今日のテーマは「銀行口座開設にあたっての銀行ごとの違いや特徴は?」です。
※この記事は、弊社のコンテンツガイドラインに基づき作成されています。
会社を作ったので銀行口座を開設したいのですが、銀行ってたくさんあって迷ってしまいます。
銀行(金融機関)は大手メガバンクや地方銀行もありますし、地元密着型の信用金庫もあります。最近ではネットバンク専門の専業ネットバンクなどもあり、ずっと付き合っていく銀行選びは大事ですね。
銀行によって違いや特徴ってあるんですか?
店舗の利便性、利用料などのコスト面、創業融資などに違いや特徴がありますのでご自身にあった銀行選びをお勧めします。
銀行の特徴
(1) メガバンク系(メガ系)
最も身近で店舗も多く個人が利用しているケースが多いですが、法人の場合は大手企業でないとなかなか取引が難しい面があります。みずほ銀行は比較的大手の銀行のなかでは口座開設に積極的です。
三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など。
(2) 地銀・信用金庫系(信金系)
地元の中小企業と関係性が強く、中小企業の融資などは積極的ですが、店舗・ATMが少ないという面があります。
横浜銀行、千葉銀行、城南信用金庫、多摩信用金庫、西武信用金庫など。
(3) 専業ネットバンク系(専業系)
店舗はありませんがATMで利用でき、ネットバンク利用料や振込手数料が安く、ネットバンキングが使いやすいです。
ジャパンネット銀行、住信SBI銀行、楽天銀行など。
銀行選びの基準
銀行選びの基準のポイントはいくつかあります。
(1)口座開設のしやすさ
個人で口座を保有している場合、その保有している銀行と同じ店舗だと口座開設の審査が通りやすい、というのはあります。
銀行はマネーロンダリングなどで使われるペーパーカンパニーではなく、ビジネスの実態があるかどうかということを確認してきます。
メガ系・信金系は固定電話がなくても審査は通る可能性がありますが、専業系は固定電話がないと審査が通らないケースがあります。クラウドの電話サービスなどでも構いませんので固定電話の電話番号の取得をお勧めします。
メガ系・専業系はバーチャルオフィスでもレンタルオフィスでも審査は通る可能性がありますが、信金系はバーチャルオフィスでは審査が通らず、レンタルオフィスもかなり厳しく審査される傾向にあります。
メガ系のなかではみずほ銀行が新設法人の口座開設を受け入れてくれやすい印象があります。みずほ銀行は弊社からの紹介も可能です。
(2)店舗・ATMの利用のしやすさ
やはり店舗・ATMの数が多いメガ系が便利です。いつも使っているメガ系の銀行があれば、預金の引出し、振込みなどはメガ系が便利かもしれません。税金の納付も銀行窓口がある方が便利です。
専業系はコンビニのATMで利用できるので、近くにコンビニがあれば専業系も便利です。
信金は店舗・ATMが少ないので不便ではありますが、あまり知られていない「しんきんゼロネットサービス」というものがあり、全国のしんきんATMで入出金手数料無料で現金の引出し、預け入れが可能です。
(3)ネットバンクの利用のしやすさ
ネットバンクの利用については専業系が便利です。メガ系・信金系は前月分以降でないとCSV出力ができないケースもありますが、専業系は過去2年分でもCSV出力が可能なところがあります。
またメガ系・信金系はワンタイムパスワードなどの手続きが必要で手間ですが、専業系はログインIDとパスワードだけで比較的容易に入れます。逆にセキュリティ面を心配される方は専業系は避けた方がよいかもしれません。
また専業系は税務申告書に記載する国指定銀行に認められていない銀行があります。
(4) 振込手数料
こちらも専業系が最安で便利です。注意しなければいけないのがメガ系も個人の場合は無料で利用できますが、法人名義の場合は一気に利用料が高くなります。
(5) ネットバンク利用料(月額利用料)
専業系は毎月のネットバンク利用料が基本無料となりますので非常に便利です。
メガ系は最初の6カ月が無料になるなどのサービスがありますが、月2~3千円の利用料がかかります。クレジット口座開設で利用料無料などのサービスもあるようです。
信金系は月500円以上が多いです。ゆうちょは比較的利用料が安いです。
(6) 融資に強い
地元の中小企業との関係性が強い信金系が有利です。融資を最優先にする場合、信用金庫をメインバンクとして売上の入金や借入金の入金はもちろん、経費や給与の振込も信金口座にすると融資を有利にみてくれます。
メガ系では売上1億円以上くらいの取引がないと融資の話をしてくれませんが、信金であればある程度の入出金取引があると、信金の方から融資の話をしてきてくれることもあります。
日本政策金融公庫で借りたお金を信金に入金するとすごく喜ばれます。日本政策金融公庫は銀行ではないので日本政策金融公庫で口座開設はできません。
ちなみに日本政策金融公庫で借りたお金は専業系に振り込むことができないので、日本政策金融公庫から融資を受ける場合はメガ系か信金系の口座開設が必須となります。
銀行選びのまとめ
会社規模、業種、従業員数、融資の状況などによってメインバンクとすべき口座は変わってきます。たとえば入金は信用もあるのでメガ系とし、出金(経費振込や給与振込)は先方にも残らず手数料も安く便利なので信金系とすることがあります。
売上や給与は経理に知られたくないが経費の振込はお願いしたい場合などは、口座を、売上入金口座、給与振込口座、経費振込口座、の3つに分けることもあります。
どの口座がよいかどうかにつきましては港区起業支援センターの税理士にご相談頂ければと思います。
銀行ごとの違いや特徴に関するよくある質問
メガバンク系の銀行の特徴を教えてください
最も身近で店舗も多く個人が利用しているケースが多いですが、法人の場合は大手企業でないとなかなか取引が難しい面があります。みずほ銀行は比較的大手の銀行のなかでは口座開設に積極的です。
地銀・信用金庫系の銀行の特徴を教えてください
地元の中小企業と関係性が強く、中小企業の融資などは積極的ですが、店舗・ATMが少ないという面があります。
個人で口座を保有している場合は口座開設しやすいですか?
個人で口座を保有している場合、その保有している銀行と同じ店舗だと口座開設の審査が通りやすい、というのはあります。
銀行はマネーロンダリングなどで使われるペーパーカンパニーではなく、ビジネスの実態があるかどうかということを確認してきます。
漫画
2006年 税理士法人トーマツ(現デロイトトーマツ税理士法人)入社
2016年 サン共同税理士法人に代表社員として参画
今日、経営環境は不断に変化し、それに対応して税制・会計基準も複雑化してきております。そのため、そうした動向を絶えずキャッチアップし続け、お客様に常に最高水準のサービスを提供するスペシャリストであり続けたいと願いそれを実行し続けていることを自負しております。上場企業をはじめとしたクライアント様の要求水準は高くなる一方ですが、圧倒的に信頼されるスペシャリストとして、深い知的研鑽を積み、専門的な実務経験に裏打ちされた顧客本位のサービスをご提供し続けることを信念に、邁進して参りたいと思っております。