近年、副業バイトが多くの人々の間で注目されていることは間違いありません。今の日本は1つの仕事だけで生計を立てるのが困難になってきており、多くの人々が副収入を求めて副業に取り組んでいます。
新型コロナウイルスの影響でテレワークが普及したことも、副業の広がりに一役買っている要素です。
しかし副業バイトには多種多様な形態があり、どれが自分に合っているのか、どのように始めるべきなのかを詳しく知らない人も多いことでしょう。
本記事では、副業バイトに関する疑問を解消するべく、基本的な定義から始めて、おすすめの仕事・メリット・注意すべき点まで、網羅的にかつ詳しく解説していきます。
目次
副業バイトとは?
副業バイトとは、主たる職業以外で行うアルバイトを指します。通常のフルタイムの仕事に加えて、自分の時間を活用して追加の収入を得る形態の1つです。副業バイトには多くの種類が存在し、飲食業や在宅ワーク、イベント系の仕事など多岐にわたります。
広い意味で考えれば、事業所得や雑所得で副業収入を得る形態も副業バイトの範疇です。
事業所得とは、自分自身が事業主となって収入を得る場合が該当します。自分で開いたオンラインショップからの売り上げや、フリーランスとしての業務委託などが当てはまるでしょう。雑所得には、一時的な仕事で得た収入や不労所得などが含まれる場合もあります。
重要なのは、副業バイトで得た収入には税金が関わってくることです。とくに事業所得や雑所得の場合、年間の収入が一定額を超えた際には確定申告が必要となる場合があるので注意しましょう。
副業バイトのおすすめ4選
副業バイトの選択肢は多岐にわたりますが、ここではとくにおすすめなものを以下の4つに絞って紹介します。
- 飲食業
- スーパーやコンビニ
- 在宅可能な事務系
- 単発のイベント系
それぞれに特色があるので、以下の解説を読んで自分にぴったりなものを検討してみましょう。
飲食業
飲食業は、人々が日常的に利用する場所であるため、常に人手が必要とされています。比較的短時間の労働や、土日だけといったフレキシブルな働き方が可能な場合がほとんどです。
飲食業は、接客スキルや調理スキルなど、多くの異なるスキルが身につく仕事といえます。さらには人間関係の構築や、コミュニケーション能力の向上にも役立つことでしょう。
しかし飲食業は体力を要する仕事が多いため、本業との両立や体調管理には注意が必要です。とくに深夜や早朝のシフトがある場合、健康面の影響を十分に考慮する必要があります。
また飲食店は土日や祝日が繁忙期となることが多いので、そのような日に働くことが多くなる点もあらかじめ計算しておくべきでしょう。
スーパーやコンビニ
スーパーやコンビニも、日常生活で頻繁に利用される施設であり、常に多くのスタッフが求められています。ほとんどのスーパーやコンビニでシフト制を採用しているため、自分の都合に合わせて働くことが可能です。仕事内容としては、商品の陳列やレジ業務、清掃などがあります。
スーパーやコンビニは、比較的短時間での勤務が可能な場合が多いため、本業や学業との両立をしたい人にはとくにおすすめです。しかし、覚えることが多く、慣れるまでに時間がかかることが難点といえます。お客様のクレームに対応しなければならないこともあるため、注意が必要です。
在宅可能な事務系
在宅での事務作業も副業バイトの一種として人気があります。たとえばデータ入力、Webライティング、プログラミングなどです。
在宅ワークの最大の利点は、通勤が不要であり、自分のペースで作業できることでしょう。スキルに応じて報酬が決まる場合が多く、スキルを高めることで高収入を得られます。
ただしスキルだけではなく、クライアントとのコミュニケーション能力なども重要です。在宅ワークでは対面のコミュニケーションが少ないため、電子メールやチャットツールでの明確なコミュニケーションがほぼ必須となります。
在宅可能な事務系の副業バイトは、自分のスケジュールに自由度が欲しい人や、特定のスキルを活かして収入を得たい人におすすめです。ただし自己管理能力が必要とされる職種でもあるので、その点を考慮して選ぶようにしましょう。
単発のイベント系
単発イベント系の副業バイトは、その名の通り、1回限りまたは短期間のイベントで働く形態を指します。具体的には、イベントスタッフ、試験監督、展示会スタッフなどです。日給制である場合が多く、短期間でまとまった収入を得ることが期待できるでしょう。
イベント系の副業の魅力は、多くの場合において特別なスキルや経験が不要なことです。本業や学業との兼ね合いで長期的な副業が難しいと感じている人にとっては、大きなメリットとなるでしょう。多様なイベントに関わることで、新しい人々との出会いや、楽しい経験を積めるのも注目すべきポイントです。
しかし、単発のイベント系副業には注意点もあります。たとえば仕事が不定期であるため、安定した収入を期待するのは難しいでしょう。イベント自体が週末や祝日に集中する場合が多いため、本業やプライベートの調整が難しいこともあるかもしれません。
アルバイトを探す4つの方法
アルバイトを探す方法としては、主に以下の4つが挙げられます。
- 求人サイト
- クラウドソーシングサイト
- 知人経由やSNS
- 専門サイト
それぞれに使いやすさと使いにくさがあるので、以下の解説を読んで適切な使い分けができるようになっておきましょう。
求人サイト
求人サイトは、多くの人が最初にアルバイトを探す際に利用するプラットフォームです。数多くの求人情報が一堂に集まっており、特定の地域や教授、条件などで検索をかけられます。
求人サイトのメリットは、便利さと情報量です。手軽に多くの求人情報を比較検討でき、希望に合った仕事を短時間で見つけられる可能性が高いといえます。
求人サイトには、大手から地域密着型までさまざまな仕事が掲載されており、評価や口コミも確認できるのがメリットです。企業の評判や働きやすさなどを事前にチェックできます。
しかし求人サイトは競争も激しく、人気の職種や地域では応募者が多くなるかもしれません。気になる求人があれば、迅速な行動をするべきでしょう。また情報が多すぎるというデメリットもあり、目的にあった求人を見つけるには効率的な検索スキルが必要になることもあります。
クラウドソーシングサイト
クラウドソーシングサイトは、フリーランスや個人事業主、副業として働きたい人達がスキルや時間を提供し、それに見合った報酬を得られるプラットフォームです。
クラウドソーシングサイトのメリットは、柔軟性と多様性にあります。自宅で作業できる業務が多く、自分のタイムスケジュールに合わせて仕事を選ぶことが可能です。プログラミング・デザイン・ライティング・翻訳など、多様なスキルが求められています。
クラウドソーシングサイトは、自分のスキルを活かして収入を得られるため、専門職やスキルを持っている人にとくにおすすめです。しかしプロジェクトに応募しても採用されない可能性もあり、とくに初心者はスキルと報酬のマッチングに苦労することもあるでしょう。
また、個々のプロジェクトでのコミュニケーションが大切なので、やり取りに費やす時間も考慮する必要があります。
知人経由やSNS
知人経由やSNSでのバイト探しも有効な手段といえます。
メリットは、信頼性と安心感です。すでに働いている友人や知人からの紹介であれば、仕事の環境や条件をある程度確かめられます。SNSでは情報が口コミのように広まっているので、評判のよい場所を容易に特定できるでしょう。
また知人の紹介でバイトに応募した場合、面接などのプロセスがスムーズに進むことも期待できます。もちろんこれはバイト先のスタンスによって変わるものであり、一概に保証されているわけではないので注意しましょう。
知人やSNS経由でのバイト探しは、とくに人間関係を重視する人や、新しい環境に飛び込むのが苦手な人におすすめです。信頼できる情報源から得られる情報は、バイト探しにおいて価値のあるものといえるでしょう。
専門サイト
専門サイトは、特定の業界や職種に焦点を当てた求人情報を提供するWebサイトです。IT業界専門の求人サイトや、飲食業、医療業界など、業界特有のスキルや資格が必要な職種で求人を見つける場合に有効活用できます。
専門サイトの最大のメリットは、特化性です。一般的な求人サイトでは得られない深い情報や、専門的なスキルを活かせる仕事が多く掲載されています。
専門サイトは業界の内情や動向、給与相場なども詳しく解説している場合が多く、仕事選びにおいておおいに参考になるでしょう。自分が求める条件にマッチした副業バイトを効率よく探すことが可能です。
ただし専門的な仕事であるため、必要なスキルや資格が明確にされていることが多く、ハードルは一般的な求人サイトよりも高いと考えるべきでしょう。
副業バイトをする4つのメリット
副業バイトをするメリットとしては、主に以下の4つが挙げられます。
- 収入アップが期待できる
- 新しい知識や技術を習得できる
- 新しい人間関係を構築できる
- 収入の柱を増やすことでリスクヘッジできる
収入アップが期待できる
副業バイトの最も直接的なメリットは、収入が増加する可能性が高い点です。多くの人が副業を始める動機として、月収にプラスアルファを加えたいという回答をするでしょう。
主に週末や夜間などの時間を使って、本業以外で収入を得るのが一般的です。これにより生活の質を向上させたり、貯金を増やしたり、特定の目標に向けて資金を積み立てることが容易になります。
副業による収入は、しばしばフレキシブルです。時間やエネルギーをどれだけ副業に投資するかによって、収入も増減します。本業で得られる収入が一定であっても、副業を通じて収入を調整できる余裕が生まれるのもメリットです。
しかし収入が増えたからといって、すぐに贅沢な生活を始められるわけではありません。増加した収入には税金がかかる場合もあるので、その点も考慮に入れて、収入と支出のバランスをしっかりと管理する必要があります。
新しい知識や技術を習得できる
新しい知識や技術を習得できるのも、副業バイトの大きなメリットの1つといえます。たとえば本業がオフィスワークであれば、副業でプログラミングやデザインを学ぶことが可能です。このようなスキルの習得は将来的なキャリアにおいても非常に有用であり、自身の市場価値を高めるために役立つでしょう。
また副業を通じて多様な業界や職種に触れることで、視野が広がることも期待できます。新しい領域に挑戦することは、単に楽しいだけでなく、自分自身の能力を拡大する貴重な経験です。
副業バイトによって、知識や技術の拡充、そして個々の成長面でも大きなメリットを得られるでしょう。
新しい人間関係を構築できる
新しい人間関係を構築できる可能性が高いことも、副業バイトのメリットです。本業とは異なるフィールドで働くことによって、新しい人々と出会い、交流するチャンスが増えます。ビジネスチャンスを広げるだけでなく、心の広がりや人生の豊かさにもつながるかもしれません。
とくにフリーランスやオンラインでの副業は、地理的な制約を受けずに全国、あるいは世界中の人々と繋がることが可能です。新しい人間関係は、異業種交流や多様な視点の獲得、さらには未来のビジネスパートナーに出会うきっかけにもなり得るでしょう。
副業バイトは単なる収入源である以上に、多くの面で人生にプラスの影響を与える可能性を秘めています。
収入の柱を増やすことでリスクヘッジできる
収入の柱を増やすことで、生活やビジネスにおけるリスクヘッジができるのも、副業のメリットの1つです。
現代社会は不確実性が高く、本業の会社にいつどのようなことが起きるか定かではありません。不確実な状況下で、1つの仕事や収入源に依存するのはとても危険です。
たとえば、本業で何らかのトラブルが起きた場合や、突如としてリストラされる可能性が出てきたとき、副業バイトがあれば影響を少なくできます。また、経済的な自由を求めるのであれば、複数の収入源を持つことはそのための重要なステップといえるでしょう。
副業バイトで得た収入は、投資に回すことも可能です。これにより資産を形成し、将来的な安定を目指すのも1つの人生設計です。
副業バイトを探す際の3つの注意点
副業バイトを探す際の注意点としては、主に以下の3つが挙げられます。
- 本業の会社が副業禁止でないか確認する
- バイトの収入が年間20万円を超えると確定申告が必要になる
- 収入額によらず税金(住民税)は納付しなければならない
いずれも重要なことなので、以下の解説を読んできちんと把握しておきましょう。
本業の会社が副業禁止でないか確認する
副業バイトを始める前に絶対に確認しなければならないのは、本業の職場で副業が許可されているかどうかです。多くの企業は、労働契約書や社内規定のなかで、副業についての規定を明文化しています。しっかりチェックしておきましょう。
どうしても労働契約書や社内規定を確認できない場合や、表現に曖昧な部分がある場合には、採用担当部門や上司と相談することが重要です。万が一、副業が許可されていない状況で副業を始めてしまった場合、解雇されるリスクがあることも頭に入れておかなければいけません。
副業が許可されている場合でも、種類や範囲にはしばしば制限があります。たとえば、同業種での副業は許されていない、直接競合する可能性のある副業は禁止されている、などの規定がある場合も少なくありません。
上記のような条件を見落としてしまうと、あとになって大きな問題が起こる恐れがあるため、計画的に動くことが大切です。
バイトの収入が年間20万円を超えると確定申告が必要になる
副業バイトにおいて、年間の所得が20万円を超えた場合には、確定申告が必要です。確定申告は、所得税法に基づいて行われる手続きであり、通常は翌年の2月16日から3月15日までの間に行います。確定申告が必要になる理由は、副業の収入が所得に加算され、所得税や住民税が増えるからです。
確定申告を怠った場合、あとになって税金の追徴や罰則が課せられる恐れがあります。副業バイトをする場合には、十分に注意しなければならないポイントです。
確定申告は単に義務であるだけでなく、経費を正確に計上することで節税も期待できるものであるため、きちんとした手続きを行うことが推奨されます。
参考:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁
収入額によらず税金(住民税)は納付しなければならない
副業バイトで得た収入に関しては、所得の規模にかかわらず住民税の申告義務と納付義務があります。住民税は所得の大小にかかわらず、基本的には市町村などの自治体に納付する必要があるものです。
住民税を納めることができない、または納める意思がない場合、後に多くの問題が起こりえます。未納が長く続くと、最悪の場合は財産を差し押さえられるなどの法的措置が取られる恐れもあるので注意が必要です。
副業バイトがバレない方法はありますか?
結論からいうと、“絶対に”副業バイトがバレない方法は存在しません。
税金の処理などを、会社に発覚しない形で行うことはできます。しかし、たまたま働いているところを同僚に見られたり、SNSで副業について語っていることが会社に知られたりする可能性まで、完全に消すことはできないからです。
ただし、注意深く行動することでリスクを最小限に抑えることはできます。たとえば、周囲の目に留まりやすい場所での副業は避けたほうがよいでしょう。SNSで副業について語るのも、避けておいたほうが賢明です。とくに本名でSNSを運営している場合には、上司や同僚にたまたま見られてしまう可能性が常にあるため、慎重になる必要があります。
クラウドソーシングサイトを利用する場合にも、注意が必要です。クラウドソーシングサイトにおいては、プロフィールに顔写真や本名を掲載することで、採用されやすくなる傾向があります。しかしこれは個人を特定する格好の材料ともなるため、掲載するか否かは慎重に検討する必要があるでしょう。
副業バイトについてお悩みならサン共同税理士法人へ
副業バイトは多くのメリットをもたらしますが、一方で税金面の課題も存在します。たとえば年間の副業所得が20万円を超えた場合には、確定申告が必要です。また所得税だけでなく住民税も申請・納付しなければならず、一連の作業はそれなりに煩雑なものとなるでしょう。
副業バイトについてお悩みなら、ぜひ当社・サン共同税理士法人までお問い合わせください。
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副業バイトに関するまとめ
副業バイトは多様な形で存在し、それぞれの仕事には一長一短があります。飲食業やスーパー、コンビニエンスストアなどの接客業から、在宅でのデータ入力やWebライティング、プログラミング、単発のイベント系の仕事まで、選択肢はさまざまです。
仕事を探す方法も多く、求人サイトやクラウドソーシングサイト、知人経由やSNS、専門サイトなどを活用できます。
副業バイトによって、収入の増加が期待できることはいうまでもありません。それに加えて、新たな知識やスキルを習得できる機会が生まれることや、新たな人間関係を築けることなども、副業バイトのメリットといえるでしょう。
ただし副業バイトには注意点も多く、本業が悪影響を受けないよう慎重なスケジューリングと計画が不可欠です。また税金についても考えなければいけません。
本記事を参考にして、副業バイトを問題なくこなせる知識とノウハウを身につけておきましょう。