目次
1.はじめに
今年の年末調整は昨年と異なり、定額減税を考慮する必要があります。
年末調整の際には、年末調整時点の定額減税の額(以下「年調減税額」といいます。)を算出し、年間の所得税額の計 算を行います。
2.年末調整の際に定額減税の対象となる人
年末調整の対象となる人のうち、給与所得以外の所得を含めた合計所得金額が1,805万円以下と見込まれる人が 対象となります。
ただし、合計所得金額が1,805万円を超える人は、 年調減税額を控除しないで年末調整を行うことになります。 ( 例えば、 給与収入は1,500万円で、不動産収入など他の収入があり、合計所得1,805万円を超える場合が該当)
3.年調減税額の計算
年調減税額は、「本人 30,000円」と「同一生計配偶者と扶養親族1人につき30,000円」 との合計額となります。
年調減税額の計算に当たっては、「扶養控除等(異動)申告書」 や 「配偶者控除等申告書」 などから、 年末調整を行 う時の現況における同一生計配偶者の有無及び扶養親族 (同一生計配偶者及び扶養親族はいずれも居住者に限り ます。)の人数を確認することになります。
なお、同一生計配偶者(居住者に限ります。)を年調減税額の計算に含めるためには、給与所得者が、 「配偶者控除 等申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書」にその配偶者を記載して提出する必要があります。
4.年調減税額の控除
年調減税額の控除は、 住宅借入金等特別控除後の所得税額(年調所得税額)から、 その住宅借入金等特別控除後の 所得税額を限度に行います。
また、年調減税額を控除した金額に102.1%を乗じて復興特別所得税を含めた年調年税額を計算します。
5.源泉徴収票への表示
給与所得の源泉徴収票には、 その摘要欄に、 定額減税に関する事項の記載が必要となります。
令和6年分所得税の定額減税に関する事項を次のように記載してください。
6.Q&A
Q1:12月分給与(または賞与等)で月次減税はされますか?
A1 定額減税が11月までに減税しきれていない場合でも、12月分の計算では月次減税は行われません。
Q2:月次減税では含めた配偶者や扶養親族ですが、所得金額が 48万円超となる見込みの場合、年調減税額の計算に含めますか?
A2 月次減税額の計算に含めた同一生計配偶者又は扶養親族であっても、12月 31日の現況で令和6年分の合計所得金額が 48万円超となる場合には、その配偶者等については年調減税額の計算には含めないこととされています。
Q3:年調減税額が控除しきれなかった場合はどうなりますか?
A3 控除しきれなかった場合、源泉徴収票に年調減税額の控除外額と記載し、2025年1月以降に支給される給与等に係る源泉徴収税額からは控除しません。
7.参考
年調減税事務の詳細については下記をご覧ください。
税理士 ファイナンシャルプランナー
1999年より、宿谷公認会計士事務所に勤務。
2008年、葵税理士法人に入社。
2010年、ベーカーティリージャパン税理士法人に入社。
2016年から、サン共同税理士法人に入社。
2021年より、サン共同社会保険労務士法人 兼務
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