(起業八王子支援センターはサン共同税理士法人・サン共同社会保険労務士法人の八王子オフィスのスタートアップ部門が中心となった税理士・社会保険労務士・司法書士メンバーで運営しています。)今日のテーマは、起業するなら知っておきたい定款とその内容についてです。起業をする場合は、会社の基本的なルールを定めなくてはなりません。その他企業のためにはいくつかの手続きや費用なども必要となってきます。そこで今回は、主に株式会社の会社設立に関して「定款作成」に着目していきます。定款は自分で作成することもできますが専門家の利用をするケースも多いです。
八王子起業支援センターでも創業支援から経営拡大支援と広くサポートしています。定款作成から設立にかかる費用を抑えることも可能ですので、気になる点があれば一度ご相談いただければと思います。
※この記事は、弊社のコンテンツガイドラインに基づき作成されています。
目次
定款とは?
まず「定款」について簡単に説明していきます。
定款とは、会社の根本となる基礎的なルールをまとめたもので起業時には必ず必要となります。
ここで定めた内容は単なる努力目標としてではなく、拘束力あるものとして機能します。そのためよく考えて作成しなくてはなりませんが、内容を自由に設定できるわけではありません。
記載のない事項・・・基本的に会社法に則って効力が生じる
特別に認められている事項・・・定款の定めによって効力が発揮される
とされます。 例えば株主総会では決議要件が会社法によって定められていますが、場合によっては緩和することもできます。結果として定款が会社の意思決定に影響してきます。 この他にも多くの事項について設定することができますが、ここでは企業が一般的に関与することの多い事項について押さえていきます。
定款作成の流れと記載事項について
定款作成にかかる手続きの流れや、記載事項などについて見ていきましょう。
■おおまかな流れ
まずは発起人を決定します。
発起人が中心となって会社の目的や社名などを決めていき、実際の定款作成に取り掛かります。
最初に作成した定款(原始定款)は公証人による認証後、会社に常に備え置くことになります。これは株主や会社債権者の要求に応じ、定款を閲覧・謄写に供す必要があるからです。
■定款の記載事項
定款の記載事項は「絶対的記載事項」と「相対的記載事項」、「任意的記載事項」に分類することができます。絶対的記載事項に該当するのは以下の内容です。
1.目的
2.商号
3.本店の所在地
4.設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
5.発起人の氏名又は名称及び住所
6.発行可能株式総数
絶対的記載事項は記載がなければ定款はそれ自体が無効となるという特徴があります。定款作成をするにあたり必ず記載しましょう。
相対的記載事項とは、記載することでその内容について効力が発揮される事項です。
任意的記載事項では記載がなくても効力が期待されますが、ルールの明確化や変更に際して手続きを要するようにできる効果があります。どちらも無記載によって定款そのものが無効になることはありませんが、定めておいたほうが都合の良い内容も多いのでよく確認しておきましょう。
■定款で決定できる事例
・株式の譲渡制限 ・・・定款の定めによって公開会社かどうか決めることができます。
公開会社とはつまり株式の譲渡について会社の承認を必要としない会社のことです。これに対して非公開会社は全部の株式について譲渡の制限を設けている会社です。
比較的規模が小さく少人数で運営していく場合には、信頼関係にある人のみ株主とできるよう定款で株式譲渡の制限を定めると良いでしょう。
・株主総会の招集について・・・会社の万能機関として意思決定も行える株主総会ですが、原則開催までに期間を要します。
招集の通知を2週間前までにしなければなりません。しかしこれを定款の定めで短縮できる場合があります。
非公開会社であればこの期間を1週間に短縮、さらに取締役会を設置していなければ前日の通知を認めさせることも可能です。
また、招集地についても定めるケースがあります。会社法では開催の場所について規定がないため、株主からの招集請求で場所を指定されてしまうことも考えられます。そこであらかじめ一定の場所を定款で定めておくのです。
・株式の売渡請求・・・ 非公開会社は部外者が経営に口出しできないよう株式の譲渡を制限しています。
しかし株主に相続が発生すると、これまで関りのなかった相続人が株主となる可能性が出てきます。この状況を避けるため、定款の定めによって、相続や一般継承による株式の取得者に対し一方的に売渡しを請求することが可能となります。
・その他記載することの多い事項・・・ 上で紹介した内容以外でよく定款に記載されている事項として、役員の員数や営業年度、発起人が引き受けた株式数などが挙げられます。
定款作成を効率的に進めるには、全ての事項について考察していると時間も労力も必要以上にかかってしまいます。そこで効率的な定款作成の方法として2つ紹介します。
1つは雛形を使うことです。インターネットで定款について調べると雛形を見つけることができます。この雛形に穴埋め式で記載、そして必要であれば追加事項を記載していくことで素早く作成ができます。
2つ目の方法は専門家を利用することです。ミスを防ぐことや、自分では発想し得なかった提案などをしてくれるかもしれません。
専門家を利用する際は八王子起業支援センターでも創業支援から経営拡大支援と広くサポートしています。定款作成から設立にかかる費用を抑えることも可能ですので、気になる点があれば一度ご相談いただければと思います。
定款作成をする際の事項注意点
絶対的記載事項について
「目的」は限定しすぎないよう書きましょう。
項目をいくつか付け足し、最終的に「前各号に附帯又は関連する一切の事業」のように記載しておくと良いでしょう。のちにこの範囲外の業務について行うようになれば定款変更の手続きを始めなければなりません。
「商号」は他社と誤認されるような名称は避け、混乱のないようにしましょう。発起人の氏名や住所については特に注意が必要です。印鑑証明書などと差異がないように一言一句正しく記述しましょう。
定款の変更をするには
起業時に定めた定款の内容はのちに変更をすることもできます。
しかし定款変更には原則株主総会の特別決議を要し、必要に応じて登記や税務署への届出をする手間なども出てきます。さらに全部の株式について譲渡制限を設ける場合や、株主ごとに異なる扱いを行う旨の定めを設ける場合には特別決議よりも厳しい要件で決議を行います。
特別決議では定足数の軽減ができたのに対して、この場合では要件を加重する変更しかできないという違いもありますので気をつけましょう。
定款の内容は会社にとって非常に重要なものです。
この定めによって発生し得るリスクを管理することにも繋がります。起業をする際にはよく考えて作成するようにし、不安であれば八王子起業支援センターへお問い合わせいただければと思います。
当事務所でも起業に関わる多くのサポートをしており、【行政書士による定款作成】【少ない費用での会社設立】など、安心して依頼ができるようになっています。
八王子起業支援センターでは東京都での起業・創業を支援をはじめ会社設立・創業融資・助成金など、起業のスタートアップをしっかりサポートさせていただきます。
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相談や質問がございましたら、お気軽にお問合せ下さい。
定款に関するよくある質問
定款とは?
定款とは、会社の根本となる基礎的なルールをまとめたもので起業時には必ず必要となります。
定款で決定できること
定款で決定できることは以下になります。
- 株式の譲渡権限
- 株主総会の招集について
- 株式の売渡請求
- 役員の員数
- 営業年度
- 発起人が引き受けた株式数
定款の変更をするには
定款変更には、原則株主総会の特別決議を要し、必要に応じて登記や税務署への届出をする必要があります。
漫画
2006年 税理士法人トーマツ(現デロイトトーマツ税理士法人)入社
2016年 サン共同税理士法人に代表社員として参画
今日、経営環境は不断に変化し、それに対応して税制・会計基準も複雑化してきております。そのため、そうした動向を絶えずキャッチアップし続け、お客様に常に最高水準のサービスを提供するスペシャリストであり続けたいと願いそれを実行し続けていることを自負しております。上場企業をはじめとしたクライアント様の要求水準は高くなる一方ですが、圧倒的に信頼されるスペシャリストとして、深い知的研鑽を積み、専門的な実務経験に裏打ちされた顧客本位のサービスをご提供し続けることを信念に、邁進して参りたいと思っております。