Barを開業するにあたり
大変なこと

Barを開業するにあたり必要なことや
大変なことを
2022年春・六本木にBarをオープンさせる
サン共同税理士法人代表の朝倉が
リアルにお伝えします!

サン共同税理士法人代表 朝倉

1.プレオープンを5月から5日間実施!
しかし意外な展開が…

朝倉:12月に契約をして解体を進めていましたがなかなか進捗が良くなく…最後の2週間で一気に通常の3倍ぐらいのスピードで工事が進みました(笑)。プレオープン前日は夜中の12時に職人がコンビニのお弁当を買って朝まで作業、現場監督がホテル泊まりというような状況でした。同時に工事ができる人数や工数というのは限界があって、これはBarに限らずですが、内装→クロス→最後に家具納品など順番があるのですが、今回の場合は現場に同時に通常入れる職人の数以上で対応してもらいました。当然ながらボロが出てしまい…思ったものとソファが違ったりなどギャップはありました。そのため5月から5日間だけプレオープンをして、そのあと残っている工事をするためお店を急遽もう一度6日間閉めることになる、という状況でした。

あとD3は横幅5メートル弱のサイネージモニターでの大画面のカラオケがウリになっていますが、そのモニターでカラオケの歌詞が表示されないなど、従業員対応のソフト面だけでなく、施設のハード面でも十分なサービス提供ができない事態になりました。

プレオープンの日にちを遅くすればよかったのかもしれませんが、すでに雇用しているスタッフにも事前にプレオープン日を伝えていますし、お世話になっている方々へのご案内もしているので、日にちを後ろ倒しにするわけにもいきません。とはいえサービスが十分に提供できない…苦渋の選択でしたが、中途半端なサービスを提供することはできないため、プレオープンを中止という選択をしました。

相樂:私も数多くの飲食の創業支援をしていますが、プレオープンを中止して工事をするというケースはあまり聞かないので珍しいパターンかもしれません。しかし、過去には別の飲食店で空調が壊れてしまい営業そのものができなくなったケースもありました。

来てもらって品質が悪いまま営業を続けてしまうと、リピート率低下になってしまうので、いっそのこと営業を止めてしまうという手もありかもしれません。

2.売れるお酒がない!?
メニュー価格の検討も一苦労

朝倉:D3はお酒を提供することをサービスとしているので、当然お酒の種類はあるにこしたことはありませんし、人気のジャパニーズウイスキーなど仕入れたいと思っていました。しかし、コロナの影響と昨今ジャパニーズウイスキーは人気の為、品薄状態。どこのお店も仕入れたいのですが、卸業者もお得意様を優先されます。私たちのような新参者にはなかなか回ってこないのが現状でした。

田中が元々Barでも勤務経験と人脈があったので、付き合いのあるお店から原価で譲ってもらうなど工夫をする必要がありました。

田中:シャンパンなども今も品薄という状況です。そのため、仕入れ業者からの購入ではなく、並行輸入という少し割高で購入をすることもあったのですがそうなると販売価格のものを入手することになるので、当然ながら1本当たりの値段が高くついてしまいます。

しかし、お客様への提供価格は、相場が決まっている為、お店の利益率が下がってしまうという事態になってしまいます。

また、Barにおいてのメニュー作りで大切なのは女性客にいかに指示してもらえるか。最近は、SNSの発達により、いわゆる“インスタ映え”が20・30代の女性客に支持されるかが問われてきます。D3でも、フルーツカクテルを考案したり、元バーテンダーを採用して、その人にしか作れないドリンクを提供するなど付加価値をつける工夫をしている最中です。

3.集客・採用は両輪。
バランスが大事になってくる

朝倉:Barの経営においても、集客と採用はなによりも大切になってきます。これにより売り上げが決まるようなものなので当然なのですが、私自身、本業が税理士法人なのでいわゆる顧問契約、毎月のサブスクリプションは存在しないので、“お客様の心を常に動かす”サービスが必要になってきます。ここは本当にシビアで、手を抜けば必ずお客様は離れていきます。

当店の場合、例えば“生ビールを飲みたいから来る”というお客様はあまりいないと思っており、一緒に来た仲間と特別な空間を味わえる雰囲気や、特定のスタッフに会いにきてくれるという、“接客”が重要になってきます。

ここもまだまだ手探りですが、税理士法人でも集客と採用の課題はついて回るので、経営者の永遠の課題かもしれませんね。

4.結局のところ、どうやったら
儲かるのでしょうか

相樂:基本的には飲食店の場合、FLRの比率を70%以下とすることが基本になってきます。FLRとは飲食店においてかかる3大コストの頭文字を取ったものを言います。

Fは「Food」で材料費のことを差し、Lは「Labor」でアルバイトや正社員など働くスタッフにかかる人件費、Rは「Rent」で家賃(賃料)のことです。

このFLRの合計コストによる売り上げに対する比率が、70%以下とすることにより黒字化すると言われているので、売り上げが100万円であればFLRは70万円以内に収めるようなイメージになります。FLRには、水道光熱費やそのほか雑貨などは含まれませんので、70%を超えてくると営業利益がほとんど残らなくなってしまいます。

朝倉:そうなると考えつくのが、家賃が安いところとなるのですが、正直人気物件でないところでの飲食店出店はおすすめしません。

理由のひとつとしては、日本政策金融公庫や民間の金融機関からの借入審査が通りにくいことがあります。日本政策金融公庫からの創業融資により飲食店を開業する場合、日本政策金融公庫は飲食店が貸出実績として一番多い業種ですから、日本政策金融公庫は返済不能となった飲食店も膨大にあり、どのような飲食店が閉店となってしまったかの膨大なデータを有しています。その一つに立地があり、どんなに素晴らしい腕のある飲食店も立地が悪いと繁盛しないことを知っています。

融資において大切なことはファーストコンタクトです。最初の時点でいかに融資担当に好印象を持ってもらえるかが審査通過に大きな影響があるので、最初に提出する資料は慎重に準備をする必要があります。

また創業融資は、不動産があらかた決まってからの書類提出になります。そのため、不動産選びというのは、とても重要になってきます。

5.創業融資に関して

相樂:創業融資を受ける際に、もう一つ大切なことは「事業計画」です。これはお店をどのようなコンセプトで出すのか、いつまでにどれぐらいの売り上げが見込めるかなどを記載しなくてはいけなく、ご自身で対応されるのは簡単ではないと思います。

弊社では、飲食店支援を得意としているため、事業計画のお手伝いも対応しています。融資を成功させるポイントとしましては自己資金×キャリアです。創業融資は自己資金とキャリアで決まると言っても過言ではありません。

脱サラしてのスタートの場合、自己資金がどれだけあるかで融資がおりるかも変わってきます。とはいえ、どれくらいあればお店をオープンできるかは分からないですよね。
このあたりも丁寧にお伝えが可能ですので。是非お問い合わせいただければと思います。

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まとめ

  • 仮オープン期間は重要!本オープンに向けての練習期間!
  • 新規参画のお店はお酒の仕入れが難しい場合も!
  • 飲食店は物件次第で融資の有無が変わることも!
  • 事業計画書などは専門家に任せて、お店内のことに集中を!