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起業したいのに躊躇するワケ
2017年12月に公表された日本政策金融公庫総合研究所による「起業と起業意識に関する調査」を基に、「なぜ起業をためらってしまっているのか」を分析していきたいと思います。
「起業と起業意識に関する調査」の結果
(2)起業関心層が起業していない理由
~大きな理由は「自己資金が不足している」「失敗したときのリスクが大きい」~
起業関心層がまだ起業していない理由をみると、「自己資金が不足している」をあげる割合が56.5%と最も高く、「失敗したときのリスクが大きい」 (40.4%)、「ビジネスのアイデアが思いつかない」(35.5%)がそれに次ぐ(図-29)。 |
図-29 まだ起業していない理由(複数回答)
日本政策金融公庫総合研究所の調査によると、起業を躊躇している理由のトップ4は以下になっています。
参照元:日本政策金融公庫総合研究所「起業と起業意識に関する調査」
起業するにはどのような費用が必要になるか
同調査によると、起業に関する費用に関しておよそ半分の層が「ほとんど知らない」と答えています。
起業に関する費用も具体的に知らないけれど「なんとなく、起業にはリスクが高い気がする」と思い込んでいる層が大半であるということがわかります。
参照元:日本政策金融公庫総合研究所「起業と起業意識に関する調査」
起業に対する「悩み」とその対処方法
自己資金は本当に足りないのか?
(2)起業費用とその調達
~約半数が100万円未満で起業し、9割近くが借り入れをしていない~
〇起業費用をみると、「100万円未満」の少額の資金で起業する割合が48.0%を占める(図-27)。
〇起業費用の調達額に対する満足度について、「希望どおり調達できた」をあげる割合は74.1%にのぼり、「少し不足した」(16.6%)、「かなり不足した」(9.3%)を大きく上回る(図-18)。 〇起業費用に占める自己資金割合が100%である割合は70.2%を占める(図-19)。この割合を起業費用別にみると、起業費用が「100万円未満」では90.7%にのぼるが、起業費用が高くなるにつれて低くなる。 〇起業時における金融機関からの借り入れの有無をみると、「借入なし」の割合は87.7%である(図-20)。この割合を起業費用別にみると、起業費用が「100万円未満」では99.3%、同「100万円以上500万円未満」では80.2%、「500万円以上」では27.3%と起業費用が高くなるにつれて低くなる。 |
さらに同調査から、起業資金は100万円未満がおよそ半数を占めていること、起業に関する費用調達に関しては74.1%の層が「希望通り調達できた」と回答していることがわかります。
また、起業資金に関しては87.7%の層が借入金なしで調達していることがわかります。
参照元:日本政策金融公庫総合研究所「起業と起業意識に関する調査」
起業に対して欠けているのは「正しい」知識
上記の調査から、起業に対するメリットやデメリットを理解していない層が半数近くを占めていることがわかります。
起業を躊躇している本当の理由は「起業に関する知識不足である」ことがお分かりいただけると思います。
参照元:日本政策金融公庫総合研究所「起業と起業意識に関する調査」
起業に対する正しい知識を得る方法
見てきたように、起業にネックになっていることは「知識」が不足していることにあることがわかりました。では、どうしたら正しい知識を得ることができるのでしょうか?
➀起業への「近道」は専門家に相談すること
誰しも起業を考える時点で、起業に関しては素人です。
しかし、起業に関しては、経営戦略・税務・法律など多くの事を学ばなければいけません。そして初心者が多くのことを一気に学ぶのは物理的に難しいため、専門家の力を頼ることも一つの方法になるでしょう。
➁起業に関して相談すべき専門家とは?
前述の調査結果から財務・税務・法務など事業の運営に関する知識・ノウハウが不足しているために起業を躊躇している層が多いことがわかっています。こうした知識をトータルで相談する場合、最も適している専門家は税理士ということになります。
税理士というと、確定申告の代行や帳簿つけを行っているイメージが強いかもしれません。しかし、実際の税理士の業務範囲は多岐にわたっています。
税理士の仕事はⅰ税務代理、ⅱ税務書類の作成、ⅲ税務相談が主な業務になっています。特に近年では税務相談に関するニーズが高まっています。なぜなら、税理士は企業会計に精通している存在であるため、個別具体的に企業の状態に見合った改善策や改良点を提示することができる存在であるからです。
事業を成功させていくには、信頼できるパートナーである税理士選びが重要になるということになります。
参照元:国税庁HP「税理士業務」関係
起業の強い味方・税理士を選ぶ2つのポイント
起業に関して知識不足で悩む起業家予備軍が多いことがわかりました。ここでは起業家予備軍が「起業」に踏み切ることができる、信頼できるパートナーである税理士選びのポイントをご紹介していきたいと思います。