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スタッフブログ

税理士試験
2022.11.07

税理士試験Vol.1 合格体験記

こんにちは。サン共同グループの税理士の近藤昴と申します。税理士試験合格はかれこれ約10年前の話とはなりますが、いまだに税理士試験の合格発表のある年末が近づくと、なぜかそわそわしてしまいます。

税理士試験は5科目を選択して受験する試験ですが、1科目ごとの合格難易度が非常に高いので、受験生は毎年、人生をかけて受験のために時間を使っています。

今回は私が税理士試験を受験していた当時の経験、税理士について思うことを赤裸々に文字に起こしてみました。

 

筆者の税理士試験の受験歴

28歳での税理士試験合格と、業界では20代合格は少数ですので早い段階での試験合格ですが、20歳の最速スタートで28歳合格ですので、決して優等生ではなく、8年間もの膨大な時間を試験勉強に費やしています。

 

簿記って難しい

当時20歳の文系大学生2年生だった私は、大学の授業はほぼ出席しない、バイトばっかりして遊んでいる典型的なダメ大学生でした。ふとしたきっかけから税理士試験を受験しようと、20歳夏から専門学校の大原に通って勉強を始めます。勉強を始めた当時は税理士試験を甘く見ており、大学生活、バイト、勉強の3足のわらじを履いてやろうと
思っていました。

2004年夏から冬までは、専門学校の授業には参加して内容は理解していたつもりでしたが、復習に時間をかけなかったので、テストでは点数が取れないという状態でした。

今思えば、復習をしていないので明らかに勉強時間が不足していましたが、当時は車の免許取得のために自動車学校に通ったり、相変わらずバイトをしていたり、大学生の友人と遊んだりと、大学生活を謳歌していたので、勉強する時間はありませんでした。

毎回の小テスト、月1テストで低い点数しか取れなかったので、このときから「あれ、このままだと合格できないぞ…。」という不安を感じ始めます。ようやく税理士試験の難易度の高さ、受験生のレベルの高さを感じて、重い腰をあげて勉強し始めることとなりました。

 

学問の楽しさにのめり込む

2005年年明けから、バイトを辞めて本格的に税理士試験の勉強を始めます。初受験はオーソドックスに簿記論・財務諸表論を選択しました。大学受験時代の勉強を思いだして、毎日の勉強メニューを決めて専門学校の自習室にこもって勉強を毎日のルーティン化させました。最初は慣れない内容になかなか頭に入ってきませんでしたが、毎日勉
強を続けるうちに、特に財表の理論の楽しさに気づいて、教科書の端から端までボロボロになるまでずっと理論テキストを読んでいた覚えがあります。

これまでの受験勉強では、覚えたものをそのまま試験用紙に書き起こす、という暗記主体の勉強でした。財表の理論では、理論体系をきちんと理解して、原則・特例ルールを事実関係に当てはめていくというプロセスで試験問題に回答しなければならないので、今まで受けてきた試験のインプット=アウトプットという脳の使い方とは全く違うなと感じました。財表を学問としておもしろいと感じて、勉強にのめり込んでいきました。

 

テストは上位1%以内の常連

2005年年明けから本気で税理士試験の勉強を始めた私ですが、成績のほうはどうかと言うと、(自分で言うのもなんですが、)正直めちゃくちゃ良かったです。まぐれではありますが、全国1位を取ったこともありますし、全国実施の専門学校の簿記・財表テストでは、常に上位1%以内をキープしていました。専門学校の上位30%が合格圏内、上位10%が合格確実圏内と言われていたので、1%以内だとぶっちぎりの合格圏内であり、周りからは合格確実の人扱いされていました。

 

初受験失敗…挫折(受験1回目)

21歳の夏に税理士試験を初受験します。

2005年7月の受験直前のテストも相変わらず順調でしたし、直前まで手を抜かずしっかり勉強して、試験本番を迎えました。はっきり言ってめちゃくちゃ自信がありましたし、緊張はほとんどしていませんでした。

初受験は早稲田大学西早稲田キャンパスでした。事前に聞いてはいましたが、古いタイプの教室が受験会場となっていて、真夏ですがクーラーの効きがとてつもなく悪く、教室はかなり暑かった覚えがあります。試験を受けるテーブルもイスとテーブルがくっついているタイプで非常に狭く、試験会場としては最悪でした。

最初の科目は簿記論です。9:00開始で2時間の試験です。

簿記論の試験ではこれまでのテストでは体験したことのない難易度の高い試験でした。もちろん、過去問もさんざん解いてきたのですが、比べ物にならないくらい難易度が高いと感じて、頭が真っ白になりました。最後の総合問題では、数式分析による推定をしなければ、正しい答えが導き出せないというわりと悪問にまんまと時間を取られて、完答はできませんでした。

続く財表の試験でも簿記論がうまくいかなかったことを引きずってしまい、あまり手ごたえはありませんでした。

結果は簿記・財表ともに不合格。

当時は周りの友人はみんな1科目は合格していたので、自分の全落ちにはとてもショックを受けました。

 

復活、再スタート(受験2回目)

税理士試験の合格発表は12月初旬にあるのですが、年明けの2006年1月までは落ち込んでいて勉強は全くしていませんでした。周囲からは税理士を目指すこと自体辞めるんじゃないかと心配され、すごく励ましてもらいました。こうした友人たちの応援もあり、なんとかモチベーションを保ち、大学4年生22歳で簿記論、財務諸表論に加え、法人税も受験し、簿記論・財務諸表論に合格することができました。

初めての合格はもちろん嬉しかったですが、これでもうこの科目は勉強しなくて良いという安心感のほうが大きかったように感じます。

 

大学卒業後はフリーターに(受験3回目)

大学卒業直後の22歳の私です。髪が長い…

 

税理士試験も2度受験が終わり、大学4年生になりましたが、周りが就活をほぼ終えている状況のなか、私は就職活動をしていなかったので、卒業後の進路はフリーターでした。私の中でははっきりとした目標があり、法人税合格まで勉強をやりきって、その後の就職というこだわりがあり、合格の自信もあったので不思議と不安はありませんでした。大学卒業年である2007年に法人税・消費税を受験して見事法人税に合格しました。

私が受験した時期の法人税試験は、これまでの試験スタイルから大きく変わって、覚えた理論を正確に早く試験用紙に書かなければいけない従来の速記試験ではなく、より深い理解度を問う問題傾向にありました。この頃から試験対策の重要性に気づき、過去試験の分析、試験に向けてのアウトプット中心の対策を行っていました。

 

就職(受験4-6回目)

2008年5月に縁があり、デロイト トーマツ税理士法人に入社することになります。この時は正直、税理士がどんな仕事をするのか、誰に対してサービスしているか、どのような報酬をもらっているのか、など税理士業務に関する一切の知識はなく税理士事務所に入社しました。

入社した部署が、日本在住の外国人の個人確定申告書の作成を担
当している部署で、かなり特殊な領域だったのもあり、最初は全く仕事がこなせないでいました。慣れない英語の資料を読んで、英語のメールに返信して、英語の成果物を作成するという、これまで想像したことのない業務を担当していて、当時は全く業務の全体像が見えないなかで仕事をしていたように思います。

最初のうちは税理士試験の勉強の時間が全く取れず、ほとんど記念受験のようなもので、4,5回目の試験は落ちてしまいます。運よく2010年に6回目の試験で消費税に合格しています。消費税は問題の相性があると噂があり、3年周期で自分に合う問題が来る、その時に合格!と言われていたのですが、私はすでに3回消費税に不合格となって焦っていたところ、やっと4回目で合格できました。消費税合格に関しては、特別何かをしたわけでもなく、そこまで勉強時間も取れなったのですが、なぜか最後はあっけなく合格してしまいました。

 

事業税初受験(受験7回目)

2010年消費税受験が終わって4科目合格を果たしたあと、最後の受験科目を悩んでいたところ、事業税が法人税の知識と相性が良いと聞いたので、事業税を勉強し始めました。

事業税のテキストをもらった時は「え?理論はこんなに少ないの?」とかなり拍子抜けしたのを覚えています。事業税はいわゆるミニ税法と呼ばれていて、法人税と比べるとそのボリュームは1/3程度と言われています。

試験範囲が他の税法と比べて狭く、受験生がかなり仕上げてくるので満点近い勝負になる傾向があり、簡単な試験とはいえませんでした。

ただし、自分の得意な範囲が出題された場合には、上位の受験生にも対抗できるため、運要素は強いですが合格する自信はありました。

そして迎えた2011年7回目の事業税初受験。全く勉強していませんでした笑。いいわけをすると、この時期、部署異動の話があり、試験勉強には集中できておらず、TOEICの勉強をしていました。おかげTOEICは800点を取ることができたのですが、肝心の税理士試験はおざなりです。

税理士試験は1時間経過すると退出が可能になるのですが、誰よりも早く白紙の回答を提出して、五反田の受験会場を後にしてそのままBook-offで欲しかったマンガを買って有給を満喫しました。受験はしたのですが、ノー勉・途中退出でしたので未受験と記載しています。

 

5科目合格! (受験8回目)

2012年8回目の受験も事業税を選択しました。新しい部署での仕事が忙しかったこともあり、相変わらず税理士試験の勉強はあまりできていませんでした。全国規模でのテストが始まる7月から受験勉強を再開して、半ばあきらめムードで記念受験のつもりで前年と同じ五反田の受験会場に行きました。

事業税は計算問題と条文理解を問う理論問題で構成されています。計算問題は難易度は高くないので、受験生はほぼ満点が合格ラインとなり、理論問題で差がつく試験となります。

私が受験した事業税の試験では、計算は例年通りそこまで難易度は高くなく、私も悪くないペースで回答できました。続いて理論問題に目をやると、かなり細かく設問されており、例年の理論問題とは出題形式が異なり、理解度を問う問題のようでした。通常であれば例年見たことがない回答様式に戸惑ってペースを乱されますが、私は合格領
域までの勉強をやり切れていなかったので、逆にみんな出来ない問題であれば自分にもチャンスがあると感じ、気持ちが高ぶったのを覚えています。理論問題自体は過去の出題実績がかなり少ない論点で、たまたま私が回答できる内容だったので、ペンを止めることなく回答をすることができました。

こうして、最後はたまたま自分に合った問題が出題されたおかげで、運よく事業税に合格することができました。

1~4科目までは郵送の合格発表なので毎年ドキドキしながら封筒を開ける儀式があるのですが、5科目目の合格発表は官報に合格者が発表されるので、webでの閲覧となります。Webの合格を見た瞬間は無意識に雄叫びをあげてしまったくらい本当に嬉しかったですし、ほっとしたのを覚えています。「合格は運」、「不合格は実力」とはよく言いますが、私のようにまさに運の良いケースもありますので、受験生の方はどんな状況であっても試験は受け続けるべきだと思います。

 

税理士を目指したきっかけ

私の大学の学生は勉強に真面目な方が多く、TOEICやら、簿記やら、会計士・弁護士やらの資格取得を目指す人が非常に多かったので、自然と自分もいつか何か資格でも取ろうかなと考えていました。

大学2年生の頃から、将来のことを考え始めます。

このままだと何も取り柄のない、しがないサラリーマンになってしまう。自分自身の価値を高めるにはどうすればいいかと考えたときに資格をとって専門職で生きていこうと決意しました。税理士を選んだのは、将来独立をして働けるということを調べているうちに知ったからです。

そして、この資格は安定した就職が約束された守りの資格であると同時に、いずれ一国一城の主として攻めの資格にもできる。私にとって税理士になれば「自分の専門領域で仕事ができる」ということが魅力の1つでした。

税理士試験の勉強

勉強方法

勉強に王道なしとは言われますが、まさにその通りだと思います。勉強方法は人それぞれ違うものですが、正解はないと思います。いろいろな勉強方法を試してみて、ダメだったらやめたり、改善していけば良いのです。

私の勉強方法は本当にシンプルですが、ご参考までに共有させていただきます。

 

勉強方針

毎日のルーティンを決める(計算1題、理論暗記1問、テキスト○ページ読む、など)

私はその日にやることを毎日決めるのがめんどくさかったので、ルーティン化してみて、やりながら勉強メニューを微調整していました。例えば、計算問題は1日1題やって、理論は1問暗記して、これを2科目分やって、余った時間で理解が不足しているところ、掘り下げたい論点などに時間を使うようにしていました。1日の配分はわりとざっくりです。

ルーティンを行ううえでのゴールは試験日前日に200ページ以上の理論1冊を1日ですべて読み切れる体力ができている状態としていました。試験1週間前、2週間前、1か月前とマイルストーンを決めていき、試験日までに徐々に1日の文字量が増えるように、1日の勉強量の配分を決めていました。

 

予習より復習

個人的には予習は必要ないと思っています。教室なりwebでしっかり授業を聞いてその場で理解する集中力を大事にしていました。人間の脳は1回見た・聞いただけではほとんど覚えられないので、繰り返しの復習を心がけていました。

 

同じ教科書を使い続ける

論点が同じであれば違う教科書を使うと混乱してしまうため、いろいろな教科書を買う必要はありません。専門学校で配布されるテキストを完璧にこなせば絶対に合格できますので、1つの教科書をやり込むことに重点を置いた方が効率的だと思います。試験前にボロボロになった教科書を見ると、これだけ勉強したから絶対受かるという自信にもなります。

 

勉強時間だけではなく、質にもこだわる

試験勉強にゴールはないので、やりすぎは存在しません。1日4時間でも8時間でも10時間でも確保できるだけ勉強すべきだと思います。ただし、何も勉強せずに座っているだけで勉強している気になってしまう場合もあるので、毎日の成果はチェックリストなどにきちんと記録をしてルーティン化したノルマをこなせているかどうか、きちんと集中できているかどうかは常に確認する必要があります。

 

勉強マインド

人間の脳は忘れる仕組みになっているから、忘れることは気にしない

大丈夫です。忘れてももう一回覚えれば良いのです。忘れてしまったことを気にしていても始まらないので、忘れてしまったら、これまで以上の頻度・時間をかけて覚えるしかないです。

 

繰り返し解答を覚えるまで問題はやり込む

問題は1回解いたら終わりではなく、100点取れるまで、解答を覚えてしまうまでやり込んで良いと思います。ある程度試験問題を解いていると回答スピード、解答精度が上がって、試験慣れしてきますので、繰り返しの復習はとても大切だと思います。

 

スキマ時間では勉強はできないので、勉強時間はまとまった時間を確保する

経験的には移動時間での勉強はあまり頭には入らないので、スキマ時間を勉強時間にはカウントしないほうがベターだと感じます。じっくり机に座って勉強に腰を据えてからが勉強時間のカウント開始であり、できるだけ集中できるようにまとまった時間を確保するようにしてください。

 

今日サボったら、取り返すためには1週間かかる

今日勉強を7時間サボったら1日1時間ずつ取り返して、1週間はかかることになります。

今日1日を愚直に継続できた人だけが合格できます。

 

テスト(及び過去問)で良い点数を取ることを目標とする

いくら教科書に詳しくなってもそれだけでは試験に合格することはできません。本番の試験で合格点を取ることがゴールとなりますので、テストの点数にこだわるべきだと思います。もちろんテストも復習範囲なので、なぜ良い点・悪い点なのかという分析は必要となります。試験で良い結果が出なければ、勉強不足、本番での緊張、アウトプットミス(問題の読み間違え)など、要因は様々だと思いますが、次回には改善できるように対策をすべきでしょう。

 

過度な休憩は悪

ついつい休憩所で受験仲間と話し込んでしまって、勉強の話をしていたらなんだか勉強した気になってしまうこともあると思いますが、これを勉強にはカウントしてはいけません。どれだけ机に向かうことができたか、どれだけ他の受験生より辛いことができたか、ということが重要なので、休憩はさっさと済ませて自分の勉強に戻るべきです。

なお、受験仲間とは苦楽を共にした同じ境遇にあるので、受験終了後も引き続き付き合いが続くことが多いです。受験仲間は大切に。

 

学生時代の勉強スケジュール

大学の授業はサボって留年寸前の状態で税理士試験に没頭するという真面目か不真面目かわからない大学生でしたので、時間はたっぷりありました。今思うと、勉強漬けのぞっとする毎日ですが、特別に私の勉強時間が多いというわけではなく、合格を目指す税理士受験生はこのぐらいは勉強しているはずです。

 

簿記・財表2科目受験時

プライベート以外は毎日11時間勉強しているという面白味も何もないグラフですが、少し補足をさせてください。

1日の勉強時間はトータルで8時間程度、多くても10時間でした。勉強時間には休憩が含まれているので、この時間をフルで勉強していたわけではありません。

 

税理士事務所時代の勉強スケジュール

税理士事務所での仕事が本当に忙しかったので、平日はあまり勉強時間が取れず、繁忙期は土日も仕事でしたので、全く勉強できませんでした。

毎年、試験直前の土日にまとめて勉強をしているような状態で、あまり良い例ではないので参考にはならないかもしれません。土日のスケジュールは学生時代の同じようなスケジュールですので、割愛させていただきます。

ここでは、私の非繁忙期の平日の勉強スケジュールをご紹介します。

 

非繁忙期中の平日スケジュール

 

税理士になって良かったこと・悪かったこと

税理士になって10年あまりですが、良かったこと・悪かったことを忖度なく、書き連ねてみたいと思います。

良かったこと・悪かったことはランキング形式にしてみました。

 

良かったこと

  1. 1.クライアントから直接「ありがとう」と言ってもらえる
  2. 2.高度な専門職であり、活躍できる場が多い
  3. 3.税法が楽しい

 

良かったことはこれ以外にも「先生と呼んでもらえる」、「相手の信用を得るのが早い」、「合コンで職業を言うと、真面目と思ってもらえる」など、いろいろ思い当たったのですが、上位三位は上記の通りとなります。

 

第一位ですが、これは税理士の仕事の醍醐味ですね。私はクライアントからのありがとうを一番大切にしています。時にはおばあちゃんに相続の説明をしたり、社長に融資の説明をしたり、大企業の経理と組織再編について議論したりと、税理士のクライアントは様々ですし、いろんなサービスをしています。税理士が頑張ってもクライアントの売上をアップさせることは難しく、なかなか数値では表せない貢献とはなりますが、クライアントにありがとうと言ってもらえると、大変だった業務も本当にやって良かったと心から思うことができます。

 

第二位ですが、税理士は税務の専門家なので、それぞれ専門分野を持っていることが多いです。私であれば、国際税務が専門分野になりますが、各専門分野に特化させることで、その道のスペシャリストとしてのニーズがあると思っており、活躍の場があります。税法がどんどん複雑になってきており、専門分野という考え方がますます重要になってくると思われますので、私も業務領域を広げるのと同じぐらい専門領域を尖らせていくことを課題だと感じています。

 

第三位ですが、私の個人的な見解かもしれませんのでご容赦ください。私はプラモデルとかジグソーパズルなど一人でじっくりできるものが好きなのですが、税法もじっくり読み込むと新たな発見があったりと、とても楽しく感じます。税法を読むときには、「これをどうやって人に説明しようか」と考えながら読むと、業務で必要なアウトプット能力を養うことができますので、常にアウトプットを心がけて条文を読んでいます。

なお、税理士用語で「条文を読む」ということを「条文にあたる」なんて言い方をします。

 

悪かったこと

  1. 1.プライベートでお金勘定を任されてしまう
  2. 2.毎年の税制改正などの知識のアップデートが必要

 

無理やり2つ出してみましたが、正直税理士になって後悔したこともないですし、ちょっと嫌だな程度のランキングです。

 

第一位ですが、旅行、食事などの会計時に割り勘、予算管理を任されてしまうのですが、税理士といえど私はあまり金勘定が得意ではないです。税理士なのでお金勘定にしっかりしていると思われがちですが、私はそこらへんずぼらなので、もっとしっかりした友人にお任せするようにしています笑

 

第二位ですが、これは悪かったことというよりは税理士の宿命ですね。毎年の税制改正をはじめ、判例、トレンドなど、今ではデジタル化についても専門家として必要な知識になってきました。税理士になって勉強が終わるというわけではなく、「税理士は一生勉強」です。

 

受験生の方へ

途中で紆余曲折ありましたが、8年間もの時間を税理士試験に費やして、大事な20代を勉強と仕事に捧げてしまいました。ただ、この膨大な時間をかけて税理士になったことを全く後悔はしておらず、税理士にならなければ、経験できないことをたくさん経験させていただいているので、税理士になって本当に良かったと感じています。

税理士を目指そうと思った当時、大学生ながらに想像した税理士としての像を思い浮かべて、成し遂げたいことをノートに箇条書きしました。その1つに「社会貢献」があります。今でも自分が社会に貢献できているかという自問自答はありますが、専門家としてこれからも人から必要とされる税理士を目指していきたいと思っております。

税理士試験はマラソンに例えられることが多いですが、受験という長く険しい道を走り切った後には、自分では想像もできない素晴らしい世界が広がっているはずです。税理士に本気でなりたいと思った人だけが試験に合格する権利がありますので、試験後に広がっている景色をモチベーションにして、税理士試験合格というゴールを掴み取ってください。

サン共同グループが経営するバー「D3 六本木 BAR LOUNGE」にて撮影

右から代表パートナー朝倉歩、パートナー笠岡亮介、筆者の近藤昴

 


 

近藤昴・税理士

中央大学商学部 卒業

 

2008年5月よりデロイト トーマツ税理士法人GES部門に勤務し、海外拠点を多く持つ日本・海外企業に対する国際人事異動に関するアドバイザリー業務などに従事。

2011年11月 ビジネスタックスサービス部門に異動し、約9年間勤務。マネジャーとして国内上場企業や外資系企業の税務コンサルティング業務及び税務コンプライアンス業務、税務顧問及び業務効率化提案などを行ってきた。

 

2020年12月、約12年間マネジャーとして勤務したデロイト トーマツ税理士法人を退職。
2021年1月にサン共同税理士法人に参画し、同月、横浜オフィス所長に就任。

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