【社員インタビュー】税理士試験合格に向けた大学院の選び方や過ごし方
サン共同税理士法人で働きながら大学院に通っていた山村さんのインタビュー内容をご紹介いたします。
大学の授業で簿記を受講しており、パズルのようで面白いなと感じました。そこで色々と調べていくうちに、簿記の延長線上にある職業として税理士に興味を持ちました。就職活動の時期になり、この先どうしようかと考えたときに、女性税理士の先生を主催としたセミナーをしていたので進路相談をしたところ「いきなり税理士を目指すのではなく、税理士が見るのは会社であることが多いので、まずは会社に入り内部から会社を見てみるのもいいのではないか。」とアドバイスをいただき、一般企業への入社を決めました。
宝石が好きで縁があって、宝石商社の営業事務で働くことにしました。
3年経験を積み、税理士になりたい気持ちは変わらなかったので、25歳の時に税理士業界に挑戦する決心をしました。
その後は、新宿の税理士事務所に入所しました。顧客担当はほとんど持たずに内勤で記帳代行や決算書・申告書作成など税務の基礎を学びました。この事務所では、出勤時間が9時~17時だったので、17時退社後はそのまま事務所から資格の学校大原に通い簿記論と財務諸表論を3年かけて取得しました。
2科目合格後、実務の経験を積みたいと思い、今度は顧客担当が持てる税理士事務所に転職をしようとサン共同税理士法人 板橋オフィス(旧:ITA大野税理士事務所)に入所をします。
色々な顧問先を担当し仕事を通じて知識が深まることの面白さを感じたことと、3回の受験で取得した簿記論の受験で試験勉強に対してやる気が燃え尽きてしまったことが理由で、試験に挑戦する意欲が低くなってしまいました。
税理士を目指すこと自体を諦めようか悩みました。5科目を取得し官報合格をしたいと思っていたので元々大学院への進学することは全く考えていませんでした。しかし、この業界でずっと働いていきたいと思った時に税理士にならないという選択肢はないのではないかと思い、夫と相談し大学院に行くことにしました。
2020年4月に、明治大学ビジネススクール(専門職大学グローバル・ビジネス研究科)に入学をし、2022年3月に経営管理修士を取得し卒業しました。
研究計画書の提出後に、面接が実施されました。
普段の生活や実務において税務上に疑問に思っている課題について論文を書いていくのですが、私は現代の多様な働き方から得た所得が「給与所得」であるか「事業所得」であるかの判別が難しいと思っていたので、過去にあった判例をもとに研究計画書を作成しました。
私自身、税理士試験は2科目合格での入学となりましたが、周囲は3科目合格の方が多かったように思います。教授から聞いた話になるのですが、大学院も受け入れ数に上限があるため、一概には言えないですが科目は持っていたほうが入学はしやすいということでした。
なので、2科目か3科目あれば大学院に通う選択肢も考えてみてもいいのではないかと思います。
私が入学した2020年は、コロナ禍になりはじめの頃だったので対面の授業ではなくzoomでの授業でした。
1年目と2年目で過ごし方は変わってきます。
1年目は、いきなり論文を書き始めるのではなく、卒業に必要な単位(46単位以上)を取得するために税法だけではなくマーケティング等様々な授業を履修していました。私が通っていた大学院では、春学期(4~8月頃)と秋学期(9~1月頃)で分かれているのですが、私は9科目の18単位(1科目2単位)を春学期と秋学期にそれぞれ履修し、1年間で36単位(内10単位は必修科目)を取得しました。2年目は論文で忙しくなるため、この1年目で36単位(年間履修上限)を取得することが学生の中では一般的な履修方法でした。
授業の時間は働きながら通学することができるように、平日夜間と土曜日に授業が実施されています。平日は6時限目18:55~20:25 7時限目20:30~22:00、土曜日は1時限目9:00開始~6時限目20:40の中で自分が選択した科目を履修します。私の春学期は木曜日と金曜日は授業を取らず、月曜日と火曜日は6限と7限あり、水曜日は6限のみ、土曜日は1限~4限(9時~17時)でした。
もし大学院の授業を受けることと税理士試験を同時進行する方は、春学期に授業を詰めすぎるとそれぞれの授業の課題が7月か8月に集中しやすく試験勉強時間を確保できなくなるので、秋学期に受ける授業を多くするなど調整したほうがいいと思います。
サン共同税理士法人は、フレックス制度を導入しているので8時~17時で勤務をし、19時になったら大学院の授業を受けるため自宅のパソコン画面に向かうなど調整をしていました。
大変だったことといえば、コロナ禍の影響を受けた大学院も急遽対面授業からWEB授業となり、対面での定期試験が実施できず、代わりにレポート提出に切り替わったことです。
9科目のほとんどが、Wordで4~5ページ程のレポート提出が必要であったので、仕事に支障がでないように授業がない日の夜や日曜日にとにかく必死でレポートに取り組みました。
コロナの影響によりまさか家で授業を受けるとは想定していなかったので、受験をしたときは家や職場から通いやすい場所がいいと思い、2つの大学に絞りました。
その後は、合同説明会に参加したり、大学院の教授のセミナーに参加したりしました。あとは大学のコンセプトも確認するといいと思います。
明治大学は、「経営のわかる税理士」の育成を目指し環境も整っているので、自分の考えに合っていると思いました。そのため、どの大学院がおすすめかはそれぞれ人によって変わってくるので、自分が何を重視するか情報を拾いながら決めていくのがいいと思います。
明治大学に支払った金額 3,226,000円
専門実践教育訓練給付金 1,120,000円
差額2,106,000円の負担
どこの大学院も、大体200万円ぐらいかかると思います。
専門実践教育訓練給付金は、専門実践教育訓練の受講開始日に雇用保険の被保険者である方のうち、一定の要件を満たしていると受けられる可能性が高いです。受ける大学が、厚生労働大臣より専門実践教育訓練講座として指定を受けているかどうかを確認した方がいいです。給付金の入金タイミングとしては学費を支払った後に申請するものなので注意が必要です。
学費の支払うタイミングですが、大学院入学前に入学金(20万円)を含めた春学期の授業料を合わせて約100万円を支払い、1年目の秋学期以降はその学期ごとに授業料として約75万円を3回支払いました。また、日本学生支援機構奨学金等を利用することで卒業後に無利子か有利子(上限3%)で奨学金を返還する制度もあります。
働きながら大学院に通うことは容易ではないですが、卒業論文は計画を立てて着々と進めていくのに対して、税理士試験は年に一度2時間全力を出し切れるかどうかで勝負が決まってしまうという意味では、大学院に通う方が気持ちの面では楽でした。
しかし大学院はお金と時間を要するので一長一短な面はあると思います。あとはご自身のライフプランの兼ね合いともあると思うので、家族の協力なども必要になってくる場面もあるかと思います。
あくまでも税理士になる為の過程はあまり重要ではなく、税理士になってからが大切だと助言をいただき、サン共同税理士法人にいて税理士の方と働いて実際にそう感じました。
最後に、もし私のように迷われている方がいる場合は是非大学院という選択肢も考えてみてください。また大学院に進学した場合の試験科目の免除制度自体無くなる可能性も無きにしも非ずだと思っています。後悔しない選択をしていただきたいなと思います。
大学院に通われている方のほとんどが、働きながらになるかと思います。残業が多く、仕事と両立が難しいと諦めてしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
サン共同税理士法人に転職をする前の私自身もそうでした。弊所は、フレックス制度もあるので、例えば大学院に通う場合、出勤・退勤時間を早めることもできます。
在宅勤務も導入しているので、オンラインでの授業の場合なら通学時間を気にすることもないので、なおのこと負担がなく勉強に専念できると思います。
また、残業はほとんどなく繁忙期でも1日1時間以内なので、年間通じて試験勉強の確保をすることも可能です。
また大学院に通うことに関して、代表の朝倉が推奨しているのも心理的な通いやすさにつながっているように感じます。
日頃から、「税理士を目指すならいち早く試験を終えたほうがいいということと、机上の知識も大事だけど実務で顧客にどれだけ返せるかが大切」と言ってくれているので、安心して大学院に通うことができます。
大学院学費全額補助制度(※)もありますので、金銭的な問題で通学を検討されている方もバックアップしてもらうことが可能です。
(※)大学院進学に関わる学費全額補助
承認制、10年間の勤務が条件。(10年以内に退職する場合は年割計算にて返還)
(1)フレックス制度
(2)在宅勤務
(3)残業がほぼなし
(4)大学院に通うことを全社で応援してくれている
(5)大学院学費全額補助制度
この5つが揃っている税理士法人はほぼないと思いますので、もし本気で税理士を目指しているけれど、なかなか時間が確保できない方や試験勉強をしているスタッフが他にいなくて肩身が狭いという方、金銭的な問題で通学を検討されている方には弊所はおすすめだと思います。