港区を中心に東京23区での起業・創業を支援する会計事務所、港区起業支援センターです。
(港区起業支援センターはサン共同税理士法人・サン共同社会保険労務士法人の青山オフィスのスタートアップ部門が中心となった税理士・社会保険労務士・司法書士メンバーで運営しています。)
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今日のテーマは、「採択される補助金申請書のつくり方」です。
創業まもない事業者にとっては、とてもありがたい各種補助金。
補助金を獲得することは、返済不要な資金なのでお金の面でプラスになるということ以上に、申請書などを作成する上で自社の将来の姿をきちんと描ける良い機会になることがあげられます。
一方、一定の条件を満たし、所定の手続きを踏めばお金がはいる助成金とは異なり、補助金は、採択により決定されます。
専門家が、申請書の内容を審査して、評価点の高い申請が採択されますので、補助金を受けられるかどうかは申請書の出来次第となります。
どんなに素晴らしい事業計画であっても、記載された内容が求められていないものだったり、うまく伝えきれなかったりすると‘補助金’という果実は得られません。
本稿では、創業者が補助金獲得を実現できるように、持続化補助金を事例に「採択される申請書づくり」のポイントを取りまとめています。
目次
公募要領をよく読む(審査する際のポイントは外さない)
出典元:http://o-dan.net/ja/
採択されるための最大のポイントは、一言でいえば、「求められていることを書く」ということになります。補助金の公募要領には、「審査する際のポイント」が書かれています。
平成29年度小規模事業者持続化補助金の公募要領では、「表1:審査の観点」が添付されています。申請書を作成するうえでは
「審査のポイントを確認すること」と「審査のポイントに沿った記述をすること」
が、もっとも重要となります。
次図は、公募要領を抜粋したものです。ここに記載されている項目は、申請書を採点する上で何らかの配点があるということです。
わかりやすい例でいえば、公募要領には「◇補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みが見られるか。」とあるのにかかわらず、申請書にITに関する記載が無ければ、この項目は零点になります。
もちろん、項目ごとの配点の重みは変わってきますが、審査のポイントに記載された事項はきちんと申請書に織り込むことがとても重要です。
(出典:平成29年度補正予算小規模持続化補助金公募要領から抜粋)
申請書の構成を理解する
出典元:http://o-dan.net/ja/
持続化補助金では、申請書は、様式2(経営計画書)と様式3(補助事業計画書)の二つに分かれています。持続化補助金は、様式ごとに目次があり比較的書きやすい構成にはなっています。
ただ、筆者も申請書作成の支援や審査員の経験はありますが、かなりの申請書がきちんと切り分けて記載されていません。様式2はそれなりの質・量であるものの、様式3は、力尽きてか?質・量ともとても薄くなっている申請書が多いと感じます。
きちんと切り分けて記載されていない原因は、経営計画と補助事業計画の違いが理解されていないことにあります。
様式のタイトルを時間軸でも考えてもらえればわかりやすいのですが、補助事業計画は、補助事業実施期間前後の6ケ月相当、経営計画は、今後3~5年の計画を記載することを念頭に置けば、わかりやすいかと思います。
採点者に読む気にさせる申請書
出典元:http://o-dan.net/ja/
持続化補助金の採点は、当然ですが、複数の専門家で行われます。専門家とは、中小企業診断士などの公的な資格を有した経営に係る知見のある人たちです。
採点者は、限られた短い期間でそれなりの量の採点をするといわれています。皆様も、だらだらとした文字の羅列だけの文章は、読む気にならないでしょう。内容面以上に、まずは「読む気になってもらえる申請書」を心がけましょう。
次のような点に心がけ、申請書づくりをしましょう。
・抽象的で難解な表現よりも具体的で平易な表現
・一文一意(接続詞で文章をつなげすぎない)
・「ですます」調と「である」調の混在はさける
・専門用語は注釈を入れる
・フォントの統一
・下線付きや太字でキーワードを強調
・段落番号、箇条書きなどの活用
・図を活用する(自社の商品紹介や商圏分析など)
・表を活用する(経営数値の経年変化など)
*最近では、オープンデータを活用した地図ソフトなどが無料でダウンロードできる環境にあります。見栄えの良い図表を作成する上でも、例えば、「J-STAT MAP」などネットで検索してみてください。
専門家の支援を受ける
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持続化補助金は、商工会議所・商工会など公的支援機関も力を入れている補助金です。外部の専門家グループと連携して、説明会や個別相談会を開催しているところも多くなっています。
事業者だけが作成した申請書は、独りよがりになりがちな傾向にあります。
作成途中でも、適時、経営指導員などの支援を受け、第三者の視点で申請書のブラシュアップを図ることが大切です。
可能な加点は確実に
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加点とは、専門家が採点する経営計画書などの採点に加え、一定の要件を満たす事業者には一定の加点を行う仕組みです。100点満点のうち10~20点程度の比重といわれています。
年々採択に向けての競争が厳しくなっていますので、公募要領を確認し、自社で可能な加点要素は、確実に押さえたほうが採択される可能性がたかまります。
今回の公募での加点項目である「先端設備等投資計画」や「経営力向上計画」などは、それ自体に優遇措置がありますので、申請などを検討されても良いでしょう。
補助金申請書に関するよくある質問
補助金とは?
補助金を獲得することは、返済不要な資金なのでお金の面でプラスになるということ以上に、申請書などを作成する上で自社の将来の姿をきちんと描ける良い機会になることがあげられます。
一方、一定の条件を満たし、所定の手続きを踏めばお金がはいる助成金とは異なり、補助金は、採択により決定されます。
申請書を作成する上で重要なことを教えてください
申請書を作成するうえでは「審査のポイントを確認すること」と「審査のポイントに沿った記述をすること」が、もっとも重要となります。
補助金の加点とは?
加点とは、専門家が採点する経営計画書などの採点に加え、一定の要件を満たす事業者には一定の加点を行う仕組みです。100点満点のうち10~20点程度の比重といわれています。
2006年 税理士法人トーマツ(現デロイトトーマツ税理士法人)入社
2016年 サン共同税理士法人に代表社員として参画
今日、経営環境は不断に変化し、それに対応して税制・会計基準も複雑化してきております。そのため、そうした動向を絶えずキャッチアップし続け、お客様に常に最高水準のサービスを提供するスペシャリストであり続けたいと願いそれを実行し続けていることを自負しております。上場企業をはじめとしたクライアント様の要求水準は高くなる一方ですが、圧倒的に信頼されるスペシャリストとして、深い知的研鑽を積み、専門的な実務経験に裏打ちされた顧客本位のサービスをご提供し続けることを信念に、邁進して参りたいと思っております。