会社設立の費用面でのメリットとは?事前の注意点や設立の流れも徹底解説
2024.11.21(更新日: 2024.11.21)
会社設立
会社設立を考え始めたときに悩むのが「利益が出るのか?」です。個人事業主のままで問題ないのか、会社設立による費用メリットがあるのか、知識がなければ損をしてしまうかもしれません。
会社設立の前に、理由やビジョンなど、会社を運営するうえで考えるべきことを検討してから決断すると、後悔なく起業ができます。しかし、会社設立は人生を左右する決断なうえに、明確な正解がないため、どちらにすればよいのか迷うのではないでしょうか。
そこで本記事は、会社設立を費用面から見たメリット・デメリットと会社設立の前に考えておくべきことをご紹介します。あわせて、会社を設立すると決めた人へ向けた、必要な手続きの解説付きです。ぜひ参考にしてください。
会社設立の前に考えるべきこと
会社設立の前に、考えるべきことが5点あります。
会社設立の必要性
会社を設立して何をするか
会社設立の手続きは誰が行うか
会社の種類を何にするか
資金調達方法
なかでも、会社設立の必要性と会社のビジョンは、設立後に後悔しないために、とても重要です。会社の設立を決めたら、手続きを行う人や会社の種類、資金調達方法について検討します。
本当に会社を設立する必要があるのか?
会社設立の前に、起業する必要があるのか否かを検討する必要があります。加えて、会社を設立する理由を考えておきましょう。なぜなら、会社を設立してから後悔しないためです。会社設立は、メリットだけではありません。収入の補償がないうえに、毎月のように費用が発生し、失敗した場合は自己責任です。
会社設立の理由は、何でも構いません。たとえば、以下のような例があります。
自分の資格やスキルを生かしたいから
ビジネスアイデアが浮かんだから
自由に働きたいから
お金をたくさん稼ぎたいから
今の会社の人間関係がつらいから
人によっては、資格やスキルを生かした会社で働けるかもしれません。会社を設立しても、自由に働けない人も多くいます。会社を運営するなかで、つらい状況を想定し、それでも会社を設立したいと思ってから起業すると、後悔なく会社を運営していけるでしょう。
会社を設立して何をするのか?
設立後、事業を運営するために、会社設立の目的を検討する必要があります。目的とは、事業内容を指し、会社を運営するうえで基本規約となる「定款」に必ず記載する事項です。会社設立の目的は、3つの要件を満たさなければなりません。
公序良俗や法律に反しないこと
誰が見ても理解できる事業目的であること
利益につながること
会社設立の目的を考えるときに大切なことは、明確なビジョンを持つことです。明確なビジョンがあれば、必要な手続きや、未来の展望が見えてきます。会社の目的で、許認可が必要な資格を生かしたい場合は、定款に資格の明記も必要です。たとえば、以下のような目的があります。
旅行業:旅行業法に基づく旅行業者代理業
リサイクルショップ:古物営業法に基づく古物商
会社で何をするか考える段階で、定款への記載事項を含めて検討するとよいでしょう。
会社設立の手続きを自分で行うか?
会社設立には、複雑かつ多くの手続きがあります。どの手続きも、間違えると戻って修正する必要があるため、自分で行うのは手間に感じる人も多いでしょう。そこで、会社設立には専門家へ依頼する選択肢があります。それぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
デメリット
自分で手続き
費用を抑えられる
法律や税金の知識が増える
手続きに時間がかかる
間違いや手続き不足の恐れがあがる
作業中は事業に専念しにくい
専門家が手続き
短時間に手続きが終わる
正確に手続きができる
節税や事業運営のアドバイスが得られる
自分に合う専門家選びが必要
費用が発生する
専門家により作業可能範囲がある
サン共同は、登記・設立後の届出など会社設立に必要な手続きを代行いたします。初回は無料で相談できるので、気になる方はぜひお問い合わせください。
会社の種類をどうするか?
会社設立前には、会社の種類を決める必要があります。また、会社とは別のものですが、個人事業主という選択肢があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
特徴
メリット・デメリット
株式会社
有限責任
1名から設立可能
出資者と経営者が異なる
設立費用は約25万円
信用度が高く融資を受けやすい
上場できる
会社運営に制限事項が多い
持分会社
合同会社
有限責任
1名から設立可能
出資者=経営者
設立費用は約10万円
経営の自由度が高い
設立費用が安い
上場できない
個人事業主
無限責任
1名から登録可能
経営権を持つ
設立費用は0円
税務申告が簡素で済む
信用度が低く融資を受けにくい
事務手続きが法人より少ない
会社や個人事業主の特徴と自社のビジョンを照らしあわせて、会社の種類を決めましょう。
資金調達を行うか?
会社を設立するときは、資金が必要です。そこで、会社設立の前に、資金を調達するか否かと、調達方法を検討しておく必要があります。会社を設立するときに、資金を調達する方法は、大きく分けて3種類です。
デット・ファイナンス
(借入)
金融機関からの融資
商工会などからの融資
ビジネスローンで借入
社債の発行
個人ローンで借入
エクイティ・ファイナンス
(出資)
自己資金を出資
ベンチャーキャピタル
個人投資家からの出資
公募増資
社員持株会
他企業からの出資を受け入れ
クラウドファンディング
助成金・補助金
地域創造的起業補助金
ものづくり補助金
IT導入補助金
小規模事業者持続化補助金
デット・ファイナンスは、資金を返済する必要がある借入です。借入期間に応じた利息を払わなければなりません。
エクイティ・ファイナンスは、資金を返済する必要がない出資です。返済はないものの、配当金や優待を提供する場合があります。
助成金や補助金は、種類と主催者により要件が異なるため、事前の確認が必要です。
費用に関する会社設立の6つのメリット
会社設立に伴い、費用に関するメリットが6つあります。
所得が大きいほど法人税の節税効果が高い
給与所得控除を利用できる
経費の幅が広い
10年間の欠損金の繰越が可能
消費税の免税期間を長く利用できる
家族に給与を支払える
法人税により優遇される点を活用すれば、大きな費用メリットが期待できます。
所得が大きくなるほど法人税の節税効果が高まる
会社を設立すると、会社の所得に応じて法人税を支払います。一方、個人事業主の所得に対して支払う税金は、所得税です。法人税と所得税は、税率が違います。法人税の税率は、以下の通りです。
区分
税率
資本金1億円
以下の法人など
年800万円以下
の部分
下記以外の法人
15%
適用除外事業者
19%
年800万円超の部分
23.20%
上記以外の普通法人
23.20%
参考:No.5759 法人税の税率|国税庁
所得税の税率は以下の通りです。
課税される所得金額
税率
控除額
1,000円~194万9,000円
5%
0円
195万円~329万9,000円
10%
97,500円
330万円~694万9,000円
20%
427,500円
695万円~899万9,000円
23%
636,000円
900万円~1,799万9,000円
33%
1,536,000円
1,800万円~3,999万9,000円
40%
2,796,000円
4,000万円~
45%
4,796,000円
法人の所得に対する税率は、最大25~35%なため、所得が多ければ多いほど節税効果が大きくなります。
参考:No.2260 所得税の税率|国税庁
給与所得控除を利用できる
個人事業主の場合は、給与という概念がないため、事業主の取り分は計上できません。会社を設立すれば、役員報酬として給与を受け取る立場になるため、給与所得控除が受けられます。法人の経費として計上できるうえに、給与所得控除が受けられる点が費用メリットです。
ただし、役員報酬の金額には注意が必要です。役員報酬を増やすと、会社の所得は減るものの、個人が支払うべき所得税の金額が増えます。住民税や社会保険料についても同様です。役員報酬の適正金額は、利益の金額により変わります。
税金や社会保険料など、法人が支払う費用と個人が支払う費用のバランスを考慮しながら役員報酬の金額を決定すれば、高い節税効果が期待できるでしょう。
経費の幅が広がる
法人と個人事業主は、所得の計算方法が異なります。個人事業主が住居や光熱費など、公私で共用するものを経費に算入したい場合は、業務に利用する範囲の割合を算出する家事按分が必要です。
家事按分のためには、業務利用の割合を算出した根拠となる資料を準備するものの、線引きが煩雑です。そのため、個人事業主より法人のほうが、多く経費に算入できます。個人事業主では計上できず、法人が計上できる費用の例は、以下の通りです。
出張手当を報酬に計上する場合
住居を社宅として利用できる
車両を経費として算入し、減価償却ができる
会社を受取人とした生命保険料
適正な金額を家族への給与として支払う場合
家事按分が不要で、経費に算入できる範囲が広い点も法人化するメリットです。
10年間の欠損金の繰越が可能
会社を設立して以降に欠損金が出た場合、一定の要件を満たせば欠損金の繰り越し還付が可能です。繰り越した欠損金はその後の事業年度で発生した利益と相殺することができます。適用要件は以下の通りです。
欠損金額が生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出してい
欠損金額利用の事業年度まで毎年、連続して確定申告書を提出している
会社を設立すると、個人事業主に比べて、長期間に渡り欠損金を繰り越せます。会社と個人事業主の欠損金を繰り越せる期間は以下の通りです。
青色申告
白色申告
法人
個人事業主
10年
3年
繰り越し不可
会社の設立初期においては、投資に対して売上が追い付かず、赤字となることも多いので、赤字を翌期以降に欠損金として繰り越すために適正な手続きが重要となります。
消費税の免税を長く活用できる
会社設立後、最初の2年間は消費税が免税される場合があります。免税期間は、個人事業主も同様です。ただし、一定の要件を満たした場合に限り、免税されます。
一定の要件とは、課税期間の基準期間における資本金または出資金が1,000万円未満であることに加えて、以下のいずれかを満たした場合です。
基準期間の課税売上高が1,000万円以下であること
特定期間の課税売上高又は給与支払額が1,000万円以下であること
基準期間:2期前の事業年度
特定期間:前事業年度開始の日から6か月の期間
消費税の免税要件は、法人と個人事業主それぞれに適用可能です。始めに個人事業主として2年間免税を受けてから会社設立をすれば、最長4年間の節税ができます。なお、インボイス登録を行う場合には、即座に課税事業者なりますので、免税期間は生じません。
家族に給与を支払うことができる
会社設立をすれば、家族への給与支払いが可能です。個人事業主の場合は「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署へ提出した場合にのみ、給与が支給できます。
家族へ給与を支払う場合の注意点は、3点です。
勤務実態があるか
労働に見合った金額か
高額の場合、扶養控除から抜けなければいけない
当然ながら、勤務実態がない家族へ給与を支払ってはいけません。オフィスへ出社する必要はないものの、勤務実態の証明が必要です。支払う給与の金額についても、検討しなければなりません。
たとえば、伝票整理を週3日していたとします。極端な例としては、親族に毎月1,000万円の給与を支払った場合は、明らかに不適切なため、税務調査で指摘を受けるでしょう。
また、支給額が130万円を超えると、社会保険料の扶養控除を抜けなければいけません。社会保険料や所得税の負担を鑑みたうえで、節税効果が大きくなるような支給額の検討をおすすめします。
費用に関する会社設立の3つのデメリット
会社は設立時だけでなく、継続しているだけでかかるコストがあります。事前にシミュレーションをしておかなければ、後から資金不足に陥りかねません。従業員の人数に関わらず、社会保険料の加入義務や、会計処理が複雑になる点もデメリットです。
設立にも維持にもコストがかかる
会社設立には、コストがかかります。株式会社を例に見てみましょう。
収入印紙代:4万円
定款の認証手数料:3~5万円
謄本の発行手数料:約2,000円
登録免許税:一般的には15万円
上記の金額を合計すると、設立時には約25万円の費用がかかります。あわせて、毎年赤字であっても住民税の均等割りを支払わなければなりません。住民税の金額は、資本金等、従業者数によって異なります。
以下は、特別区内(東京23区内)にのみ事務所等を有する法人の都民税均等割の税率表です。
資本金等の額
特別区内の従業者数
主たる事務所等が 所在する特別区 (道府県分+特別区分)
従たる事務所等が 所在する特別区 (特別区分)
公共法人、公益法人等など
-
70,000円
50,000円
1,000万円以下
50人以下
70,000円
50,000円
50人超
140,000円
120,000円
1,000万超1億円以下
50人以下
180,000円
130,000円
50人超
200,000円
150,000円
1億超10億円以下
50人以下
290,000円
160,000円
50人超
530,000円
400,000円
10億超50億円以下
50人以下
950,000円
410,000円
50人超
2,290,000円
1,750,000円
50億円超
50人以下
1,210,000円
410,000円
50人超
3,800,000円
3,000,000円
※「主たる事務所等」とは、都内における主たる事務所等を指す。 東京都以外の道府県に本店のある法人については、都内の事務所等の一つを 「主たる事務所等」とし、それ以外の都内の事務所等を「従たる事務所等」とする。
参考:均等割額の計算に関する明細書(第6号様式別表4の3)記載の手引
社会保険への加入が義務づけられている
会社設立をしたら、従業員の人数に関わらず、社会保険に加入しなければなりません。加入すべき保険は、5つです。
健康保険
介護保険
厚生年金保険
雇用保険
労災保険
健康保険と厚生年金保険料は、会社負担分があります。保険料は、給与の金額により変動するものの、国民健康保険や国民年金保険料と比べて高額です。
会社設立後は、保険料を毎月支払わなければなりません。事前にコストシミュレーションを行い、支払う金額を意識しておきましょう。
社会保険料に関する支払いに加えて、加入手続きや保険料の算定など、付随する事務手続きが増えます。1人の法人であっても、必ず発生する作業です。会社を設立した場合、社会保険料の費用と事務手続きの負担が発生する点がデメリットです。
会計処理が複雑である
経費の幅が広がるのは、会社設立の費用メリットです。反面、経費として算入するために、正しい会計処理をしなければなりません。個人事業主であれば、確定申告のときにまとめて処理する人も多いでしょう。しかし、会社を設立したら、会計ルールにのっとった処理が必要です。
会計処理は、間違えると納税額が変わってしまうため、正しい処理が求められます。そこで、最初は税理士など会計の専門家へ相談するのがおすすめです。専門家へ相談すると、正しい節税方法のアドバイスや、社会保険の手続き方法などを相談できます。
サン共同には経験豊富な税理士が多数在籍しています。会計・税務に関するさまざまなサポートが可能なので、ぜひお気軽にご相談ください。
会社設立の流れと費用
会社設立には、6つのステップを踏みます。
会社の概要を決める
印鑑を作成する
出資金の払い込みをする
設立関係書類を作成する
公証人役場で定款を認証してもらう
設立登記の申請をする
なかでも、会社の概要は、今後の事業運営において必要な基本事項です。慎重に検討してから先のステップへ進みましょう。
会社の概要を決める
会社設立を決めたら、最初に会社の概要を決めます。取り決めた内容を元に会社を運営していくので、非常に重要な工程です。
概要には、以下のような項目があります。
目的:事業内容
商号:会社名
本店の所在地
資本金の金額
1株あたりの金額
発起人の氏名または名称および住所
発行する株式の総数
持ち株比率
株主総会の招集
取締役会の設置有無
事業年度
会社設立日
役員の構成
取引する金融機関
発起人が複数いる場合は、発起人全員の同意が必要です。決めた概要は、会社設立に必要な書類のひとつである定款に記載します。そのほかにも、最初に決めておくべき経営ビジョンや会社のルールを話し合っておくことで、以降の作業がスムーズに進みます。
印鑑を作成する
概要を決めたら、会社の印鑑の作成です。印鑑は、会社設立の登記申請を行うときに届け出るため、会社名を決めてすぐに注文します。会社設立の手続きが終わった後、銀行口座や書類の作成に、印鑑の必要な場面が出てくるはずです。事前に以下の印鑑をそろえておくとよいでしょう。
印鑑の種類
特徴
会社代表印
(会社実印)
法務局に届け出た会社の実印
サイズに規定があり、直径10mm~30mmのサイズ
重要な契約書や税務申告書などの法的文書に使用
社判(角印)
認印の役割を持つ会社の印鑑
印鑑登録なしで利用可能
請求書・注文書・領収書など、日常的に使用
銀行印
金融機関とのやりとりに必要
丸い印鑑の真ん中に「銀行之印」と記載
口座開設・小切手・手形の振り出しなどに使用
ゴム印
会社名・代表者名・所在地・連絡先を記載したもの
契約書・請求書などの住所欄などに使用
近年は、上記に加えて、電子印鑑をそろえる会社もあります。必要に応じた準備をしましょう。
出資金の払い込みをする
出資金は、発起人の1名が持つ銀行口座に払い込みます。この払い込んだ金額が資本金です。
1名で会社を設立する場合は、自分から自分あてに払い込み、払込証明書は保管しておく必要があります。資本金の金額は、最低1円以上であれば、いくらでも構いません。しかし、資本金の額が、そのまま会社の信用度に影響します。
国税庁の会社標本調査によると、200万〜500万円程度を資本金とする会社が多いようです。なお、業種により、最低資本金額が定められている業種があります。たとえば、以下のような業種です。
旅行業:300万円
一般建設業:500万円
有料職業紹介:500万円以上
人材派遣業:1,000万円以上
会社の目的により、最低資本金が異なるため、事前に調べておきましょう。
参考:令和3年度会社標本調査|国税庁
設立関係書類を作成する
次に、設立関係書類を作成します。必要な書類は以下の通りです。
登記申請書
登録免許税の収入印紙を貼付した台紙
登記すべき事項
定款
取締役の就任承諾書
資本金の払込証明書
印鑑(改印)届出書
なかでも、もっとも記載事項の多い書類が定款です。定款は、会社の基本となる事項を記載した書類のことで、別名「会社の憲法」とも呼ばれています。会社設立の後、基本方針として利用していく書類のため、漏れや誤りなく作成しましょう。
定款に記載する内容は、初めに検討した会社の概要で取りまとめた項目です。必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」5項目と、書くことで法的効力が生まれる「相対的記載事項」は、記載することでトラブル防止につながります。
公証人役場で定款を認証してもらう
定款が完成したら、公証役場で定款を認証してもらいます。
定款認証とは、定款が、正当な手続きにより作成された書類である旨を証明することです。紙で定款を準備する場合は、公証役場へ保管用、会社設立の登記申請に提出用と会社保管用に1通ずつの合計3通を準備します。
提出先は、本店所在地を管轄する公証役場です。定款認証に必要な費用は、以下の項目があります。
定款認証に必要な費用の明細
金額
定款認証手数料
資本金100万円未満=3万円
資本金100万~300万円=4万円
その他の場合=5万円
公証役場が保管する
定款に貼り付ける収入印紙
4万円
謄本作成料
約2,000円
近年は、電子申請による認証手続きが可能です。電子申請を利用すると、公証役場が保管する定款に貼り付ける収入印紙4万円が不要かつ、準備する定款は1通で済みます。
設立登記の申請をする
最後に、法務局で設立登記の申請をします。原則、出資金の振り込みから2週間以内に設立登記をしなければなりません。設立登記の申請は、代理人による手続きも可能です。
登記申請に必要な書類は以下の通りです。
登記申請書
登録免許税の収入印紙を貼付した台紙
登記すべき事項
定款認証を受けた定款の謄本
取締役の就任承諾書
資本金の払込証明書
印鑑(改印)届出書
登録免許税は、15万円です。15万円分の収入印紙を貼り付けた台紙を準備します。資本金の払込証明書は、3つ目のステップで自分の口座に資本金を振り込んだときの払込証明書です。登録申請書を提出した日が会社の設立日になります。
法務局へ提出してから、何事もなければ約1週間で手続きが完了です。
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会社設立と費用の関係についてのよくある質問
会社設立と費用の関係についてよくある質問に回答していきます。
会社設立にはどれくらいの費用がかかりますか?
会社を設立することでどのような費用を節約できますか?
気になる疑問から確認してみましょう。
会社設立にはどれくらいの費用がかかりますか?
会社設立には、約25万円かかります。会社の種類別の費用内訳は以下の通りです。
株式会社
合同会社
収入印紙代
4万円
4万円
定款の認証手数料
3~5万円
なし
謄本の発行手数料
約2,000円
約2,000円
登録免許税
15万円または1,000分の7の高いほう
6万円または1,000分の7の高いほう
合計
24万2,000円
6万円
合同会社は定款認証が不要です。
参考:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁
会社を設立することでどのような費用を節約できますか?
会社設立により、経費の範囲が広がるなどを利用した正しい節税ができます。広がる経費の範囲や、課税所得の計算ルールの違いは以下の通りです。
法人から給与を受け取ることで、給与所得控除が適用
住宅を社宅として利用し、家賃を経費として算入できる
欠損金を10年間繰り越せる
個人事業主・法人別々に消費税の免税期間があるため、最長4年間の消費税が免税
手伝いをした家族へ給与を支払うことで、所得税を節税できる
個人事業主の場合、収入をそのまま課税所得として計算しなければなりません。しかし、会社設立により、所得税や法人税が節約できます。
まとめ
会社設立による費用メリットとデメリットを解説しました。会社設立の前に、起業の必要性と理由をしっかり検討しておくことで、後悔がありません。会社を設立すると、個人事業主のときに比べて経費算入の範囲が広がり、法人税の税率による節税ができるため、費用メリットが期待できます。
会社を維持するためには、メリットだけではありません。社会保険の加入義務や、法人住民税など、赤字の場合も支払わなければならない税金があります。会社設立に迷う場合は税の専門家である税理士への相談がおすすめです。税理士へ相談すれば、現状をヒアリングのうえ、適切なアドバイスを受けることができます。
会社の設立を決めたら、豊富な経験を生かした概要検討のお手伝いや、書類作成・助成金申請などまでワンストップで対応可能です。会社設立は、大きな決断です。専門家へ相談し、後悔のない起業を実現しましょう。