前月のコラムでは年末調整全般の改正点をお知らせしましたが、その後、通勤手当の非課税限度額に関する追加の改正が行われ、令和7 年11 月20 日に施行されました。
今回の改正は、自動車などの交通用具を使用して通勤する給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額を引き上げるものです。
【参考】 国税庁:通勤手当の非課税限度額の改正について
目次
Q&A
Q1. 適用開始日は?
A1. 令和7年4 月以降に支給される通勤手当から適用されます。
※該当は「支給日」基準で判断し、対象月分で判定するものではありません。
Q2. 遡って通勤手当を非課税限度額まで増額支給した場合は、その差額は非課税になりますか。
A2. 差額として追加支給する場合は、改正後の非課税限度額が適用されます。
Q3. 遡って改正後の非課税限度額との差額を追加支給した場合、年末調整で精算は必要ですか。
A3. 追加支給した通勤手当が非課税であれば、年末調整での精算などは必要ありません。
実務上の対応
課税の通勤手当の支給していたケースでは、次の見直しが必要になります。
(1)令和7 年分の年末調整への影響
①改正前の非課税限度額に基づき課税扱いとしていた通勤手当のうち、改正後は非課税となる金額を算出します。
②算出した金額を、本年の給与総額から一括して控除します。
控除後の給与総額を基に年末調整を行います。
(2)源泉徴収票への影響
年の途中で退職し源泉徴収票をすでに交付している場合、非課税となる金額の再計算を行い、源泉徴収票の訂正が必要となる可能性があります。
令和7年12月2日から完全移行!
健康保険証の利用終了
~医療機関の受診時は「マイナ保険証」または「資格確認書」を提示ください~
令和7年12 月1日をもって、従来の健康保険証は使用できなくなりました。
(なお使用できなくなった健康保険証については、ご自身で廃棄してください。)
これに伴い、令和7年12月2 日以降は、医療機関の窓口では、以下(1)(2)のいずれかをご提示ください。
(1) マイナ保険証
・マイナンバーカードに健康保険証としての利用登録が完了している方
⇨医療機関の顔認証付きカードリーダーにかざして利用します。
(2) 資格確認書
・マイナ保険証をお持ちでない方
⇨従来の保険証の代わりに、加入されている健康保険の保険者から交付された証明書です。

資格確認書が交付される方
資格確認書は、以下に該当する方に対し、無償で交付されます。
・マイナンバーカードを取得していない方
・マイナンバーカードを取得しているが、健康保険証利用登録を行っていない方
・マイナンバーカードの電子証明書の有効期限切れの方 など
マイナ保険証の利用開始手順
まだマイナ保険証の利用登録がお済みでない方は、利便性の高いマイナ保険証への切り替えを推奨いたします。
1.マイナンバーカードを申請、作成する
2.マイナンバーカードの健康保険証利用を申請、登録する
3.医療機関、薬局でマイナンバーカードを用いて受付をする
【参考】 厚生労働省:マイナンバーカードの健康保険証利用方法
【参考】 全国健康保険協会:マイナ保険証
税理士 ファイナンシャルプランナー
1999年より、宿谷公認会計士事務所に勤務。
2008年、葵税理士法人に入社。
2010年、ベーカーティリージャパン税理士法人に入社。
2016年から、sankyodo税理士法人に入社。
2021年より、サン共同社会保険労務士法人 兼務
私たちは業界の中でもいち早くペーパーレス化に取り組み、DX化を推進してまいりました。お客様の負担のない程度でこれらを提案し、本業に打ち込めるよう支援させていただきます。また税務会計だけでなく、給与計算等の人事労務面についてもご相談ください。ご相談先がご不明な場合でも、グループ法人や外部の専門家とも連携して業務を進めておりますので、お気軽にお問い合わせください。少しでもお力になれれば幸いです。