融資獲得成功のための創業計画書(日本政策金融公庫)作成のポイント

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今日のテーマは、「創業計画書(日本政策金融公庫)」です。

 

創業計画書は誰のために何の目的で作成するのでしょうか?「金融機関からの創業融資、すなわちお金を借りるため?」、部分的には正解ですが、本質的は違います。創業計画書は、自分のために作成し、自分の本気度を確認する目的で作成します。創業に対する熱い思いが、創業を成功に導くために、繰り返し自問自答しながら計画に落とし込んでいくことが創業計画の本質です。自分自身が納得しなければ、家族など個人的なパートナーや金融機関など事業上のパートナーを説得することはできません。

今回は、日本政策金融公庫から創業融資を受ける際に作成する創業計画書に基づいて、創業計画を作成する際のポイントについてご紹介します。

 

目次

1.創業融資になぜ創業計画が必要か?

2.創業融資の審査の視店

3.創業計画書の項目

4.項目ごとのポイント

5.最後に

 

創業融資になぜ創業計画が必要か?

通常、金融機関は、財務諸表に表された企業の実績に基づいて貸出可否の判断をします。創業期には、事業の実績や会社の信用もありません。そのため、創業計画で、事業が成功する見通しがあり、きちんと返済ができることを説明・説得しなければなりません。

 

創業融資の審査の視点

創業融資の審査の視点は、次の3点となっています。この視点を押さえた創業計画書作りが求められます。

  • 事業を成功するための充分な経験があるか
  • 創業に向け本気で取り組んでいるか
  • 実現可能な数値計画となっているか

 

創業計画書の項目

日本政策金融公庫の創業計画書は、次の8つの項目で構成されています。項目ごとに、上記審査の視点を意識して、創業計画書を作成していく必要があります。

  • 創業の動機
  • 経営者の略歴等
  • 取扱商品・サービス
  • 取引先・取引関係等
  • 従業員
  • お借入の状況
  • 必要な資金と調達方法
  • 事業の見通し

 

項目ごとのポイント

融資獲得に向けて、説得性のある充実した創業計画を作成するための、項目ごとに記載する内容は下記のとおりです。記載欄が少ないため、必要に応じ別紙で記載することも重要です。

 

創業の動機

 

創業への熱い想いや本気度を記載します。事業を行うことへの熱意も当然ですが、家族など周囲の理解や支援があることも重要です。

また、売上や収益面だけでなく、自己実現や社会貢献など創業することで、実現したいことを経営理念・方針によって積極的にピーアルしましょう。

 

経営者の略歴等

 

審査のうえでとても重要となるポイントです。審査員の印象としては、創業する分野での事業経験があることは、成功確率が高いということの安心材料となります。言い換えれば、事業経験のない分野での創業は、NGといっても過言ではありません。

審査員は、売上や原価、利益など数値計画を重要な項目としています。充分な事業経験があれば、数値計画に客観性・実現性があると判断されます。

そのため、経験した業務領域、年数及び実績などはきちんと記載するようにしましょう。また、自治体などが開催する創業塾などへの参加がある場合、経営者に必要な知見の習得に前向きであると評価されますので、創業に向けた自己研鑚の取組も記載しましょう。

 

取扱商品・サービス

‘誰に’‘何を’‘どのように’を具体的に記載していく項目であり、創業の成功可能性が判断されるとても重要な項目です。

創業後に行う事業について、誰に対して、どのような商品・サービスを提供するのか、どのように集客を行っていくか等を具体的に記載しましょう。

 

誰に

まず、自分の顧客ターゲットを明らかにしましょう。例えば、同じ喫茶店を開業するとしても、駅前と住宅地では、‘何を’‘どのように’が変わってきます。市場規模や競合の有無もきちんと把握しましょう。地図ソフトを使った商圏分析や競合分析など図表を活用した添付資料を作成するのも有効です。

 

何を

例えば、駅前喫茶店はお客の回転率を上げるために、ドリンク、軽食が中心でセルフサービスとなるでしょう。住宅地の喫茶店では、客単価を上げるためにこだわりのあるメニューやフレンドリーな接客サービスとなります。標的顧客や立地条件などによって提供する商品やサービスは変わってきます。競合ではなく、自社がお客様の支持をもらえる魅力を記載しましょう。‘

 

どのように

駅前喫茶店であれば看板、住宅地喫茶店であれば、口コミやHPなど集客の方法は様々です。新規顧客開拓やリピートしてもらうための施策などを具体的に記載しましょう。

 

取引先・取引関係等

顧客や仕入れ先に係る事項を具体的に定量的に記載しましょう。顧客については、できるだけ顧客ターゲットを明確化することが重要です。家計消費額などオープンデータを活用し数値計画の根拠を明示しましょう。

仕入先との関係構築も審査のポイントとなります。特に、希少な食材など商品自体に競合との差別化が図れる場合には、仕入先の名称や住所とともに、関係性を記載すると評価が高くなります。

 

従業員

 

人員計画も審査のポイントとなります。創業による雇用の拡大は、国の方向性と合致しますので、採用を予定している場合は、人件費などを数値計画に織り込んだ事業計画を作成しましょう。

 

お借入の状況

創業者個人の金融資産・負債の状況を記載します。

借入申込書の裏面にも書かれていますが、日本政策金融公庫は、審査の際に個人信用情報機関で個人情報を確認することがあります。記載しなければバレないということはありません。もれなくしっかり記載しないと逆に信用を失います。

 

必要な資金と調達方法

審査のうえでとても重要なポイントです。資金がいくら必要で、その必要な資金をどのように調達するかを記載します。

自己資金は特に重要で、審査では、自己資金の大きさが創業の本気度を測る尺度となっています。新創業融資制度の自己資金要件は必要な資金総額の10%となっていますが、審査の実態としては、3割程度が目安にされているといわれています。

 

事業の見通し

数値計画に関連する項目は審査上重要なポイントなります。他の項目に記載された情報を前提に、実現可能な収支計画となっているかを審査されます。売上の実現可能性や給料・借入金返済など必要経費の支払い能力などが重視されます。

正直言って前職で数値計画の作成経験がないと、整合性のある合理的な数値計画を作るのはかなり難しいと言えます。

自治体の創業関連支援策や税理士など民間コンサルを活用した数値計画作成が無難といえます。ただし、作成した数値は淀みなく第3者に説明できるよう自分の中で消化しておく必要があります。

 

最後に

創業計画を最初からきちんと作成できる人は多くありません。自己流の創業計画作成は、かえって回り道になる可能性があります。もし、自分には少し荷が重いなと感じられる場合には、税理士などの「創業支援を行っている専門家」にご相談することをお勧めします。

創業計画書は、一度書いて終わりではありません。何度も何度も書き直しを繰り返し、これ以上のものは作れないと自分自身で納得するまでブラッシュアップしていきましょう。

 

この記事を書いた人 港区起業支援センター

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