納税は国民の義務であり、ホステスも申告や納税をおこなう義務があります。そこで、自分は確定申告をする必要があるのか、経費についてわからないという方も多くいると思います。この記事では、確定申告や経費についてわからない方向けに解説していきます。
※この記事は、弊社のコンテンツガイドラインに基づき作成されています。
目次
確定申告をする必要があるかどうか
確定申告をしておらず、税務調査で指摘されると罰則金含め様々なペナルティが課せられることになります。そのため、期限通りにきちんと確定申告をおこないましょう。
ホステス専業の個人事業者の場合
所得が48万円以下であれば確定申告の必要はありません。しかし、お店側は年間報酬額が50万円を超えているホステスについては支払調書を提出する義務があるため、税務署側は該当するホステスの報酬を把握しています。該当するホステスが確定申告をしていない場合、税務署から連絡が来ることがあります。
副業でホステスをしている場合
ホステスの所得が20万円以下であれば確定申告の必要はありません。しかし、所得が20万円以下であっても、上記のように年間報酬額が50万円を超えている場合は支払調書にて税務署側が把握をしていることもあり、領収書等は捨てずに保管しておくと安心です。
税務届出について
税金の面で有利な特典を受けることのできる青色申告という制度があります。複式簿記による記帳など条件がありますが、主なメリットは以下の通りです。適用を希望する場合は、開業届と一緒に青色申告承認申請書を税務署に提出しましょう。
青色申告特別控除
10万円もしくは55万円(電子申告または電子帳簿保存を行った場合には65万円)を税金計算の際に所得から控除できます。所得税率を乗じた金額分について納税額が少なくなります。
純損失の特別控除
赤字となった場合、翌年以降最長3年間所得から控除することができます。
青色事業専従者給与の必要経費算入
事前に別途届出が必要となりますが、青色事業専従者である親族に払った給与を必要経費に算入できます。
貸倒引当金の計上
売掛金残高の5.5%を貸倒引当金として費用計上できます。
少額減価償却資産の即時費用化
減価償却資産を取得した場合には、通常は、全額を費用とできず減価償却費として耐用年数にわたって期間配分ことになりますが、全額を費用処理することができます。
会計処理について
ここまでの内容で、確定申告が必要であるか否か判断できましたでしょうか。確定申告の必要がある場合には、ホステスにおける代表的な経費を紹介しますので以下参考にしてください。
必要経費を計上することで、所得を減らし、納税額を減らすことが可能になるので、抑えておきたいポイントです。
- 衣装代
ドレス、着物、スーツ代 - サロン代
仕事用のヘアセット、着付け代 - 旅費交通費
タクシー代、職場までの交通費 - 交際費
ゴルフ代、お客様との食事代、お客様へのお土産代 - 新聞図書費
新聞代、話題作りのための本、ビジネス関連の本
経費に算入できないもの
原則、経費として計上できる費用は、事業に関係するものとなります。経費に算入できないものについて以下で解説していきます。
衣装代について
衣装の購入費用については、お店でのみ着用するドレスや着物であれば事業に関係すると考えられ経費に計上できます。しかし、プライベートでも着られるようなものに関しては経費とすることは難しいでしょう。
ただし、ホステスとしての魅力を高められるものである場合には、事業に関係するものとして一部を経費として認められる可能性もあります。
固定資産について
衣装代や消耗品代などについて、青色申告者の場合は30万円未満であれば年間合計300万
円まで少額減価償却資産の特例を活かして一括で経費にすることができますが、30万円以
上の場合は一旦資産に計上して減価償却費として費用計上していくこととなります。
他にも、10万円以上20万円未満の場合は一括減価償却資産として3年で経費としていく方法もあります。処理方法によっては償却資産税の対象ともなりますので慎重に検討する必要があります。
経費の按分について
例えば通信費の場合、事業用スマートフォンとプライベート用スマートフォンを分けている場合は問題ありませんが、分けていない場合は事業用割合分を経費計上することになります。
しかし、お客様との通話やSNSの更新など、事業のみに関係して利用している場合には全額の費用計上が可能と考えられます。
領収書がない、または紛失した場合
ご祝儀やバス代、または自動販売機での購入など、領収書が発行されない支払いに関しては、出金伝票に残すことで領収書の代わりとします。
発行された領収書を紛失してしまった場合は、可能であれば再発行依頼がベストですが、できない場合は同じく出金伝票に残して保管します。
確定申告で還付金が返ってくることもある
確定申告を行うことで、払い過ぎていた税金が還ってくることがあります。ホステスの報酬からは源泉徴収税が引かれていることが多いためです。
源泉徴収とは、お店が予め報酬から源泉所得税を差し引いている事を言います。しかし、源泉徴収税は控除額の関係で、年度の途中では正確な金額にはなりません。
そのため、一年間で所得税を計算し直すと、税金を納めすぎていることがあります。この場合には、確定申告することで納めすぎた税金が戻ってくるのです。
ただし、お店が源泉徴収をおこなっていない場合には、還付金はありません(原則としては、ホステスに報酬を支払う際には、所得税と復興支援税を源泉徴収しなくてはならない
と決まっています)
ホステスを雇う場合
自分がホステスとして働くのではなく、経営する場合にお店側がどのような点に注意していくべきか以下で解説していきます。
外注か給与か
お店側はホステスの報酬を給与ではなく外注費として計上することで消費税額を抑えることができます。
昔はホステス報酬は外注費処理が一般的でしたが、ホステス報酬は給与に該当すると判断された判決も近年多いので、タイムカード管理の有無や報酬の計算方法などの勤務実態
によって判断します。
源泉徴収の計算方法
源泉徴収すべき所得税は、支払金額から、1人に対し1回支払われる金額について5,000円にその報酬・料金の「計算期間の日数」を乗じて計算した金額を差し引いた残額に10.21
%の税率を乗じて算出します。
税理士に相談することも視野に入れる
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があり、どちらの場合でも期限までに書類を作成して納税することが必要になります。
自分でどうしたらよいのかわからない場合や煩雑な手続きから解放されたい場合には税理士に相談してみることをおすすめします。
ホステスの確定申告に関するよくある質問
ホステスは確定申告する必要はありますか?
確定申告をしておらず、税務調査で指摘されると罰則金含め様々なペナルティが課せられることになります。そのため、期限通りにきちんと確定申告をおこないましょう。
個人事業主の場合の確定申告について教えてください
所得が48万円以下であれば確定申告の必要はありません。しかし、お店側は年間報酬額が50万円を超えているホステスについては支払調書を提出する義務があるため、税務署側は該当するホステスの報酬を把握しています。
副業でホステスをしている場合の確定申告について教えてください
ホステスの所得が20万円以下であれば確定申告の必要はありません。しかし、所得が20万円以下であっても、上記のように年間報酬額が50万円を超えている場合は支払調書にて税務署側が把握をしていることもあり、領収書等は捨てずに保管しておくと安心です。