会社設立の登記申請が完了したら、届出の手続きが必要です。納税地の管轄税務署、都道府県税事務所及び市町村に、会社の設立を知らせる必要があります。この、会社の設立を知らせる書類が、法人設立届出書です。
法人設立届出書は、税務署・都道府県税事務所・市町村の3か所へ、会社を設立した日から指定の期日までに提出しなければなりません。届出書には、22か所の記載項目があり、どこに何を記載するのか知っておかなければ、複雑で手間に感じることでしょう。
そこで本記事は、法人設立届出書の書き方と、提出先などの基礎知識を徹底解説します。会社を設立しようと考えている人や、届け出作業のスケジュールを知りたい人はぜひ参考にしてみてください。
目次
- 1 法人設立届出書とは?
- 2 法人設立届出書の書き方
- 2.1 日付
- 2.2 管轄の税務署
- 2.3 本店または主たる事務所の所在地
- 2.4 納税地
- 2.5 法人名
- 2.6 法人番号
- 2.7 代表者氏名
- 2.8 代表者住所
- 2.9 設立年月日
- 2.10 事業年度
- 2.11 設立時の資本金または出資金の額
- 2.12 消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日
- 2.13 事業の目的(定款などに記載しているもの)
- 2.14 事業の目的(現に営んでいるまたは営む予定のもの)
- 2.15 支店・出張所・工場など
- 2.16 設立の形態
- 2.17 設立の形態が2~4である場合の適格区分
- 2.18 事業開始見込みの年月日
- 2.19 「給与支払事務所等の開設届出書」提出の有無
- 2.20 関与税理士
- 2.21 添付書類等
- 2.22 税理士署名押印
- 3 法人設立届出書に関連するその他の手続き
- 4 法人設立届出書の書き方で迷ったらサン共同税理士法人へ
- 5 法人設立届出書の書き方に関するよくある質問
- 6 法人設立届出書の書き方に関するまとめ
法人設立届出書とは?
法人設立届出書とは、会社が設立したことを知らせるための書類です。法人設立届出書は、会社の形態を問わず提出しなければなりません。国税庁のサイトにある定型フォーマットへ記載のうえ、添付書類を付けて提出します。
参考:法人設立届出書|国税庁
提出方法は、持参・郵送・オンライン申請の3種類です。オンライン申請は、e-Taxおよび「法人設立ワンストップサービス」により提出できます。オンライン申請を利用すると、24時間365日いつでも申請可能です。
さらに、「法人設立ワンストップサービス」を利用すれば、法人設立届出書だけでなく、税金や保険に関する手続きをまとめて提出できます。
法人設立届出書の提出先
会社設立の登記申請が完了したら、3か所へ法人設立届出書を提出します。
- 納税地の所轄税務署
- 都道府県税事務所
- 市町村
提出先により、届出書の名称、フォーマットや添付書類が異なります。一般的に必要な添付書類は以下の通りです。
提出先 | 必要書類 |
税務署 |
|
都道府県税事務所 |
|
市町村 |
|
市町村のなかには、書類の提出が不要な自治体もあります。書類を準備する前に、提出先へ確認しましょう。
法人設立届出書を提出する際は、控えの準備も必要です。持参もしくは郵送で提出する場合は、届出書と添付書類を2部ずつ用意します。オンライン申請の場合は、PDFファイルを使った提出が可能です。
法人設立届出書の提出期限
法人設立届出書は、会社を設立した日から2か月以内に提出しなければなりません。都道府県税事務所や市町村への提出期限は、自治体ごとに異なります。たとえば、東京都の提出期限は設立から15日以内、神奈川県の場合は2か月以内です。
オンライン申請を選択する場合は、夜中に申請した場合、提出期限を過ぎる可能性があります。提出期限を意識して提出しましょう。もし、提出期限を過ぎてしまった場合、罰則などはありません。しかし、法人設立届出書を提出しなければ、税務署からのお知らせなどが届かない状態が続きます。
税務署からの知らせが届かなければ、税務申告を忘れ、税金の納付を忘れるかもしれません。会社を設立したら、法人設立届出書は早めに届け出ましょう。
法人設立届出書の書き方
法人設立届出書は、22項目に及ぶ内容を記載します。新たに会社を設立するときに、間違いがあってはなりません。そこで、各項目のポイントと書き方を解説します。登記事項証明書や定款の情報と照らしあわせて記載しましょう。
日付
日付は、法人設立届出書の提出日を和暦で記載します。持参または郵送の場合は、納税地の管轄税務署で受領印を押してもらえるので、空欄のままで問題ありません。間違った日付や、著しく未来日を記載している場合は、訂正を求められる恐れがあります。訂正する位なら、法人設立届出書の日付は空欄のままのほうがよいでしょう。
管轄の税務署
本項目は、納税地の管轄税務署を指します。納税地とは、本店の住所を管轄する税務署です。管轄税務署が分からない場合は、国税庁のホームページに税務署検索サイトがあります。
都道府県税事務所へ提出する法人設立届出書に記載する管轄は、自治体のホームページに記載されています。
本店または主たる事務所の所在地
本店の所在地は、会社設立の際に登記申請書へ記載した本店住所のことです。主たる事務所は、事業を営むうえで全事業所を統括する本店以外の場所を指します。
法人設立届出書に記載する所在地は、登記申請書で申請した所在地の住所を記載しましょう。電話番号は、本店の電話番号もしくは代表者の携帯番号が記載可能です。
納税地
法人税法第16条により、納税地は「本店又は主たる事務所の所在地」と定められています。法人設立届出書に記載する納税地は、同上と記載するだけで問題ありません。
しかし、登記申請書に記載した本店が自宅の住所、実質的な事務所が別の住所にあるケースなど、本店と主たる事務所が異なるケースがあります。その場合は、考えられる対応は2つです。
- 実態にあわせて本店所在地を変更
- 法人税法第18条に則り管轄の税務署等に判断を仰ぐ
設立当初から複数の事業を持つ場合は、本店所在地を管轄する税務署へ相談してみてください。
法人名
本項目は、登記申請書に記載した法人名です。法人設立届出書へは、略称を使用せず、正式名称で記載します。法人名に使用できる文字や記号は、以下の通りです。
- ひらがな、カタカナ、漢字
- 英語アルファベット(大文字、小文字)
- アラビア数字(0~9)
- ・(中黒),(カンマ).(ピリオド)ー(ハイフン)&(アンド)’(アポストロフィ)
先頭に記号を使うことや、ピリオド以外の記号を末尾に使用できません。フリガナも忘れず記載しましょう。
法人番号
法人番号は、会社の設立登記を終えると付与される13桁の番号です。番号は、登記完了日の16時または翌営業日の11時に反映される法人番号公表サイトから確認できます。法人設立届出書には、通知に記載の法人番号を転記します。法人設立届出書の提出期限が短く、法人番号が分からない場合は、空欄での提出も可能です。
代表者氏名
代表者氏名は、会社を代表する人の氏名です。法人設立届出書へは、代表取締役や代表社員の氏名をフリガナ付きで記載します。ここで注意が必要なのは、外国人が代表者の場合です。日本に住み、国籍が外国人の場合や、日本に非居住で代表者のみを務める場合は、添付書類が必要な恐れがあります。詳細は、税理士へ相談してください。
代表者住所
本項目は、会社を代表する人の住所と電話番号を記載します。代表者とは、法人設立届出書の代表者氏名欄に記載した人のことです。代表者の欄は、氏名と住所でワンセットです。漏れなく記載しましょう。都道府県税事務所や自治体へ提出する法人設立届出書のなかには、代表者の住所を記載せず、連絡が取れる電話番号を記載する場合があります。
設立年月日
設立年月日は、会社を設立した日のことです。法人設立届出書へは、登記事項証明書に掲載されている日を転記します。設立年月日と混同しやすいのが、登記完了日と事業の開始日です。登記完了日は、登記の手続きが完了した日を指します。事業の開始日は、実際に事業を開始した日です。誤って記載しないように気を付けましょう。
事業年度
事業年度とは、税務上の計算期間です。定款の任意的記載事項のため、既に定款で事業年度を定めている場合があります。定款に事業年度を定めた場合、法人設立届出書へ記載する事業年度は、定款にある事業年度です。
事業年度の期間は、会社法の会社計算規則第59条2項および法人税法第13条により、1年以内と定められています。定款に事業年度を定めていない場合、法人設立届出書へ記載する事業年度は、任意に設定した1年以内の期間です。
設立時の資本金または出資金の額
本項目は、登記事項証明書に掲載された資本金の額を転記します。資本金または出資金とは、事業を運営するうえで元手となる資金のことです。
資本金は、出資金を受けた会社から見た資金を指し、出資金は資金を出資する側から見た資金を指します。合資会社と合名会社は、労働を出資としてみなす労務出資が可能です。そのため、資本金が0円の場合があります。資本金が0円の場合でも、法人設立届出書へそのまま転記します。
消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日
本項目の書き方は、資本金が1,000万円以上の場合、設立年月日と同じ日を記載し、1,000万円未満の場合は空欄のままとします。消費税は、基準期間内の課税売上高が1,000万円以下の場合、免税です。しかし、新設の法人は、売り上げがありません。
そこで、新設法人は、消費税法第12条の2により、資本金を基準として免税か否かを判断します。資本金が1,000万円以上の場合は、設立当初から消費税の納税義務があるため、基準となる期間の記載が必要です。
事業の目的(定款などに記載しているもの)
定款に記載している事業の目的を記載します。本項目は、定款に記載した事業の目的をすべて記載する必要はありません。たとえば、定款の事業目的が「生鮮食品、保存食品及び加工食品の販売」「酒類の小売業」であったとします。
法人設立届出書の書き方は「食品、酒類の小売業」です。定款へ記載した事業の目的が複数ある場合は、主な事業を1つ書けば問題ありません。
事業の目的(現に営んでいるまたは営む予定のもの)
本項目は、定款に記載している事業目的のうち、既に営んでいる事業の目的または、近い将来に予定している事業を記載する項目です。書き方は、定款などに記載している事業の目的と同様で、簡略化した内容を記載します。
事業の目的が複数ある場合は、主な事業を1つ書けば問題ありません。定款などに記載している事業の目的と同じ場合は、同上と記載します。
支店・出張所・工場など
支店・出張所・工場などの名称と所在地を記載する項目です。届け出る支店・出張所・工場は、登記の有無に限らずすべての支店・出張所・工場を届け出ます。フォーマットに設けられた件数を超える場合は、別途明細の作成が必要です。
都道府県税事務所へ提出する法人設立届出書には、設立年月日を記載したり、該当の都道府県にある支店などのみを記載したりするフォーマットもあります。
設立の形態
本項目は、5項目のうち該当する番号に丸印を付ける項目です。新たに設立した法人の場合は、5番の「その他」を選び、カッコ内に新規開業と記載します。個人事業主から法人化した場合に選ぶのは、1番の「個人企業を法人組織とした法人である場合」です。加えて、確定申告書を提出した税務署名と整理番号を記載します。
設立の形態が2~4である場合の適格区分
本項目は、個人事業主からの法人化や新規開業の場合は空欄のままです。設立した法人の形態で、合併・分割・現物出資を選択した場合に記載します。適格か否かは、以下の法律に該当するか否かで判断します。
会社設立形態の種類
法的根拠 |
概要 |
適格合併
法人税法第2条第12号の8 |
一定の要件を満たしている
合併交付金がない合併 |
適格分割
法人税法第2条第12号の11 |
一定の要件を満たしている
分割前の従業員や資産を引き継ぐ見込みがある |
適格現物出資
法人税法第2条第12号の14 |
一定の要件を満たしている
有価証券や不動産など金銭以外の出資による設立 |
それぞれに一定の要件が定められています。
事業開始見込みの年月日
本項目は、原則として具体的に事業または業務を始めるのに至った年月日を記載します。既に事業を開始している場合は、設立年月日が事業開始見込みの年月日です。店舗の開店準備をしている期間は、売り上げが発生しないため含みません。判断に迷う場合は、売り上げが発生する日を基準にするとよいでしょう。
「給与支払事務所等の開設届出書」提出の有無
会社から給与や役員報酬を支払う場合は、たとえ1人であっても、法人設立届出書のほかに「給与支払事務所等の開設届出書」の提出が必要です。
本項目は、法人設立届出書と一緒に給与支払事務所等の開設届出書を提出する場合や、既に提出済みの場合に「有」を選択します。給与の支払予定がなく、当面は役員報酬も0円とする場合の選択肢は「無」です。
関与税理士
関与税理士は、法人設立に関わった税理士の氏名と事務所の所在地を記載する項目です。関与の度合いに明確な基準はありません。顧問契約を締結している場合や、法人設立届出書の作成代行を依頼している場合など、法人の内情を知っている税理士がいる場合は、記載が必要です。
数回相談した程度の関係であれば、記載する必要はありません。関与税理士が不在の場合は、空欄とします。判断に迷う場合は、相談した税理士へ一度ご相談ください。
添付書類等
添付書類等は、法人設立届出書と一緒に提出する書類を記載する項目です。税務署へ提出する場合は原則、定款等の写しに丸を付けます。そのほか、税務署から求められる恐れがある添付書類は以下の通りです。
- 株主名簿
- 法人設立時点の貸借対照表
- (現物出資がある場合)出資者の氏名・出資金額等を記載した書類
添付書類は、設立する会社の状況により異なります。必要な書類は、納税地の管轄税務署へご相談ください。
税理士署名押印
本項目は、法人設立届出書を税理士が作成代行した場合に記載する項目です。作成した税理士は、署名・押印します。税理士へ依頼せず、自身で作成した場合は、空欄のままです。法人設立届出書の作成を税理士へ依頼する場合は、署名押印があるか確認しておくとよいでしょう。
法人設立届出書に関連するその他の手続き
会社設立に際して必要な手続きは、税金に関するものだけではありません。社会保険や労働保険など、その他の手続きが必要です。そこで、法人設立届出書に関連するその他の手続きを解説します。手続きの種類によっては、並行して作業が必要です。タスク管理のうえ、忘れないように手続きしましょう。
社会保険の新規適用
法人を設立し役員報酬や従業員給与を支給する場合には、社会保険の加入が原則、義務となります。社会保険の手続きは、法人として社会保険に加入する新規適用手続きと、従業員や役員が社会保険の資格を得るための被保険者資格取得の手続きがあります。
新規適用手続きの概要は以下の通りです。
提出先 | 事業所の所在地が管轄する年金事務所 |
期限 | 加入義務発生の日から5日以内 |
提出方法 | 持参・郵送・電子申請 |
必要書類 | ①健康保険・厚生年金保険 新規適用届
②法人(商業)登記簿謄本(コピー不可) |
被保険者資格取得の手続きの概要は以下の通りです。
提出先 | 事業所の所在地が管轄する年金事務所 |
期限 | 加入義務発生の日から5日以内 |
提出方法 | 持参・郵送・電子申請・電子媒体(CDまたはDVD) |
どちらの手続きも、加入義務発生の日から5日以内に済ませなければなりません。加入義務が発生したら、すぐに対応すべきでしょう。
雇用・労働保険関連
従業員を雇う場合は、雇用保険と労働保険の手続きが必要です。手続きは、従業員を雇うことになってから手続きをします。必要な手続きと概要は以下です。
労働保険 | 保険関係成立届 |
|
概算保険料申告書 |
|
|
雇用保険 | 雇用保険適用事業所設置届 |
|
雇用保険被保険者資格取得届 |
|
役員1名の会社には、加入の義務がありません。しかし、提出までの期限が短いので、手続きがある旨は知っておきましょう。
税金に関する承認・届出
税金に関する承認・届出は、必須ではないものの、承認・届け出ることで、メリットが受けられる手続きです。主な手続きと概要は以下のとおりです。
青色申告の承認申請書 |
|
源泉所得税の納期の
特例の承認申請 |
|
電子申告・納税等開始
(変更等)の届出 |
|
消費税簡易課税制度
選択届出 |
|
任意の手続きですが、希望する場合は手続きの期限を過ぎないように気を付けましょう。
GビズIDのアカウント発行申請
GビズIDとは、1つのアカウントでさまざまな行政サービスを利用できるシステムです。利用できる行政サービスは、以下のようなものがあります。
- e-Govポータルからの電子申請
- 社会保険関連の申請
- 雇用関係助成金ポータル
- 自治体のオンライン申請
- 助成金申請
GビズIDは、3種類のアカウントがあります。主な特徴は以下の通りです。
プライム |
|
メンバー |
|
エントリー |
|
有効期限や年度更新の必要がないため、1つ作成しておくと便利です。
その他業種ごとに必要な手続き
事業の目的により、許認可が必要な場合や、免許を取得する場合は、目的に合った手続きが必要です。主な許認可の例は以下の通りです。
業種 | 種類 | 申請先 | 受付窓口 |
建設業 | 許可 | 国土交通大臣又は都道府県知事 | 都道府県 |
電気工事業 | 登録 | 経済産業大臣(経済産業局長)又は都道府県知事 | 経済産業省又は都道府県庁 |
医薬品等製造業 | 許可 | 厚生労働大臣 | 都道府県庁 |
酒類販売業 | 免許 | 税務署長 | 税務署 |
美容業 | 届出 | 保健所長 | 保健所 |
宅地建物取引業 | 免許 | 国土交通大臣又は都道府県知事 | 都道府県庁 |
注意しなければいけないのは、個人事業主として許認可があっても、法人化したら取り直しが必要な点です。許認可の取得に必要な書類や申請期限を申請先へ確認し、取得漏れのないように注意しましょう。
法人設立届出書の書き方で迷ったらサン共同税理士法人へ
法人設立届出書に記載する項目は、難しい内容ではありません。しかし、社会保険やその他税金の手続きが必要なうえに、事業の準備をする必要があります。新しく法人を設立するので、ミスなく手続きを進めたいものです。1人で法人を設立する場合、短い期間ですべての作業を並行して行うのは、とても煩雑ではないでしょうか。
法人設立届出書の作成は、サン共同税理士法人へご依頼ください。弊社の強みは、法人設立に関わる豊富なノウハウです。法人設立届出書を作成する工数を削減した分、本業に専念できるので、事業をより早く軌道に乗せることができるでしょう。
さらに、法人を設立した後は、正しい節税の知識や、補助金・助成金のアドバイスが可能です。軌道に乗った事業をより大きくできるようお手伝いします。
法人設立届出書の書き方に関するよくある質問
法人設立届出書の書き方に関するよくある質問に回答します。
- 法人設立届出書とはどんなものですか?
- 法人設立届出書にはどのような記載をする必要がありますか?
気になる疑問から確認してみましょう。
- 法人設立届出書とはどんなものですか?
- 法人設立届出書は、会社が設立したことを国税庁や自治体へ知らせるための書類です。会社の形態を問わず提出しなければなりません。法人設立届出書は、3か所へ提出します。提出先は以下の通りです。
- 納税地の所轄税務署
- 都道府県税事務所
- 市町村
提出先に合わせたフォーマットを使用し、持参・郵送・オンライン申請により申請します。提出に必要な書類は、定款と登記事項証明書です。オンライン申請は、e-Tax及び「法人設立ワンストップサービス」により提出できます。オンライン申請を利用すると、24時間365日いつでも申請可能です。
- 法人設立届出書にはどのような記載をする必要がありますか?
- 法人設立届出書の記載事項は、22項目です。主に以下のようなものがあります。
- 納税地
- 法人名
- 法人番号
- 代表者氏名
- 代表者住所
- 事業の目的(定款などに記載しているもの)
- 事業の目的(現に営んでいるまたは営む予定のもの)
- 支店・出張所・工場など
ほとんどの項目が、定款や登記事項証明書を見ながら記載できます。転記が多いだけに、ミスなく進めるのが理想です。正確にスムーズに進めるのであれば、税理士への依頼をおすすめします。
法人設立届出書の書き方に関するまとめ
法人設立届出書の書き方について解説しました。法人設立届出書は、納税地を管轄する税務署や、自治体へ会社が設立したことを知らせるための書類です。記載する項目は、定款や登記事項証明書から転記する項目が多くあります。会社を設立するときに、概要を決めておけば、法人設立届出書の提出までスムーズに進むでしょう。
会社設立の登記申請が完了したら、法人設立届出書のほかに、社会保険や許認可の手続きが必要です。それぞれの手続きは、提出期限が決められており、最短5日の手続きもあります。そこで、法人設立届出書を始めとする会社の設立に関わる手続きは、専門家へ依頼するのがおすすめです。
サン共同は、会社設立に必要なさまざまな業務をサポートいたします。スムーズな会社設立を実現するうえに、本業に専念することができます。いち早く会社運営を軌道に乗せたい人は、ぜひお気軽にご相談ください。
2008年5月よりデロイト トーマツ税理士法人GES部門に勤務し、海外拠点を多く持つ日本・海外企業に対する国際人事異動に関するアドバイザリー業務などに従事。
2011年11月、ビジネスタックスサービス部門に異動し、約9年間勤務。マネジャーとして国内上場企業や外資系企業の税務コンサルティング業務及び税務コンプライアンス業務、税務顧問及び業務効率化提案などを行ってきた。
2020年12月、約12年間マネジャーとして勤務したデロイト トーマツ税理士法人を退職。
2021年1月にサン共同税理士法人に参画し、同月、横浜オフィス所長に就任。