1.なぜ六本木にBarをオープンさせるの?
朝倉:独立当初の2016年ごろからBarを出してみたと思っていました。理由としては自分自身がお酒が好きだからというのが大きな理由だと思います。
あとは、サン共同も青山一丁目という立地で事務所を構えさせてもらっていたのと、私自身これまで六本木周辺の飲食店を利用する中で、知り合った経営者が多かったのもあると思います。六本木は飲食店の中でも、激戦区。そんな中で自分のこれまでの人脈と税理士としてのノウハウを活かし、挑戦をしたいと思いました。
そんな折にコロナ禍到来。どうしようか悩んでいるときに、弊社にジョインしてくれたのが現在、不動産チームを担当している田中彰一(以下、田中)でした。
不動産交渉などの知見を持っている田中と、同じく飲食店での経験のあるスタッフが手伝ってくれることになったので、本格的に六本木でのBarオープンに向けて動き出すことにしました。
会計事務所内にBarを
オープンさせるのではなく、外部で1から
立ち上げたのはなぜ?
朝倉:これは弊社の方針と私自身のポリシーなのですが、母体であるサン共同税理士法人は基本在宅勤務を導入しております。
お客様にもオンラインMTGをお願いしている手前、事務所にBarを作るとお客様が結局事務所にお越しになることになるので、税理士法人の方針は変えたくなかったのです。
Barを作ったらそこにお客様も来てほしいと思いますが、どうしても事務所内にBarを作ると仕事の延長になってしまう。
弊社そして私のポリシーとしては。『仕事は仕事。遊びは遊び。』とメリハリをつけたいので、外部にカッコいいお店を出したいなと思いました。
2.六本木はBarを出すのは向いてない?
立地・物件が決まるまでに苦労したこと
朝倉:2021年1月ごろから本格的に物件を探しました。8月ごろに事業計画を作成。実際に探し始めて1年弱で10件以上は実際に物件を見に行きました。
実際に探してみてわかったことなのですが、六本木界隈は定期借家の場合も多くあり、そうでない物件を探すことに苦労しました。
実はここはとても大事なことで、創業融資のときに定期借家であると審査のハードルは一段と上がります。例えば、期間が5年の場合、5年で返済しないといけないので、それだけ借主の負担がかかることになります。銀行も、返せないリスクを考えるとなかなか承認をしてくれないのが一般的なのです。
税理士法人が母体でも物件は断られる
朝倉:私は法人として探していたのですが、税理士法人という業種柄NGを出してくることはあまりないだろうと思っていました。しかし、予想は裏腹に何カ所か断られてしまいました。
1件目はずっと空いていたのですが、コロナ禍もあり申し込みを入れるのを迷っていました。いざ、申し込もうと思ったときに、すでに他社で決まってしまいました。
2件目は、良い立地のところ。しかし水商売がNGでお断りをされてしまいました。意外かもしれませんが、六本木は水商売ができる物件が少ないのです。
今回決まった物件は、2021年11月に申し込み12月1日~2月1日までフリーレント期間をお願いしました。良い物件を決めるポイントとしては、オーナーに気に入られること、つまりはずっと借りてくれる可能性があるのか、変に値切らないことも大事だと思います。
これもご縁ですが、交渉力や相手に合わせることも大事だなと思いました。
デザイナー探しを同時に!
朝倉:物件探しとデザイナー探しを同時に行いました。というのも、物件がいざ決まっても、お願いしたいデザイナーさんにこの構造だとデザインができないと断られてしまうこともあるのです。1からデザインしたい場合は、デザイナーをまず決定させ、一緒に物件を見てもらうことです。
ここでもちょっとしたトラブルがあり…実は、決まりそうな物件でデザインまで作ってもらったのですが、物件に入れず流れてしまいました…
デザイナーさんは職人さんです。デザインをお願いしておいて、やっぱりできませんだと先方も気を悪くしてしまうので、デザイナーとの信頼関係も大切です。
また、工事など基本的にはスケジュール通りには進まないものです。急かさずに余裕を持つことも大切だと思います。
ちなみに、今回ご依頼をしたデザイナーですが、ある良い物件があり、そこは5階でした。そのビルに入っている3階のお店を覗くととてもデザインがかっこよかったのです。間取りが同じなので、3階のデザイナーに頼めば間違いないと思い、ネットで調べたら、デザイナーの方の名前が出てきたので問い合わせを下のがご縁です。
ビルの場合は、ほかにどんなお店が入っているかもチェックしておくとよいかもしれません。
3.立地&デザイナーが決まった!
その次に行ったこと
朝倉:解体工事など基本はデザイナーの知り合いの方に頼むのが主流です。私は解体工事に関しては知り合いに依頼したのですが、自前で用意するかいなかでデザイン料が変わってくることもあります。
弊社の場合は、通常デザイナー経由で依頼をすると工事費の13%手数料としてかかりますが、自前の場合6%となりました。このほかに依頼したのは以下となります。
- ・酒屋の業者→カクヤス
- ・グラス→自前
- ・椅子、ソファ→デザイナー経由
- ・決済システム→air レジ、スマレジ
- ・おしぼりの業者→小柳経由でリサーチ中
- ・コースターの業者→田中経由でリサーチ中
- ・看板→ネット注文
- ・スタッフ採用→小柳の縁故
- ・集客(HP、SNSコンサル採用)→自社のHP担当者に依頼+その担当者の人脈
4.業者の方とのやりとりで大変だったこと
朝倉:デザイナーさんとのやりとりは細部まで打ち合わせをするので、そこはパワーが必要になってくるかもしれません。たしかに椅子のサイズが合わないとひとつの椅子が入らないなんてことにもなりますよね…。
こうしたやりとりもあったりすると、基本的には工事1~2ヶ月ほど遅れてしまうので、余裕や覚悟が必要。
覚悟というのは、空家賃が発生する点です。空家賃が発生しないのはほぼ不可避と思ってよいでしょう。私の知り合いは7ヶ月ぐらい発生したケースもあるので、入社予定の従業員の給与含めて、余裕を持つ必要があります。
あと、銀行口座の開設も実は思い通りに進まないことがありました。物件は、2021年11月契約、12月からフリーレント期間でしたが、衛生管理士の免許をとらないと営業ができないのです。現在、コロナ禍で衛生管理士の試験日程が取れなく、その資格がないと営業許可書が取れない。営業許可書がないと銀行口座が開設できないのです。
これは会社で行う場合であり、個人事業主であれば問題ないです。税制的には法人であれば有利ということはないので、個人で始められる方は心配しなくて良い点だと思います。
5.レジについて
朝倉:弊社は税理士法人なので、会計周りのこともお伝えしますが、Ariレジもしくはスマレジで検討しています。これは弊社のお客様で創業融資支援をしている飲食店にもお願いをしているのですが、日々の経理は自動化させるのが基本です。 毎日売上のことを手作業で記帳するのは、ミスも起きやすいのです。
Airレジもしくはスマレジであれば、MFクラウドやfreeeなど会計との連動も可能です。仕入れは振り込みで行い、銀行口座をネットバンクにして、それをクラウド会計と連動。売上は明細で見れるようになっており、クレジットカード売上もAriレジであれば翌日には確認できるので、税務担当者とのタイムラグも発生しません。
確定申告などもミスがない資料を出せるので会計事務所としても楽になりますし、何より経営者ご本人が一番楽になります。
6.コロナ禍がチャンス?
夢の実現を諦めないで
朝倉:コロナ禍が収まらず、ウクライナのことなどもあり、自分のお店を持ちたいと目標に向かってきた方にとっては、今の時期にお店を出すことは不安に思うことでしょう。
しかし、コロナ禍だからこそ、物件が安くなっていたり、手の届かなかったところに審査が通ったりなどメリットもあります。また、税制次第ではありますが補助金などが出るケースもあったり、逆に競合が少ないなど 飲食店で遅くまで飲むことは昨今少なくなってしまったかもしれませんが、その分テイクアウトを充実させたり、宅配メニューを導入したりなど勝ち残るために工夫も必要だと感じます。
それは、これから経営者になる以上、どこの業界においても同じことと言えます。とはいえ、覚悟がどれだけあっても、お金周りの心配はつきないと思います。
弊社、サン共同税理士法人では、よりお店のことに集中できるよう資金面や創業融資などなどサポートさせていただきます。弊社グループでは不動産チームもありますので、物件探しや交渉面のお手伝いも可能です。 まずはお気軽にお問い合わせください!
まとめ
- 飲食店をオープンさせるには覚悟と余裕が大事!
- 物件とデザイナーなど力になってくれる方には無理な値引きをしない!
- 物件交渉や創業融資のご相談もサン共同にお任せを!
- コロナ禍でもお店をオープンさせるメリットもあり!夢を諦めないで!