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会社員が個人事業主として副業する注意点は?仕事を掛け持ちするコツも解説

会社員が個人事業主として副業する注意点は?仕事を掛け持ちするコツも解説

基本的に会社員は個人事業主として副業ができますが、どういったメリットがあるのか、開業届は必要なのかと不安になりますよね。具体的なメリットやデメリットを知らないと、個人事業主になって後悔する可能性もあります。

会社員をしながら個人事業主として働くには、副業するメリットやデメリットを把握する必要があります。

そこで今回は、会社員をしながら個人事業主として副業するメリットやデメリット、注意点などをわかりやすく解説します。仕事を掛け持ちするコツも解説するので、副業に興味を持つ方は、ぜひ参考にしてください。

また、副業で一定の所得を得ると確定申告が必要になります。確定申告に困ったら、税理士に相談しましょう。サン共同税理士法人では、税理士顧問サービスを提供しています。メールや電話で無料相談を受け付けているので、まずはお気軽にご相談ください。

会社員をしながら個人事業主として副業するメリット

会社員をしながら個人事業主として副業するメリット

会社員をしながら個人事業主として副業するには、主に上記のメリットがあると考えられます。

特に収入を増やしたい方は具体的なメリットを理解し、副業にチャレンジするヒントにしてください。ここでは、会社員をしながら個人事業主として副業するメリットを解説します。

 

収入が増える

会社員という本業がありつつ、個人事業主として副業すると収入増加が見込めます。確かに、昇給や転職で収入アップを目指すことは可能です。

しかし、給与には会社の業績が影響するため、すぐに大幅に収入を上げることは難しいでしょう。個人事業主として副業するなら、自分の得意分野で働けるため、収入を増やせる可能性があります。自分の頑張り次第で高単価の案件に出会え、継続して高い副収入を得られるでしょう。

 

独立や起業に繋げることができる

いずれ自分の力で仕事をしたいと考えている方は、副業で個人事業主として働くと予行練習になるでしょう。個人事業主は、仕事に関するすべてを自分で行わなくてはいけません。

会社員であれば資金調達の方法や収支の管理なども、一人で行います。憧れだけでは個人事業主として独立できないので、まずは副業から始めてみるというのはいい方法です。

会社員としての収入はそのまま得ながら、副業で個人事業主として経験も積めます。業務に慣れてきた際、自分一人でもやって行ける自信が持てた際に、専業に切り替えるのも1つの方法です。

 

自分の好きなことを仕事に出来る可能性がある

個人事業主として働く場合は、自分が得意とする業種や憧れを抱いている業種を仕事にできる可能性があります。

好きなことで収入を得られると、ストレスなく仕事に向き合えるでしょう。仕事上で多くのストレスを抱えている方や悩みがある方は、副業にチャレンジすると気持ちのモヤが晴れる場合が多いです。個人事業主の副業は、自分の視野や可能性を広げるきっかけにもなり得ます。

 

会社員をしながら個人事業主として副業するデメリット

会社員をしながら個人事業主として副業するデメリット

会社員をしながら個人事業主として副業するには、主に上記のデメリットがあると考えられます。

特に本業への影響や自分の休みがなくなるのは、仕事のモチベーション低下に繋がるでしょう。デメリットを理解してから、どんな副業をするか決めるといいです。

 

本業に支障をきたす恐れがある

個人事業主として副業すると、労働時間が増加するため、本業へ悪影響が出る恐れがあります。順調に副業をこなしていけば、仕事が増える可能性が高いです。

今までなら休日はリラックスした時間を過ごしていた方も、ずっと仕事をしていれば休息はとれません。十分に休む時間がとれないと、突然体調を崩す場合もあります。

 

初期投資が必要な場合がある

副業として始める際、業種によっては初期投資をしなくてはいけないケースがあります。WEB関係の副業をするならパソコン、ハンドメイド品販売の副業なら材料費などが必要でしょう。

多額の初期投資をすると、失敗した場合の負担が大きいです。まずは、初期投資不要もしくは少額の副業をしてみるといいでしょう。

 

会社員の副業に開業届けは必要?

個人事業主として働くなら、開業届が必要だとイメージされます。しかし、会社員の副業では必ずしも個人事業主になる必要はありません。

 

そもそも「開業届」とは

開業届は、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」と呼ばれるものです。通常、事業をスタートした日から1ヶ月以内に税務署へ提出する必要があります。開業届はe-Taxソフトで届出書を作成し、オンライン上で提出ができます。

しかし、会社員の副業の場合は必ずしも開業届けを出す必要はありません。国税庁のホームページでは、事業について以下のように定義しています。

「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡、資産の貸付けおよび役務の提供を反復、継続、かつ、独立して行うことをいいます。

参考:No.6109 事業者が事業として行うものとは|国税庁

自分の副業が上記に該当する場合は、開業届を提出しましょう。また、開業届の提出にはメリットとデメリットがあります。

 

開業届を提出するメリット

開業届を提出すると、主に以下のメリットがあると考えられます。

  • 経費の範囲が広い
  • 節税できる
  • 損失の繰越が可能

個人事業主のため、業務に関連することでお金を使った場合は経費として差し引き可能です。税金は収入から経費を引いた所得に対してかかるため、節税効果が見込めます。

また、個人事業主として事前に青色申告を申請しておくと、最大65万円の特別控除を受けられます。白色申告を選んでも、10万円の特別控除が受けられるため、メリットとして挙げられるでしょう。

さらに、青色申告を利用すると事業の赤字は翌年から最長3年まで繰り越しができます。個人事業主は、開業してから数年は赤字が出る可能性があるため、繰越できるのは大きなメリットです。

参考:青色申告特別控除|国税庁

 

開業届を提出するデメリット

開業届を提出すると、主に以下のデメリットがあると考えられます。

  • 失業手当が受けられない
  • 確定申告の手間がかかる

本業で会社員をしていても、副業をしていると失業手当が受けられない可能性があります。失業手当は失業している方が対象のため、個人事業主として副業していた場合、失業状態と認めてもらえないケースも多いです。

また、初めて確定申告をする方は書類の作成に戸惑う方が多いです。慣れないうちはかなりの時間を要するでしょう。確定申告ソフトを入れる、税理士に依頼するなどすると、スムーズに確定申告を済ませることができます。

 

個人事業主として副業をする際の注意点

メリットとデメリットを踏まえたうえで、副業をスタートさせても思わぬトラブルが起きる可能性もあります。ここでは個人事業主として副業をする際の注意点を3つ解説します。

  • 会社が副業を禁止していないか確認する
  • 情報漏洩に注意する
  • 所得が年間20万円を越えたら確定申告をする必要がある

会社が副業を禁止していないか確認する

会社によっては副業ができないところもあります。就業規則を見て、副業が禁止されていないかを確認してください。また、公務員は法律で副業が禁止されています。

厚生労働省が作成した「副業・兼業の促進に関するガイドライン 」では、副業を認めており、社会全体で推進する流れを求めています。一方で、労働時間の管理が難しいなどの理由で、副業禁止としている会社もまだ多いです。副業禁止の会社で黙って副業をすると、懲戒処分の対象になる可能性があります。

また、会社によっては、可能な副業を細かく規定している可能性があります。副業を始めるときは、事前に上司に相談しておくと安心です。

参考:副業・兼業の促進に関するガイドライン|厚生労働省

 

情報漏洩に注意する

会社員として本業がある以上、情報漏洩には注意しなくてはいけません。本業のノウハウを伝えてしまうこと、他社の情報を流してしまうことなどは絶対に避けましょう。

故意ではなかったとしても、思わず他者へ顧客の話をするだけでも情報漏洩に該当します。直接の会話ではなくとも、SNSで副業に関する詳細な内容を公開するなどもできません。

こうした情報漏洩を防ぐためには、本業と同じ業種で副業をしない、副業に関する発信はしないなどを意識してください。

 

所得が年間20万円を超えたら確定申告をする必要がある

会社員としての給与所得のほかに、副業所得が年間20万円を超える場合、確定申告をする必要があります。所得金額の考え方は、以下の計算で出しましょう。単純な収入ではなく、必要経費を差し引いた額が所得です。

所得金額=収入ー必要経

会社員の場合は勤務先が年末調整を行い、源泉徴収票が交付されますが、副業による所得は別です。自分で管轄する税務署に、所得税の確定申告を行わなくてはいけません。

なお、所得金額が20万円以下であれば、確定申告の必要はありませんが、住民税の申告は必要です。忘れずに申告しておきましょう。

参考:給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁

 

副業で確定申告をする手順

確定申告は以下の4つの手順を踏みます。

  1. 確定申告に必要な書類を揃える
  2. 所得税を計算する
  3. 確定申告書を記入する
  4. 確定申告書を提出する

確定申告に必要な書類を揃える

確定申告に必要な書類は、以下のとおりです。

【提出する必要がある書類】

  • 確定申告書
  • 青色申告決算書(青色申告の際に必要)
  • 収支内訳書(白色申告の際に必要)

【自分で用意する書類】

  • 口座情報が分かるもの
  • 取引関係書類など所得を明らかにできるもの
  • 本人確認書類
  • 源泉徴収票

確定申告書は、国税庁の公式HPからダウンロードできます。e-Tax利用の場合は「確定申告書等作成コーナー」でも作成ができ、マイナンバー登録で途中保存が可能です。

また、以下の控除は年末調整が受けられません。該当する場合は、控除に関する証明書類を用意して申告しましょう。

  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 寄附金控除
  • 住宅借入金等特別控除(1年目の場合に必要)

所得税を計算する

所得税を計算するためには、年間所得金額の算出が必要です。課税対象の額を所得税率に掛けて計算します。所得金額は、収入から必要経費を差し引いたもので、すぐに算出可能です。

所得税額=課税される所得金額×所得税の税率

課税所得の額に応じ、控除額が決まるため、控除額の差し引きも忘れないでください。所得税の税率は、以下のように定められています。

課税される所得金額 税率 控除額
1,000〜1,949,000円まで 5%

0円

1,950,000〜3,299,000円まで 10%

97,500円

3,300,000〜6,949,000円まで 20%

427,500円

6,950,000〜8,999,000円まで 23%

636,000円

9,000,000〜17,999,000円まで 33%

1,536,000円

18,000,000〜39,999,000円まで 40%

2,796,000円

40,000,000円以上 45%

4,796,000円

引用:No.2260 所得税の税率|国税庁

慣れないうちは難しく感じますが、何度も申告していくうちに分かるようになります。計算が難しく感じる場合は、確定申告ソフトを使うのがおすすめです。自動でソフトが計算してくれるため、ミスを防げます。

 

確定申告書を記入する

確定申告書の作成準備ができたら、記入をしていきます。確定申告書の作成は、手書きのほか確定申告ソフトや国税庁の「確定申告等作成コーナー」を活用してください。

収入や必要経費の内訳を示すために、青色申告事業者は「青色申告決算書」を添付します。白色申告事業者は「収支内訳書」の添付が必要のため、事前準備をしておくといいです。

確定申告書の収入金額や所得金額等の欄は、青色申告決算書または収支内訳書と一致させてください。

 

確定申告書を提出する

確定申告書の記入が完了したら、提出します。提出方法は、大きく分けて以下の3つの方法があります。

  • e-Tax
  • 郵送
  • 税務署へ持ち込み

自宅にいながら確定申告書を提出できるのはe-Taxで、インターネット等を利用して電子的に確定申告ができます。利用するにはマイナンバーカードの登録が必要です。

また、所轄の税務署に郵送したり、持ち込みをしたりして提出することも可能です。郵送の場合は、納税地を管轄している税務署に送ります。

持ち込みの場合も、管轄している税務署に持参します。開庁時間内であれば問題なく提出できますが、確定申告の時期は混み合うため、時間に余裕を持って行くようにしましょう。

 

副業に関するよくある質問

会社員が副業をする際のよくある質問に回答します。副業を始める際、周りに言わずにスタートさせる方もいるため、気軽に副業について質問ができないケースも多いです。

気になることをそのままにして副業を始めても、なかなか軌道には乗りません。思わぬトラブルに発展する可能性もあるため、よくある質問の回答を確認し、副業に活かしてください。

確定申告をすると会社に副業していることがバレる?
確定申告をするだけでは、会社に副業はバレません。確定申告が直接の原因ではなく、住民税決定通知書が届いたときにバレます。

住民税は前年の所得金額によって決定し、会社へ書類が届きます。給与の変動がないにもかかわらず、住民税額が上がった場合に会社から副業を疑われるでしょう。

会社にバレたくない場合は、確定申告をする際に「自分で納付」を選択してください。これは「普通徴収」と呼ばれる方法です。選択すると自宅に納付書が届きます。住民税の普通徴収は、クレジットカードや口座引き落としなどで払います。

会社員におすすめの副業は?
副業を始めるのなら、以下の初期投資が少ないものがおすすめです。

  • Webライティング
  • Webデザイン
  • プログラミング

インターネット環境が整っていればできる仕事のため、会社員でも気軽に始められます。初期投資も少なく済み、楽しみながら副業ができるでしょう。

副業の確定申告で困ったらサン共同税理士法人にご相談を

会社員が個人事業主として副業をするメリットやデメリット、副業の注意点などを解説しました。収入が増える、起業に役立つなどのメリットはありますが、一方で失業手当がもらえない可能性があるなどのデメリットもあります。

また、確定申告は慣れていないと疑問点も多く、予想よりも時間と手間が発生する可能性があります。スムーズな確定申告をするなら、税理士に相談しましょう。

サン共同税理士法人では、税理士顧問サービスを提供しています。メールや電話で無料相談を受け付けているので、まずはお気軽にご相談ください。

近藤 昴
このコラムを監修した税理士
近藤 昴サン共同税理士法人・横浜オフィス所長
東京地方税理士会 税理士登録:2013年 税理士登録番号:123285
2008年5月よりデロイト トーマツ税理士法人GES部門に勤務し、海外拠点を多く持つ日本・海外企業に対する国際人事異動に関するアドバイザリー業務などに従事。
2011年11月、ビジネスタックスサービス部門に異動し、約9年間勤務。マネジャーとして国内上場企業や外資系企業の税務コンサルティング業務及び税務コンプライアンス業務、税務顧問及び業務効率化提案などを行ってきた。
2020年12月、約12年間マネジャーとして勤務したデロイト トーマツ税理士法人を退職。
2021年1月にサン共同税理士法人に参画し、同月、横浜オフィス所長に就任。
>>プロフィールの詳細はこちら
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