことでしょう。

しかし、親が亡くなった際にやるべきことはたくさんあります。葬儀のための手続きはもちろん、役場への手続き、遺産相続に関する手続きなどに対応しなくてはいけません。

ただでさえ辛い状況の中、これらの手続きを進めていくのは相当な負担がかかります。

それに加え、手続きの中には期限が決められているものもあるため、手続き漏れを防ぎながらスムーズに行っていく必要があるのです。

そこで、親が亡くなったときにしなくてはいけないことを、各手続きごとにリストにしました。精神的に辛い中でも、このリストを参考にして手続きを進めていってください。

●親が亡くなったらやることチェックリスト

手続きの種類 手続き内容 手続きの期限 対象者 手続き先 チェック
親が亡くなったら

すぐにすべき手続き

死亡診断書の受け取り 当日 すべての人 医師(事故などの時は警察) ◻︎
葬儀の手配 当日または翌日 すべての人 葬儀社 ◻︎
死亡届の提出・火葬許可書

の受け取り

7日以内 すべての人 市区町村役場 ◻︎
公的機関への手続き 年金受給の停止手続き 厚生年金を受給→10日以内

国民年金を受給→14日以内

年金を受給していた場合 年金事務所 ◻︎
健康保険資格の喪失手続き 14日以内 すべての人 市区町村役場(被用者保険

の場合は勤務先や健保組合)

◻︎
介護保険資格の喪失手続き 14日以内 条件に該当する場合 市区町村役場 ◻︎
世帯主変更の手続き 14日以内 世帯主が亡くなった場合 市区町村役場 ◻︎
死亡一時金の請求 2年以内 条件に該当する場合 市区町村役場または年金事務所 ◻︎
葬祭費・埋葬費の請求 2年以内 条件に該当する場合 市区町村役場または健保組合 ◻︎
高額医療費還付請求 2年以内 条件に該当する場合 市区町村役場または健保組合 ◻︎
遺族年金・寡婦年金の請求 5年以内 条件に該当する場合 市区町村役場または年金事務所 ◻︎
未支給年金の請求 5年以内 未支給年金がある場合 年金事務所 ◻︎
利用している民間

サービスへの手続き

公共料金や携帯電話、

インターネットなどの解約

できる限り早く 必要に応じて行う 電気・ガス・水道会社

携帯会社・サービス事業者

◻︎
クレジットカードの解約 できる限り早く 必要に応じて行う カード会社 ◻︎
死亡保険金の請求 5年以内 死亡保険に加入していた場合 保険会社 ◻︎
遺産相続に関する手続き 相続人や相続財産の調査 できる限り早く すべての人 市区町村役場

相続財産調査は届出先なし

◻︎
遺産分割協議・遺産分割

協議書の作成

できる限り早く 遺言書がない場合 届出先なし ◻︎
相続放棄の手続き 3ヶ月以内 相続放棄を望む人 家庭裁判所 ◻︎
相続登記 遺産分割等が完了し次第 必要に応じて行う 法務局 ◻︎
預貯金等の払い戻しや名義変更 できる限り早く 必要に応じて行う 銀行等 ◻︎
相続税の申告と納付 10ヶ月以内 必要に応じて行う 申告は税務署

納税は金融機関

◻︎

以下に、手続きの詳細を解説していきます。

親が亡くなったらすぐにする手続き

はじめに、親が亡くなった際にすぐに行わなくてはいけない手続きの解説です。法律で定められているものもあるので、必ず期限を守るようにしましょう。

死亡診断書の受け取り

親が亡くなった際、まずは死亡診断書を発行してもらう必要があります。

病院で亡くなった場合は、その病院の医師や主治医から発行してもらいますが、自宅で亡くなった場合には、以下の2通りが考えられるので確認しておいてください。

①病気を患っていて、その病気が原因で自宅で亡くなった場合には、かかりつけ医に来てもらい死亡診断書を発行してもらう。

②病気を患っていて、「その病気以外の原因で自宅で亡くなった場合」には、遺体や部屋のものに手を触れず、すぐに警察に連絡する。

2の場合、死亡診断書ではなく、「死体検案書」が発行されることになります。死亡診断書も死体検案書も効力は変わりません。

死亡診断書(死体検案書)は、死亡届の提出や死亡保険金の請求時に提出する必要があります。

添付書類として提出した場合、返却されないことがほとんどですので、必ずコピーを複数枚用意しておきましょう。

葬儀の手配

続いて、葬儀の手配を行います。病院で亡くなられた場合、遺体を搬送する手続きも必要となるので覚えておいてください。

葬儀の手配は基本的に葬儀社に依頼します。葬儀を依頼する葬儀社は、ご自身で決めることをおすすめします。

病院から紹介されることもあるかと思いますが、葬儀費用を巡ってトラブルとなることも多いため注意が必要です。

信頼の置ける葬儀社かどうかは、担当者の対応が丁寧かどうかや、費用見積りを出して説明をしてくれるかどうかなどの基準で選ぶようにしましょう。

亡くなった親が葬儀社の会員になっていた場合、葬儀費用の積立金があったり、葬儀費用の割引が受けられたりする可能性があります。

その場合は、会員となっていた葬儀社に葬儀の手配を依頼するのがベストですので、郵便物などを確認しておきましょう。

死亡届の提出・火葬許可証の受け取り

死亡診断書を受け取り、葬儀の手配を済ませたら、死亡届を市町村役場に提出します。

死亡届の提出は「死亡が分かった日から7日以内(国外で死亡が会ったときは、その事実を知った日から3ヶ月以内)」に行わなくてはいけません。

(戸籍法第86条1項)死亡診断書と葬儀の手配が完了次第、すぐに取り掛かりましょう。

ほとんどの場合、死亡届の提出は葬儀会社の担当者が行ってくれますが、用紙への記入は遺族が行います。

自分で市町村役場に提出することも可能です。死亡届に必要事項を記入し、死亡診断書とともに提出しましょう。

死亡届は、死亡診断書同様にその後の手続きに必要になる場面もあるので、コピーを用意しておいてください。

死亡届の提出と同時に火葬許可証の申請も行っておきましょう。

死亡届同様、葬儀会社の担当者に任せることもできますが、遺族がおこなう場合には、死亡届と火葬許可証申請書を市町村役場に提出します。

火葬場に火葬許可証を提出し、火葬が終われば埋葬許可証を受け取ります。納骨の際に必要となるので、遺骨のそばに保管しておくなど、紛失しないように気をつけてください。

公的機関への手続き

葬儀が滞りなく終わったら、続いて公的機関への手続きを進めていきます。

期限が14日以内のように、早めに到来するものもあるため、優先順位を確認しながら進めてください。

以下では、期限の到来が早い順に公的機関への手続きを解説します。

年金受給の停止手続き(10日または14日以内)

親が亡くなった際、年金の受給を停止する必要があります。

停止するのを忘れ、年金をもらい過ぎてしまった場合には返還を求められることがあるので注意が必要です。なるべく早めに手続きをおこなうようにしましょう。

亡くなった人と生計を一にしている遺族がいる場合、未支給分の年金をもらうことができます。年金受給停止手続きの際に同時に請求するようにしましょう。

また、要件を満たしていれば、「遺族年金」や「死亡一時金」、「寡婦年金」をもらうことができるので、年金事務所の職員に相談してみることをおすすめします。

年金受給の停止手続きは、厚生年金を受給していた場合10日以内に、国民年金を受給していた場合14日以内に行わなくてはいけません。

マイナンバーと基礎年金番号が紐付いている場合には、手続きが不要となります。ただし、未支給年金の請求などは手続きをおこなう必要があるので、注意してください。

年金受給の停止手続きに必要となる書類は、以下の通りです。

  • 年金受給権者死亡届(報告書)
  • 亡くなった方の年金証書
  • 死亡の事実を明らかにできる書類(戸籍抄本、住民票除票、死亡診断書のコピーなど)

提出先は、年金事務所か年金相談センターになります。

健康保険資格の喪失手続き(14日以内)

親が亡くなった場合、健康保険証を返却して、健康保険(国民健康保険や後期高齢者医療制度)資格の喪失手続きを行います。

手続きの具体的な内容については、各自治体ごとに異なりますので窓口で確認するようにしましょう。

亡くなった親が世帯主であった場合には、家族全員の健康保険証を返却しなくてはいけません。

その上で、新たに世帯主を決めて国民年金に加入、または会社に勤めている家族の扶養に入り、健康保険(被用者保険)に加入する必要があります。

もし、亡くなった親が会社に勤めていており、勤務先の被用者保険に加入していた場合には、5日以内に資格喪失の手続きをしなくてはいけません。

手続きは、勤務先の会社に死亡を届け出るだけで、実際に何かを行わなくてはいけないわけではありませんが、期日が早く到来するので注意してください。

健康保険資格の喪失手続きに必要な書類は以下の通りです。

  • 資格喪失届
  • 保険証
  • 死亡の事実を明らかにできる書類(戸籍抄本、住民票除票、死亡診断書のコピーなど)
  • マイナンバーカードなど
  • 届出人の本人確認書類

提出先は、亡くなった方の住所地の市区町村役場となります。被用者保険に加入している場合は、勤務先や健保組合です。

介護保険資格の喪失手続き(14日以内)

親が亡くなった場合、健康保険同様に介護保険も資格喪失の手続きが必要になります。

資格喪失届の提出とともに、介護保険被保険者証を返却します。

亡くなった方が、要介護認定や要支援認定の申請中であった場合は、申請の取り下げをおこなう必要が出てくるかもしれません。

詳しいことは市区町村の窓口で確認しておきましょう。

介護保険資格の喪失手続きに必要となる書類は以下の通りです。

  • 資格喪失届
  • 介護保険被保険者証など

提出先は、亡くなった方の住所地の市区町村役場となります。

世帯主変更の手続き(14日以内)

亡くなった親が世帯主だった場合、14日以内に新しい世帯主が居住している市区町村役場に届出なくてはいけません。

ただし、誰が世帯主になるかが明らかな場合には、届出は不要となります。

例えば、世帯員が1人になる場合や、世帯員がもう片方の親と15歳未満の子どもだけになった場合などです。

世帯主変更の手続きには、以下の書類が必要になります。

  • 世帯主変更届
  • 申請する人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
  • 国民健康保険の保険証(加入している場合)
  • 代理人が申請する場合は委任状(代理人が申請する場合、本人確認書類は代理人のもの)

届出先は、居住地の市区町村役場です。

死亡一時金の請求(2年以内)

亡くなった親が国民年金の第1号被保険者(日本国内に住んでいる、20歳以上60歳未満の自営業者や農業者、無職の方など)の場合、独自の給付として死亡一時金が受け取れます。

ただし、死亡一時金は、亡くなった親が第1号被保険者であっても、遺族が遺族基礎年金を受給できる場合には、受け取ることができません。

例えば、亡くなった親の配偶者に子がいる場合や、遺族が子だけの場合には遺族基礎年金を受給できるので、死亡一時金は受け取ることができないことになります。

また、後ほど説明しますが、死亡一時金と寡婦年金の両方を受け取れる場合、どちらか一方を選ばなくてはなりません。

寡婦年金を受け取る場合、死亡一時金は受け取れませんし、死亡一時金を受け取る場合には寡婦年金を受け取ることはできません。

死亡一時金の請求期限は2年以内となっているので、それまでにどちらを選ぶのか決める必要があります。

死亡一時金の請求に必要な書類は、以下の通りです。

  • 死亡一時金請求書
  • 亡くなった方の年金手帳
  • 戸籍謄本(全部事項証明書)など
  • 請求者の世帯全員の住民票の写し
  • 亡くなった方の住民票除票
  • 受取先金融機関の通帳またはキャッシュカード(写し可)

請求先は、亡くなった親の住所地がある市区町村役場、年金事務所、街角の年金相談センターとなります。

葬祭費・埋葬費の請求(2年以内)

国民健康保険や後期高齢者医療制度、被用者保険に加入している場合、亡くなった方の葬儀にかかった葬儀費用や埋葬のための費用などが給付されます。

亡くなった方が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合には、喪主に対して3〜5万円(自治体によって異なる)が給付されます。

請求する際は、亡くなった方の保険証、死亡の事実が確認できるもの(死亡診断書や火葬・埋葬許可証)、申請者が葬祭を行ったことが確認できるもの(葬祭費ようの領収書など)が必要です。

詳しくは、各自治体に確認しておくと良いでしょう。

提出先は、亡くなった方の住んでいた市区町村役場です。

亡くなった方が被用者保険に入っていた場合、亡くなった方に生計を維持してもらい、埋葬を行った人には5万円の「埋葬料」が給付されます。

亡くなった方に生計を維持してもらっている人がいない場合には、実際に埋葬を行った人に実費(上限5万円)が給付されます。

請求する際には、埋葬費(料)支給申請書、生計維持関係が確認できる書類(住民票など)、埋葬費の明細書や領収書などが必要です。

詳細については、確認しておくことをおすすめします。

提出先は、亡くなった方の勤務先または健保組合です。

亡くなった方が被用者保険に加入している方の扶養家族の場合、亡くなった方を扶養していた被保険者に対して5万円の「家族埋葬料」が給付されます。

請求の際には、埋葬費(料)支給申請書、亡くなられた方の死亡が確認できる書類(死亡診断書など)が必要です。

詳細は、確認しておくことをおすすめします。

提出先は、亡くなった方を扶養していた方の勤務先または健保組合です。

葬儀費や埋葬料の請求手続きの期限は、死亡または葬儀を執り行ってから2年以内となっていますが、保険証の返還や資格喪失手続きの際にあわせて行っておくことで、申請漏れを防ぐことができます。

高額医療費還付請求(2年以内)

亡くなった方の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合、高額療養費制度を利用することで自己負担額超過分が払い戻されます。

亡くなった後からでも申請ができ、請求期限は診療月の翌月から2年以内と規定されています。

医療費の自己負担限度額は年齢や収入、受診状況によって変わってくるので、詳細は厚生労働省のホームページを確認しておくことがおすすめです。

申請の際には、高額療養費支給申請書、医療費の領収書、亡くなった方との続柄がわかる書類(戸籍謄本など)が必要になります。

提出先によっては必要書類が増えることもあるので、しっかり確認しておきましょう。

提出先は、亡くなった方が国民健康保険、後期高齢者医療制度に加入していた場合には住所地の市区町村役場に、被用者保険の場合には協会けんぽ、健保組合となります。

遺族年金・寡婦年金・未支給年金の請求(5年以内)

亡くなった方が生計を維持していた場合、遺族は遺族年金を受け取ることができます。

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、亡くなった方の年金の加入状況によっていずれか、または両方の受け取りが可能です。

遺族基礎年金とは、遺族に18歳未満の子ども(18歳になってから3月31日を経過するまで)または障害のある20歳未満の子どもがいる場合に支給されるもので、子どもがいない配偶者には支給されません。

遺族厚生年金とは、亡くなった方が厚生年金に加入していた場合に支給されるもので、遺族基礎年金と違い、子どものいない配偶者や亡くなった方の父母にも支給されます。

遺族年金の申請の際には、以下の書類が必要です。

  • 年金請求書
  • 年金手帳(提出できない場合には理由書が必要)
  • 戸籍謄本(受給権が発生した日以降で提出日から6ヶ月以内に交付されたもの)
  • 世帯全員の住民票の写し(亡くなった方との生計維持関係確認のため)
  • 亡くなった方の住民票除票(世帯全員の住民票の写しに記載がある場合は不要)
  • 請求者の収入が確認できる書類(所得証明書や課税明細書、源泉徴収票など)
  • 子の収入が確認できる書類(義務教育終了前は不要。高等学校在学中は在校証明書または学生証など)
  • 死亡診断書のコピーまたは死亡届の記載事項証明書
  • 受取先金融機関の通帳またはキャッシュカードのコピーなど

※死亡の原因が第三者行為(交通事故など)の場合には、ほかにも必要な書類があります。

遺族基礎年金のみの場合、請求先は亡くなった方の住所地の市区町村役場に、遺族厚生年金がある場合には、年金事務所や街角の年金相談センターです。

続いて寡婦年金ですが、上述の通り、死亡一時金を受給した場合には受け取ることができません。

寡婦年金は、第1号被保険者であった夫が亡くなり、妻が遺族基礎年金を受給できない場合に、その妻が60歳から65歳まで受け取ることができる年金です。

受け取れる額は、亡くなった夫がもらえるはずであった老齢基礎年金の4分の3の金額になります。

寡婦年金の申請に必要な書類は、以下の通りです。

  • 寡婦年金請求書
  • 年金手帳(提出できない場合には理由書が必要)
  • 戸籍謄本(受給権が発生した日以降で提出日から6ヶ月以内に交付されたもの)
  • 世帯全員の住民票の写し(亡くなった方との生計維持関係確認のため)
  • 亡くなった方の住民票除票(世帯全員の住民票の写しに記載がある場合は不要)
  • 請求者の収入が確認できる書類(所得証明書や課税明細書、源泉徴収票など)
  • 受取先金融機関の通帳またはキャッシュカードのコピーなど
  • 年金証書(他の公的年金から年金を受けている場合)

請求先は、市区町村役場や年金事務所、街角の年金相談センターになります。

最後に未支給年金の請求についてです。

公的年金は、過去2ヶ月分がまとめて支給されます。そのため、亡くなった直後にはまだ支給されていない年金、未支給年金があります。

また、亡くなった方が年金をもらえるにもかかわらず、もらっていなかったような場合、本来ならばもらえるはずの年金が未支給年金となってしまうのです。

亡くなった方と生計を一にしていた遺族は、これらの未支給年金について、請求手続きをおこなうことで亡くなった方の未支給年金を受け取ることができます。

請求期限は5年以内と長くなっていますが、請求漏れしないよう、早めに請求手続きを行っておくことをおすすめします。

未支給年金の請求に必要な書類は、以下の通りです。

  • 未支給年金・未支払給付金請求書及び受給権者死亡届(報告書)
  • 亡くなった方の年金証書
  • 死亡の事実を明らかにできる書類(戸籍抄本、住民票除票、死亡診断書のコピーなど)
  • 亡くなった方と請求者との続柄が確認できる書類(戸籍謄本など)
  • 亡くなった方と請求者が生計を一にしていたことがわかる書類(亡くなった方の住民票除票および請求者の世帯全員の住民票など)
  • 未支給年金の受取を希望する預金口座の通帳やキャッシュカードのコピー

請求先は、年金事務所または街角の年金相談センターになります。

利用している民間サービスへの手続き

公的機関への手続きのほかにも、公共料金や携帯電話、クレジットカード、生命保険など、民間サービスに対する手続きをおこなう必要があります。

余計な支出を抑えておくためにも、民間サービスへの手続きも早めに行っておきましょう。

公共料金や携帯電話、インターネットなどの解約

電気やガス、水道などのライフラインについては、引き続き利用する場合は名義変更を、これ以上利用しないのであれば各事業者へ連絡して解約の手続きを行いましょう。

携帯電話の基本料金や、インターネットの使用料などは契約が続いている間は、毎月引き落とされるので、なるべく早く解約の手続きをおこなうことをおすすめします。

そのほかにも、契約しているサブスクリプションや、定期購入しているものがあれば、こちらも早めに解約の手続きを行って、余計な支出は減らしておきましょう。

名義変更や解約の手続きは各事業者ごとに異なるので、必要な書類などは各事業者に確認しておくようにしましょう。

クレジットカードの解約

亡くなった方が利用していたクレジットカードも、なるべく早いうちに解約しておくことをおすすめします。

クレジットカードは盗まれた場合、不正に利用される可能性がありますし、年会費がかかることもあるからです。

クレジットカードの解約手続きは、カード裏面に記載のある電話番号に連絡して行います。

解約が済んだら、カードはハサミなどを使って裁断しましょう。

なお、亡くなった方が生前に利用していた代金のうち、未払いのものがあった場合は、指定期日に支払う必要があります。亡くなったからといって、未払い代金がなくなる訳ではないので注意してください。

死亡保険金の請求(3年以内)

亡くなった方が死亡保険に加入していた場合、保険金受取人に指定されている方に死亡保険金が支払われます。

死亡保険金は期限が決まっており、請求期限は死亡から3年以内です。期限は3年以内と長くなっていますが、葬儀や相続手続きの忙しさから請求を忘れていたとならないよう、なるべく早く行っておきましょう。

死亡保険金の請求に必要な書類は以下の通りです。

  • 保険会社所定の書類(死亡保険金請求書など)
  • 保険証券
  • 死亡診断書のコピー
  • 被保険者の死亡記載がある戸籍謄本や住民票
  • 保険金受取人自身の本人確認書類

※そのほか、提出書類が必要となる場合もあるため、各保険会社に確認しておきましょう。

提出先は、亡くなった方が加入している生命保険会社になります。

死亡保険金は、保険金受取人の固有の財産となり、相続財産には含まれないため遺産相続や遺留分の対象になりません。

請求手続きに関しても。相続財産に含まれませんので、そのほかの相続人の同意は不要です。

遺産相続に関する手続き

親が亡くなった際の大きな手続きと言えば遺産相続ではないでしょうか。遺産相続は現状、期限はないのでいつでも良いのではないかと考えている方もいるのではないでしょうか?

しかし、2024年4月1日からは相続登記が義務化され、期限を過ぎた場合にはペナルティが課されることになりました。

また、亡くなった親の相続財産に多額の負債があった場合の対応には、期限が設けられているので、相続に関する手続きは早めに着手しておく必要があります。

相続人や相続財産に関する調査

相続人の確定作業や遺産相続の手続きを進めるにあたって、以下の戸籍謄本が必要となります。

  • 亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍謄本・改正原戸籍謄本)
  • 相続人全員の戸籍謄本(現在のもの)

戸籍謄本は、本籍地がある市区町村役場で取得できます。亡くなった方が本籍地を変更していない場合は、すべて同じ場所で取得が可能です。

戸籍謄本を取得する際には、戸籍交付申請書と本人確認書類が必要となります。

しかし、転勤や結婚などで本籍地を変更している場合、変更する前の本籍地の市区町村役場で戸籍謄本を取得する必要があるので注意が必要です。

あまりにも本籍地の変更が多かったり、遠方にある場合にはかなり時間を要する可能性があるので、戸籍の取得は早めにおこなうようにしましょう。

また、戸籍の取得は専門家に任せると手間を省けたり、時間を割かずに済みます。

戸籍謄本がすべて揃ったら、相続人を確定する作業を行います。相続人には順位が定められていますが、親が亡くなった場合には、配偶者または子が法定相続人になることがほとんどです。

たとえ家族関係がわかっている場合でも、戸籍から相続人を確定する作業は行ってください。

戸籍謄本を確認した結果、前妻との間に生まれていた子どもや、養子、非嫡出子などの相続人が見つかることがあるので、相続人の確定作業は怠らないようにしましょう。

相続人の確定作業と同時に、相続財産の調査を行います。現金や株式などは比較的わかりやすいですが、土地などの不動産には注意が必要です。

土地などの不動産は実家だけだと思っている場合でも、共有名義の不動産を所有していたり、遠方に土地を所有していたりすると見落としてしまう可能性があります。

このような場合には、固定資産税評価証明書の取得や、名寄帳を取得して調べるなどの方法が有効です。

しかし、固定資産税評価証明書も名寄帳も、自治体ごとに管理されているため、複数の自治体にまたがって不動産を所有していた場合、個人ですべてを特定するのは困難でしょう。

相続財産に不動産が複数存在する可能性がある場合は、専門家に依頼することをおすすめします。

遺言書の検認手続き

親が亡くなった際に遺言書が家で見つかった場合、勝手に開封してはいけません。勝手に開封してしまうと5万円以下の過料が科されてしまいます。

ただし、開封された遺言書の効力は失われませんので安心してください。開封してしまった場合には、家庭裁判所に速やかに相談して指示に従うようにしましょう。

自宅で保管されていた遺言書を発見した場合には、家庭裁判所で検認の手続きをおこなう必要があります。検認が行われていない遺言書は、相続手続きに使用できませんので注意しましょう。

検認は、発見された遺言書が形式的な要件を満たしているかを確認して、その遺言書が偽造や変造されることを防ぐことを目的としています。遺言書の内容が有効かどうかは判断されません。

検認の手続きは、申立を行ってから検認までに1ヶ月以上かかることもあるため、早めに手続きを行っておきましょう。

検認手続きに必要な書類は以下の通りです。

  • 発見された遺言書
  • 遺言書の検認の申立書
  • 亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本など

検認期日に出席するかどうかの判断は、相続人に委ねられているため、欠席してもペナルティはありません。しかし、申立人だけは遺言書を持参し提出する必要があるため、検認期日に出席することが義務付けられています。

遺産分割協議・遺産分割協議書の作成

亡くなった方が遺言書を残していなかった場合、相続人全員で遺産分割協議をおこなうことになります。

遺産分割協議は、1人でも相続人が欠けてしまうと無効となるため、相続人に漏れがないように戸籍謄本をしっかりと調査しておかなくてはいけません。

また、相続人の中に未成年や行方不明者、認知症などによって意思表示が困難な人がいる場合、代理人を立てて遺産分割協議を行います。その人たちを除いて行った遺産分割協議は、もちろん無効です。

遺産分割協議では、相続人同士で合意がある場合、特定の人に遺産を多めに分けることもできますが、ほとんどの場合は法定相続分を基準にして分割を行います。

遺産分割協議が相続人間で同意を得られたら、次は遺産分割協議書の作成を行います。遺産分割協議書は、相続手続きのさまざまな場面で必要となるので、協議がまとまったら早めに作成しましょう。

遺産分割協議書には、相続人全員の実印を押印する必要があります。もし、相続人の中で実印を持っていない人がいる場合には、できる限り早く居住地の市区町村役場で印鑑登録をおこなうようにしましょう。

相続手続きで遺産分割協議書を提出する必要がある場合には、相続人全員の印鑑証明書が必要となるので、実印登録は早めに行っておくことが肝心です。

相続放棄の手続き(3ヶ月以内)

亡くなった親が負債などを抱えていた場合、負債も遺産相続の対象になります。

負債を差し引いても遺産が残るのであれば良いですが、負債が大きい場合には相続しても全額を返済できない可能性があります。

このような場合、多額の負債を抱えたくないと考えるのは当然のことでしょう。

そこで、経済的な負担が大き過ぎる負債を相続したくないと考えた場合、相続放棄の制度が用意されています。

相続放棄は、相続財産を一切受け取らない代わりに、負債も返済する必要がなくなる制度です。

相続放棄には期限が設けられており、相続があったことを知った日(亡くなった方の死亡日)から3ヶ月以内に家庭裁判所に対して申し立てを行わなくてはいけません。

相続放棄を申し立てる際の必要書類は以下の通りです。

  • 相続放棄の申述書(800円分の収入印紙の貼付が必要)
  • 亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  • 亡くなった方の住民票除票または戸籍付票
  • 相続放棄する人の(複数人いる場合は全員の)戸籍謄本

※ほかにも書類が必要な場合もあるので確認しておいてください。

これらの書類を用意して、家庭裁判所に申し立てを行いましょう。申立てが受理されれば、相続放棄が認められます。

相続放棄に似たような制度に限定承認があります。

限定承認は、遺産を相続した上で、相続財産の範囲内で負債を返済する制度です。限定承認にも期限が定められており、相続放棄同様3ヶ月以内となっています。ただし、手続きが難しいため、ほとんど行われることはありません。

相続登記

相続人や相続財産の確定作業、遺言書の検認または遺産分割協議の作成が終わったら相続登記の手続きに入ります。

相続登記は、簡単に言えば、相続によって受け継ぐ不動産の名義変更(所有権移転)をおこなう手続きです。

相続した不動産は、相続登記を行わない限り亡くなった方の名義のままとなり、処分(売却など)ができなくなるので注意してください。

相続登記に必要な書類は以下の通りです。

  • 相続登記申請書
  • 亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 固定資産税評価証明書(登録免許税の算定およびその根拠として使用する)
  • 不動産を相続する方の住民票の写し
  • 遺言書(遺言書がある場合)
  • 検認済証明書(検認が必要な遺言書がある場合)
  • 遺産分割協議書の写し(遺言書がない場合)
  • 相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議を行った場合)

相続登記の手続きは自分でもおこなうことが可能ですが、申請書の書き方や登録免許税の計算など、専門的な知識が必要となりますので、専門家に依頼することをおすすめします。

相続登記はこれまで、義務とされていませんでしたが、不動産の所有者がわからない空き家や空き地が増え、不動産取引や都市開発の妨げになるなど、社会問題となりました。

このような事態の解消に向けて、2024年(令和6年)4月1日から相続登記の義務化が始まります。

相続登記の義務化により、相続により取得した不動産は3年以内に登記をおこなうことが必要となり、正当な理由なくこれを怠ると10万円以下の過料が課せられることになります。

義務化が始まるのは少し先のことになりますが、相続によって不動産を取得した場合には早めに登記を行っておくようにしましょう。

預貯金などの払い戻しや名義変更

銀行は、預金口座の名義人が亡くなった事実を確認すると、対象の口座は凍結されてしまい、入出金ができなくなってしまうので注意が必要です。

預金口座の相続には、口座を解約して払い戻しを受ける方法と、亡くなった方が使用していた口座を名義変更して引き継ぐ方法の2つがあります。

銀行によっては、解約の方法しか認められていない場合があるので、確認しておくようにしましょう。

預金口座の解約や名義変更の前に、まずは口座の調査を行います。亡くなった方の通帳やキャッシュカードなどを確認して、預金口座がどの銀行にどれだけあるのかを確認しておきましょう。

預金口座の解約や名義変更に必要な書類は以下の通りです。

  • 相続届(銀行ごとに雛形が異なる)
  • 亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 遺言書の写し(遺言書がある場合)
  • 遺産分割協議書の写し(遺言書がない場合)
  • 亡くなった方の通帳やキャッシュカード

※手続きの詳細は預金口座のある銀行に確認しておきましょう。

必要書類を提出したら、2週間から1ヶ月程度で手続きは完了します。名義変更であれば、名義の変更された通帳を受け取り、解約の場合は相続人の指定した銀行口座に払戻し金が振り込まれ、亡くなった方の通帳が郵送されてきます。

相続税の申告と納付(10ヶ月以内)

遺産相続の手続きは、最後に相続税の申告と納付を行って終了です。

相続税の申告と納付は、遺産の総額が相続税の基礎控除額を超える場合に必要になります。相続税の基礎控除額は、以下の計算式で求められます。

相続税の基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

相続税の申告と納付には期限が決まっているので注意が必要です。相続税の申告は、相続の開始を知った日(死亡日)の翌日から10ヶ月以内となっており、相続税の納付期限申告期限と同日となっています。

相続税の申告に必要な書類は以下の通りです。

  • 相続税の確定申告書
  • 亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  • 遺言書の写し(遺言書がある場合)
  • 遺産分割協議書の写しと相続人全員の印鑑証明書(遺言書がない場合)
  • 遺産の内容がわかる書類
  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)

※そのほか、特例を受ける場合には上記以外にも書類が必要になります。

相続税の申告は専門的な知識が必要です。特に相続税の計算は個人では難しいと思われます。相続税の申告の際には、相続税に強い税理士に依頼することをおすすめします。

親が亡くなったときの相続問題でよくある質問

親がなくなったときの相続問題でよくある質問についてまとめました。

親が亡くなったときはどれくらい忌引き休暇をとれますか?

親が亡くなったときは、学校や会社を休むことができます。その場合の忌引き休暇は目安で7日間です。そして、忌引きでの休みは特別休暇であることが一般的な考え方です。

親が亡くなったときにしてはいけないことはありますか?

親が亡くなったときに、してはいけないことは色々あります。例として、相続手続き前に親のATMを引き出す、親の財産を一部使うなどがあり、身内の間で金銭トラブルのもとに繋がるおそれがあります。

相続は個人の状況によって異なります。身内間のトラブルを防ぐためにも、相続に関する知識を理解することは大事です。複雑な相続や法律知識を正しく理解して、相続を解決されたい方は専門家に相談してみることをおすすめします。

まとめ

親が亡くなった際には、気持ちが動転してしまい、何も手が付けられなくなるのが当然です。

しかし、親が亡くなった際に行わなくてはいけないことはたくさんあります。亡くなった当日から動かなくてはいけないこともあり、慌ただしくなることでしょう。

そんなときだからこそ、冷静になり、手続きの漏れがないように行動しなくてはいけません。特に、期限が早く到来するものは忘れずに行わなくてはいけませんので、注意しておきましょう。

記事の冒頭に掲載したチェックリストを参考にしていただければ幸いです。

もし、専門的なアドバイスや、相続に関して詳しく知りたい方は、ぜひ税理士への依頼を検討してみてください。

サン共同税理士法人では、相続についてはもちろん、さまざまな税務に関するご相談をお受けしています。親が亡くなった際の、さまざまな手続きや相続税の悩みを解消すれば落ち着いて行動できることでしょう。

初回無料のオンライン・メール相談にも対応していますので、まずはお気軽にご相談ください。

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