資本性ローンの概要
日本政策金融公庫は 「挑戦支援資本強化特別貸付 (資本性ローン)」の取扱いを継続しています。 資本性ローンは「 借入期間中の元金の返済が不要」であることや 「借入が金融機関の資産査定上、 自己資本としてみなされる」 等の多 くのメリットを有した融資制度になっています。 なお、資本性ローンには「新型コロナ対策資本性劣後ローン」 があり ますが、今回は表題の制度の概要やメリット・デメリットについて解説していきます。
メリット
①期日一括返済であり、 借入期間を長期に亘って設定できるので資金繰りが安定する
通常の借入では毎月での分割返済になりますが、資本性ローンは期日での一括返済であり、その間は元金の返済が 発生いたしません。また、借入期間は5年1ヶ月、7年、10年、20年のいずれかの期間で設定することが可能なので、事 業の維持・拡大に向けて集中して資金を投入することができます。
②資本性ローンでの借入金は、金融機関の審査での資産査定上で自己資本としてみなされる
金融機関からの借入は短期もしくは長期借入金として決算書上では債務として計上されます。多額の借入残高を有しており、それを上回る資産が無い場合には債務超過状態になってしまいます。 しかし、資本性ローンでの借入残高は 自己資本 (純資産) としてみなされるため、資金を調達するだけではなく財務内容の改善にも繋がり、次の資金調達に おいても有利に働くことがあります。
③自己資本としてみなされるが、持株比率への影響はない
金融機関での査定上、資本性ローンは自己資本としてみなされると上述しましたが、あくまでも借入金という性質は 変わらないことから持株比率への影響はありません。
④業績が芳しくないときは金利負担が少なくなる
税引後当期純利益額が0円未満の場合は、年利率は0.50%と低金利になります。借入時の業績が低迷している場合 には金利負担を気にせず資金調達が可能です。
⑤無担保・無保証人で利用が可能
担保や連帯保証人をつけずに融資を受けられるので、万が一の際のリスクを考慮せずに資金繰りの改善を図ることができます。
上記のようにメリットを多数有している制度ですが、その一方で下記のようなデメリットもあります。
デメリット
申込要件
01 地域経済活性化にかかる事業を行うこと |
02 税務申告を1期以上行っている場合、原則として所得税を完納していること。 |